イケてる!市民活動★ミニレポート内容

高齢世帯が半数以上を占める瓜破北。住民が主体となり、地域の課題を解決する方法を自ら考え、活動できるようにするための土台づくりに奔走する瓜破北地域活動協議会 会長 西尾 冨久二さんと、副会長 生方 和子さんにお話を伺いました。

 

DSCN_取材者写真

 

瓜破北地域活動協議会

瓜破北連合振興町会

瓜破北社会福祉協議会

会長 西尾 冨久二さん

副会長 生方 和子さん

 


加速する高齢化、そして男性の地域参加をどう進めていくかが最大の課題。

瓜破北が抱える課題と、解決に向けたお考えについてお聞かせください。

 

超高齢化社会と言われていますが、特に大阪市は要介護認定率が高く介護に関する負担が増加していると聞いています。同様に、ここ瓜破北の課題も例にもれず「高齢化」です。

この地域は公団住宅の住人が大半ですが、その50%が高齢者です。公団住宅は9棟あり、1棟ごとに1町会、全部で9町会、1,200近い世帯です。その半分が高齢者世帯という現実で、認知症の方、独居高齢者の方も多いですね。このような事情を抱える瓜破北で何ができるだろう?いや、だからこそできることがあるはずだ!といろいろ考えています。

基本的な考え方としては、地域の担い手として次世代を期待することはなかなか難しい現状ですから、高齢者の自助、高齢者相互の共助・互いにフォローしあえる関係性づくりが重要と考えています。70代80代の方でも元気な方はたくさんいますから、そういう方たちがまずは集まって話をする機会をつくっていこうとしています。

ふれあい喫茶や100歳体操などはすでに実施していますが、高齢者が気軽に集まれる小さなイベントをもっと増やしていきます。高齢者を狙った詐欺も未だに減りませんが、情報をもっていなかったり対処の方法がわからなかったりして被害を受けることもありますから、困った時に誰かに話して相談できる関係性をつくれるよう、日頃からのおつきあいができるような場となれば、と思います。そうして、元気な高齢者のコミュニティをもっと増やしていけたら地域のもつ様々な問題や課題を解決する糸口が見つかると思います。

 

高齢の引きこもり男性との接点づくりが喫緊の課題。アイデアを模索中

課題解決に向けて具体的なアイデアなどありましたらお聞かせください。

 

高齢者課題の中でも、男性の地域参画に焦点を当てた対策を仕掛けたいと考えています。男性と比較すると、女性は自分から出て来られる、積極的に動こうとする方が多いのですが、男性がなかなか外に出てきてくださらないので地域の中に溶け込めないという現実があります。男性は仕事をしている時はどうしても地域との関わりが薄くて地域のことを知らない人が多いです。近所づきあいは妻に任せて、妻と死別すると引きこもってしまう…といったケースも多いのではないでしょうか。新しいところに飛び込むのは抵抗があるのかもしれません。

老人クラブ「和楽会」というサークルのようなものがあります。そこでは囲碁やマージャン、カラオケなど、趣味を通して地域の人が交流できる場づくりをしていますが、顔ぶれは決まっています。多くの高齢男性はそういう場所にも自ら積極的には出かけず、部屋に引きこもっているという現状がありますので、安否確認も含め、「顔の見えない高齢男性」に表に出てもらうことがまずは課題対策への一歩だと考えています。

これまでと違った形でどう仕掛けるか。

男性が集まる仕組みを考えるワークショップを大学の先生のご協力もいただきながら月に一度くらいの頻度で検討しています。例えば肩の力を抜いたゆるい集まり「お酒を嗜みながらいろいろ話をする会」のようなものを告知してどんな反応があるか?今まで顔を合わせることがなかった方が一人でも二人でも出てきてくれたら…と考えています。もちろん「男性だからお酒好き」とは限りませんが、行ってみようかと思うきっかけにはなるかもしれません。やってみる価値はあると思います。それでまずは参画者を増やし、つながりを広げ、ネットワーク化していくこと。

男性は長年、社会のため、会社のために働いてきました。一人一人はできること、得意なことを持っているのですから、それが活かせる仕組み=ネットワークを整備することで、男性が担い手になってくれるのではと期待しています。集まった人がひとつのグループになり、いろいろな活動を考え、実行していくといった形で広がっていけば、地域の困りごとの解決に力を発揮できると思うのです。

 

固定観念にしばられず、「課題をチャンスとする」くらいの逆転の発想で

他にどのような課題がおありですか。お聞かせください。

 

ひとつは財源。100%助成金といった形で支援を受けるのに限界があることも理解しています。高齢化により、世帯数も減ってきていますから町会費などの収入は減少しています。しかし現実には

小さな活動ひとつとっても様々な出費があって、その財源を確保することも大きな課題なので、収益事業の必要性も感じています。

もうひとつは地域活性化。鍵としては、外からの人をどのように呼び込んで盛り上げていくか、ですね。ただ外から来てもらうだけではなくて、お互いにメリットになる関わり方ができないか、と考えています。例えば近くの私立大学では福祉の科がありますが、そこの学生に来てもらって学生たちのフィールドワークの一環として、この地域の住民と交流するなどできないか、と目論んでいます。地域としてはただボランティアで支援してもらうというより、学習の一環として課題をフィードバックして、学生にもメリットになるような働きかけをしてあげたいし、地域としても若い人たちの感覚やアイデアを取り入れていく。お互いにメリットがあるWIN-WINな関係づくりができないかと考えています。地域活性化にはの地域との連携など、外部の方々の力は必要だと思います。しかし、よそに頼るのではなく、地域内の人が互いにできることを活かしたシステムであるという軸足はぶれないようにしたいです。つまり自分たちのために連携するのではなく、「共通の課題を解決するために協働していく、それにより瓜破北の課題が解消される」というスタンスで進んでいきたい。「共通の課題を解決する」ために、いろんな外部の人たちとつながって、そこから新しい何かが生まれるかもしれないと思っています。課題を持つからこそ、課題を解決したいという情熱はとても強いと自負しています。

固定観念にとらわれず、課題をチャンスとするくらいの逆転の発想でいろいろ考えていくと、まだまだたくさんできることがあると思います。

 

3年後、5年後、その先をめざして。自らが考えて動くきっかけづくりが私たちの役割

今後のビジョンをお聞かせ下さい。

 

課題を解決するために、これからすべきことは見えていますし、着手していることもありますが、今現在ではなく、3年後5年後を目標に長い目でみてどうするのか。それは誰が考えるのか。つまり今後の担い手が一番の課題です。だからこそ、これからどうしていきたいかを主人公である瓜破北の住民自ら積極的に考え、関わってもらいたい。そのための基盤づくりをしたいです。

みんなで考えていく、その重要性を地域の人に理解してもらうために短期、中期、長期の目標を具体的に可視化してわかりやすくしていく、外部の人の意見を聞いてワークショップなどで浸透させていく、それが将来のこの地域のために必要なことだと考えています。

この地域をよくしていきたいという思いはみんなが持っていると思います。誰かがやってくれる、ではなく自分がやる、何をしよう、ではなく「○○をするために、何をしないといけないのか」を考えるという発想で、みんなが先をみて、全体で地域力をあげていくきっかけをつくっていくことが私たちの役割だと思います。地域を良くしたいなら、「待っているだけではダメ。自分から動かなければ変わらない」―その意識を持っていただけるよう、自発的に関わりたくなるような企画をひとつひとつ実現していきます。

住民の半数以上が高齢者という地域だからこそできることを追及し、高齢化課題の解決を実現していくことで、私たちの取組みがモデルケースになり、他へ波及していけば、という思いで頑張ります。

 

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公団住宅の住民が大半の瓜破北の特性として、出来あがったコミュニティの結束は強いとみえ、子どもの行事参加度は高いことが伺えます。お元気な高齢者も多く、夏まつりや餅つきなどの地域イベントでは世代間交流も見られます。