東成区の長屋にある小さなカウンセリングルーム。NPO法人カウンセリングサポートナウでは、うつ病などの心の病により休職した人が、復職後も安定して働き続けることができるように支援をしています。
活動のきっかけの一つは、事務局長の今村幸一さんが、地域障害者職業センター(※1)で精神疾患休職者の職場復帰支援(※2)に関わったことでした。リワーク支援(職場復帰支援)を受けて復職した人たちへの継続的なフォローアップが必要であることを痛感したのです。

 

「仕事に真面目で一生懸命なゆえに、うつ病になった就労者も多い。そんな人たちだからこそ、せっかく復職しても、周りに迷惑をかけたと気にしたり、休んだ分を取り返そうと無理をした結果、また元に戻ってしまうという姿を、何度も見てきました。でも受け皿は病院しかなかったのです。」と今村さん。復職して公的な支援が終了した後も、息の長い支援ができれば…と考えていた時に、NPO法人カウンセリングサポートナウの今原栄子さんと出会い、復職後のセルフケアをアシストするための支援プログラム「SAVEプログラム」をつくりました。

 

産業カウンセラーとして多くの人の悩みに向き合ってきた今原さんは、「医療では主治医がいます。メンタルヘルスの課題を抱える就労者の回復には、医療支援に加えて、継続して働くストレスや苦労と上手につきあうその人仕様の対処法が大切であり、また、仲間とのつながりや様々な支援者が寄り添っていることが有効だと思います。電話でも、メールでも、誰かとつながっていると感じてもらえたら。」と話します。2016年より企業のストレスチェックが導入され、今後、ますます、就労者のメンタルヘルス課題を社会で支える具体的な取り組みが必要になると今原さんたちは考えています。

 

今の課題は、必要としている就労者にどうやって活動を届けるかということ。医療機関からの紹介や、口コミに頼るのが現状です。「カウンセリングはまだまだ敷居が高いと思われています。ハードルを高くしないで、和んでもらえる場所、ここに来たらほっとするような場所にしたい。」と今原さん。
無理をせず立ち止まること、立ち止まったときに誰かがそばにいること、それが大切なことなのかもしれません。

 

IMG_2173 31DC716F-1135-43DE-B619-8DE22EF707F2

【写真】カウンセリングの勉強会の様子

 
※1 地域障害者職業センター
公共職業安定所との密接な連携のもと、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションを提供する施設として、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づいて全国47都道府県に設置されている施設

 

※2 精神疾患休職者職場復帰支援
精神障害のある方及び精神障害のある方を雇用しようとする又は雇用している事業主に対して、主治医との連携の下で、雇用促進、職場復帰、雇用継続のための専門的支援を行うもの