イケてる!市民活動★ミニレポート内容

大阪市内の小学校区において、地域全体で子どもをはぐくむことを目的に様々な人が教育に関わる仕組みとして設置されている「はぐくみネット(小学校区教育協議会)」。大正区は、「はぐくみネット」に関わるメンバーが軸となり、学校と地域をつないでさまざまな活動を行っています。多彩な活動のひとつである「子どものための居場所“宿題カフェ”」に取り組む泉尾東地域まちづくり実行委員会の皆さんにお話を伺いました。

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泉尾東地域まちづくり実行委員会

小松 眞里さん(前列中央)とはぐくみネットスタッフの皆さま

 

<主な活動>

泉尾東地域を【太い絆で明るいまち】にしていくために、地域のさまざまな団体と連携・協力し、より多くの人が積極的に企画に参加できるよう協議し、活動している。

 

いろいろな年代の子ども同士が触れ合うことでコミュニケーション力アップ。

「宿題カフェ」とはどのような取り組みですか?

泉尾東の小学生児童を対象に、学校で出された宿題を持ち寄り、みんなで集まる場を提供するというものです。最初は、母親同士が知り合いというつながりのもと、20人ぐらいの児童が集まってくれたのですが、少しずつ輪が広がっていき4回目となる前回は、34人の児童が来てくれました。

「宿題カフェ」といっても、宿題を持たずに来る児童もいますし、すぐに宿題を終わらせる児童もいます。そういった児童には、漢字問題のプリントやクイズなどを渡したり、防災士の資格をもつ地域住民の方が作成してくださった「防災すごろく」、「防災クイズ」を使って、みんなで遊びながら防災について学ぶこともあります。あまりガチガチにプログラムを固めず、ゆるやかな雰囲気の中で楽しく過ごしてもらえたら、と思っています。

宿題は女性会の方がみることもありますが、基本的には高学年児童が低学年の子どもの宿題をみてあげることが多いです。いろいろな学年の児童がここに集まり自然と会話ができる環境で過ごすことで、児童のコミュニケーション力を育むことにつながればいいですね。お昼にはボランティアの皆さんの手作りカレーライスを皆でいただきます。ワイワイと賑やかな中で食べるカレーライスは格別なようでおかわり続出です。

 

様々な団体に属するメンバーで構成することによって、活動の幅が広がる。

「宿題カフェ」を始められたきっかけについて、お聞かせください。

きっかけ、基盤となっているのは「はぐくみネット」です。

「はぐくみネット」には、PTA、学校、まちづくり実行委員会、女性会のメンバーが在籍しており、主要メンバーは、この泉尾東地域まちづくり実行委員会の活動も兼任されています。

これまで、「はぐくみネット」の主な活動のひとつとして、地域新聞の発行・情報発信がありますが、他の組織が発行する地域新聞が他にもありましたので、「泉尾東地域まちづくり実行委員会として、何か新しいことをしたいね」とみんなが思ったことがきっかけです。さらに、主要メンバーは小学校、中学校のPTAを経験するメンバーがそろい踏み…ということもあり、「子どもたちのために私たち大人ができること」というのが共通の思いでした。

地域が子どものために行う事業というと、「こども食堂」をイメージされる方も多いかと思います。

貧困家庭における子どもを支援するというのが「こども食堂」のイメージとして定着している側面もありますが、現場の立場からみると貧困家庭でなくとも、「孤食」問題もありますし、「食育」など子どもを取り巻く「食の課題」は多様で、「こども食堂」は必ずしも「貧困家庭の子ども支援」とは限定できないと思います。

同じような思いを持つ他の地域で「こども食堂」をされているところがネーミングや広報をいろいろと工夫されているのと同様、私たちも「どんな家庭環境の子どもでも受け入れる」ということを打ち出したいと考えました。

子どもが集まりやすい、子どもと親にとってのお役立ちって何だろう?と考えた時に、「宿題」というワードが浮かびました。宿題は、家庭環境関係なく誰もが向き合うものなので、そこに不平等性は生じません。たくさん来てくれる子どもたちの中に支援が必要な子が含まれていたらそれでいいかな、というくらいの“ゆるやかさ”を持って、 「みんなで集まって宿題でもしようよ!」というアプローチで、宿題を持って児童がふらっと立ち寄り、同級生同士の教え合いっこ、あるいは上級生に教えてもらったりしながら宿題を終わらせることができる。そんなイメージを持ってもらえたら、との意味を込めて、「宿題カフェ」と名付けました。

 

先入観をもたずに、気軽に来てもらえる場所をつくりたかった。

「宿題カフェ」という名称は、どういった意図で付けられたのですか?

「宿題カフェ」以外の事業としては、高齢者向けの事業をはじめ、現在約18の事業を実施していますが、とくに年に一度の地域全体の防災訓練は大規模なものです。

子どもに楽しみながら、防災について学んでもらおうというねらいで、神戸のNPOであるプラス・アーツ様、消防署員にご協力いただき、学校の体育館と運動場を使って体験型の訓練を行っています。例えば、消火器を使って射的ゲームのように、的に当てるといったものなど、アトラクション的な楽しさを演出しています。

昨年は、女性会やボランティアの方にご協力いただき、災害食をつくって試食するコーナー、救助用浮き輪を投げる体験、段ボールキャタピラーで火災のときに煙を吸わないように逃げる練習など様々な催しを通して防災意識を高める防災フェスタを行いました。

今年は、学校の土曜授業の一環として、防災訓練を行う予定です。

今後も、防災だけでなく様々な団体と連携して活動していきたいと思っています。

 

宿題カフェで育った子ども達が、今度は手伝う側になってくれたら嬉しい。

今後どのように継続・発展していきたいとお考えですか?

現在、「宿題カフェ」に携わっているメンバーは、全員が大人ですが、将来的には中高生にも運営する側で参画してほしいと思っています。「宿題カフェ」で過ごした小学生が中高生に成長して、今度は手伝う立場・担い手として手伝いたい!と言ってくれたら嬉しいですね。

「小学校を卒業したから、もうこの場所には来られない」のではなく、成長してからも、この地域で必要とされていること、地域には仲間がいるということを実感できる場所にしたいと考えています。

また、メンバーの高齢化が課題になっていることも事実です。どこもそうだと思いますが、高齢化が進むと、できることに限界が出てきて、活動の幅が狭まってくる場合がありますが「宿題カフェ」で活動の幅を広げることにつながりました。そしてPTAでの役も務める「はぐくみネット」メンバーの若い方々とのつながりができたことで、泉尾東地域まちづくり実行委員会の担い手の層が厚くなったと実感しています。

今後はさらに40~50代の若手の方が積極的に参画してくだされば、と考えていますが、働き盛りの世代ですから無理も言えません。

「宿題カフェ」は、土曜日または日曜日に行っています。まずは、時間があればぜひ保護者の方にも見学に来ていただきたいと思っています。そしてここでの活動に興味を持ち、「ちょっと手伝ってみてもいいかな」という気持ちになってくれたら、小さなことからでも受け入れます。そうしたゆるいつながり方からでいいと考えています。

私たち自身、新しい活動を始めたら、さまざまな分野、さまざまな経験を持つ人たちとつながることができ、子どもたちのためになるだけでなく、私たち自身がたくさんの貴重な経験を得ることができるWin-Winの活動だと実感しています。今後も積極的に新しいこと取り入れ、この活動を継続していきたいと思います。

 

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地域の子どもが全員来てる?と思うくらい大盛況です。

 

一輪車で物資運搬水消火器で炎をたおせ

 

一輪車って意外にバランスとるのが難しい?一輪車で物資運搬体験や、炎に見立てた的に確実に水を当てる訓練など、泉尾東の防災訓練はアトラクション的な楽しさを演出することで子どもも楽しみながら参加しています。