イケてる!市民活動★ミニレポート内容

主要メンバーそれぞれの情報網や人脈をフルに活かし、フットワークの軽さと機動力で、地域交流、世代間交流を目的としたさまざまな活動を展開されている「北津守地域活動協議会」。キーパーソンのおひとり、崎濱 恵子さんにお話を伺いました。

 

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北津守地域活動協議会

崎濱 恵子さん(左から2人目)

と担い手の皆さま

 

<北津守地域活動協議会主な活動>

ふれあい喫茶(第2火曜日11時~13時)

高齢者食事サービス(第4土曜日)

いきいき元気教室(第3水曜日)

他、祭事に絡めた世代間交流行事を独自に展開

 

北津守地域は町会数が6と西成区の中で最も少ない地域であることから、風通しが良く、地域としての強い団結力が特徴です。

 

 

メンバーネットワークで発揮される機動力と女性同士の気兼ねない「ワチャワチャ感」が強み

北津守地域活動協議会の運営面での強みについてお聞かせください。

 メンバーネットワークで機動力をフルに発揮できることです。

 北津守地域は6つの町会から構成されていますが、西成区で最も少ない町会数です。私たちメンバーは、いろいろな役を兼任しているので、複数の会議に顔を出しますが、どこに行っても同じメンバーですね。(笑)でも逆に、何をするにもまとまりやすい。話が早いです。

 また、共感し合える仲間としての意識がみんな強いので、とても仲が良く、いつも「ワチャワチャ」しています。まあ、お互い好き勝手なことを言ってはいますけど(笑)、上手くやっていますよ。

 昨年、北津守小学校と連携して、「北津守まちづくりプロジェクト」という取組みをお手伝いさせていただきました。具体的にはふれあい喫茶のスタッフとして児童を受け入れました。この事業は単年で終わりましたが、当時関わった先生のうちのお一人が、毎月ふれあい喫茶を手伝ってくださるなど、学校との交流は続いていて、その先生から、「ここの和める雰囲気が好き」と言われます。ただ、問題もあります。それは、メンバーがいろいろな役をかけもちして、複数の会議に参加しているため、休みがとれない!ということ。でも、忙しいからこそ元気なのかなと思えます。ここに来るのが楽しい、地域をよくするために活動する、というやりがいから元気をもらい、互いに励まし合いながら頑張っています。

 

地域の活動を通じた他人との関わりによって、いろいろなことが広がる・拓けることを実感

学校から「ここの雰囲気が好き」と評価されたことを、具体的にどのように捉えられていますか?

 主要メンバーには男性もいて、主に行事の時の運営などで大活躍してくれますが、常時いろいろ話し合ったり、活動に従事できるメンバー12名は全員女性です。年齢的には、60歳代からの高齢者ばかりですが、みんなとてもエネルギッシュです。

 子育て世代は忙しいですし、仕事をされていますから、こうした地域活動になかなか参画できないことは、同じ女性として理解できますし、子育て世代を支えたい。でも、若い担い手がいるに越したことはありませんから、町会ごとに各女性部長らが呼びかけ、何人かは若い母親も手伝いに来てくれています。メンバーが各町会の集まりにそれぞれ顔を出していますので、その連携はスムーズです。

 人って大事だな、とつくづく思います。今の活動が成り立っているのは、メンバーひとりひとりの資質の高さや「地域をよくしたい」という思いが強いからだと思います。

 私自身、人と人とのつながり、組織のつながり、個人の人脈をとても大切にしているのですが、北津守地域ネットワーク委員会(西成区社会福祉協議会主体)の推進委員をしていたことも影響していると思います。他人との関わりによっていろいろなことが広がり、拓けていくことを実感しています。

 

伝統を大切にすることを通じた交流の場、世代間交流の機会づくりの必要性

北津守地域活動協議会独自の取組みについて詳しくお聞かせください。

 「子どもみこし巡業」は北津守地域の一大イベントです。毎年7月20日前後の日曜日の9時~15時半に行います。氏神である津守神社を起点に、枕太鼓など2台の神輿が出発し、各町会を回ります。ここは小さな地域ですが、ひとりにひとつずつ渡すことが慣例になっているおにぎりが400~450個は出ますので、盛況だと思います。また、「子どもみこし巡業」にかかる費用の約3分の2程度は、地元の事業所の寄付金によって賄われています。地元の事業所であっても、なかなか協力が得られないという話をよく聞きますが、私が参画している町会の場合は、まず事業所に手紙を出してから、改めて協力のお願いに伺い、いつも快く賛同いただいています。この地域の事業所は、もともと地域貢献への意識が非常に高いのだと感じます。

 ほかに、12月に実施する「餅つき」も地域活動協議会で予算化し、独自で運営しています。大人も子どもも、また障がいのある方も喜んで参加されています。

また「敬老の集い」は、各家庭を回って記念品を渡すだけ、という地域も増えている中、それでは味気ないだろう、ということで、小学校の体育館を借りて、各町会から歌自慢など特技をもつ高齢者の方を募集し、発表の場として盛り上げます。

 これらに共通していることは、「伝統」を大切にすることを通じた地域交流の場、世代間交流の機会となっていることです。そうしたリアルな人のつながりが、この時代、とても大切だということが共有されているからこそ、継続されているのでしょうね。

 地域コミュニティは「知り合い」で成り立っている、というのが本来あるべき姿と思います。

 もうひとつ、移動販売のマルシェがありますが、実は、これは思ったより利用者が伸びない。(笑)

 北津守には、昨年まで量販店がありませんでした。自転車や自動車に乗れる人は、少し離れたお店にも買いものに行けるのですが、高齢者を筆頭に「買い物難民」問題があるはずだ、と思って、西成区社会福祉協議会に相談し、移動販売の事業者を紹介してもらいました。早速、移動販売マルシェを始めてもらったのですが、思ったより反響が薄かったので、「皆さんお元気なんやろか?」とか、「運動がてら遠くのスーパーまで歩いて行ってるのかも?」など、いろいろ悩みましたね。

 でも、少しずつ定着すれば、と、今も週に2回、区役所とふれあい喫茶のタイミングに開催し、ささやかな地域交流の機会となっています。

 

限られた人員・時間でやることだから、労力も資源も無駄にしない。広報は主に口コミ戦法

さまざまな行事があるようですが、地域広報・集客で工夫されていることはありますか。

 各町会への口コミ、ポスター掲示くらいで、特に変わったことをしているわけではありません。学校を通じた広報の場合は、チラシなどいろいろ準備が必要になるので、大変ですし、数も多いので無駄も出てしまいます。ですので、「子どもみこし巡業」の場合、各町会を通じてはっぴの貸出しについて伝達してもらいます。それだけで、申込数からおおよその人数が事前に読めますので、準備しやすいのです。

 こういう口コミ戦法が有効に働くのも、主要メンバーが、それぞれ町会でのネットワークを築いているからです。無理をしなくても、知りあいから、またその知りあいへ、またその先へ…といった形で情報が伝播されていく、これもまた地域コミュニティの本来あるべき姿ではないかと思います。

 

「現役サラリーマンでもできる町会長」。図式が実現すれば担い手はもっと増えるはず!

最後にチャレンジしたいことなど、今後の抱負についてお願いします。

 若い担い手が入ってくれればいいと思っています。仕事を持ちながらでも、地域のために何かしたい、という人をどう見つけるか。

 今、自営業をされている方が町会長をされている地域があるのですが、しんどい思いをさせてしまっているのではないかと思っています。何かと行事が多いですし、そのたびに顔を出してもらわなくてはなりませんので。

 でも、これからは、それでは駄目だと思います。今の町会運営の仕組みだと、若い担い手は呼び込めない。いかに運営の負担を軽減できるか、例えば何人かが連携しあってカバーするなど、個人にかかる負担を減らす必要があります。

 「現役サラリーマンでもできる町会長」。この図式の実現ができないか、いろいろ模索しているところです。どこの地域でも同じ課題を抱えていると思いますので、今後も研究を重ねていきたいと思います。

 

子どもみこし1 子どもみこし2

神輿は引っ張るものでなく、担ぐ形式のもの。北津守の夏の一大イベントです。