企業×市民活動 コラボのススメ内容

パソコン修理250万台を超える修理のプロが集う株式会社アルファテクノ。修理だけではなくリサイクル、 リデュースで環境負荷を低減し、企業の社会的責任である「環境対策」にも積極的に貢献しています。社会貢献活動の一環として、親子のパソコン分解教室を8年前にスタートしました。ものづくりの会社が分解講座!どのような講座でしょうか。スタートから担当されている河合貴之さんにお話を伺いました。 

 

河合様

 

株式会社アルファテクノ

西日本リペアセンター

主任 河合 貴之さん

 

<主な活動>

パーソナルコンピュータの修理

データ復旧サービス・初期導入設定サービス・出張サポート・運送・移動設置サービス等のサポート事業

 

 

 

親子で挑戦!パソコンを分解する講座

パソコンの修理が会社の主な事業と伺っていますが、

どのような活動をされていますか?

 

 2011年から、小学生と保護者を対象に「親子PC分解講座」を開催しています。パソコン修理のプロだからこそできる社会貢献をしたい、という思いからスタートしました。年に1回、夏休みに、本部のある千葉の習志野と、西日本リペアセンターのある大阪で開催しています。普段は見ることのないパソコンの中身を、自分でドライバーを使って分解してみる、という講座です。子どもたちに向けて、ソフトウェアではなくハードウェアの講座をやっているところは日本ではおそらくないのでは、と思います。親子で参加いただいていますが、参加者からは「わくわくした、楽しかった」ととても好評で、特に親にはパソコンの中身以上に、子どもの新しい一面を発見する機会にもなっているのではないかと思います。

 

 

ものづくりは新しいものをつくることだけではない…

リサイクルの概念も子供たちに伝えたい

パソコンを自分で分解するというのは画期的な講座ですね。

なぜこの講座始められたのでしょうか。

 

 弊社は1996年の創業から、パソコンの修理を事業の柱としています。現在では、データ復旧サービス・初期導入設定サービス・出張サポートなどの事業に広がっていますが、2014年には累計250万台を超えるパソコンの修理をさせていただきました。メーカーは常に新しい製品を開発、企業は5年くらいでパソコンを入れ替えますが、まだまだ使えるパーツや、それぞれの使いみちがあります。限りある資源を有効に使ってリサイクル、リデュースして環境保全に貢献することは、私たちの社会的責任と自負しています。パソコンを使ってできる、分解と組み立てのプロである我々だからできる社会貢献活動のひとつとして考えたのが、この講座でした。パソコンを分解してみること、部品の一つ一つがどのように組み立てられているかを見ることで、ものづくりに触れる機会になるだけではなく、ものを長く大事に使うことや、リサイクルやリデュースできること、その大切さを感じてもらう機会にもなればと思っています。講座の中でも環境問題に触れています。持続可能な社会の実現のためには、企業が環境に配慮したものづくりをしていくと同時に、次世代にひきついでいく仕組みをつくり、社会に貢献することが必要だと考えています。その仕組みのひとつの形が分解講座です。

 

 

体験型の講座、他にはない独自性が参加者を増やす

これまでの講座の歩みを聞かせてください。

 

 初めての取り組みでしたから、当初は集客ができませんでした。無料だから来てくれるだろう、と甘い考えだったと思います。ネットでの告知もまったく反応がありませんでした。社会貢献活動をして人に来てもらうにはどうしたらいいのか、そこからのスタートでした。公共施設にチラシを置いてもらっても、中小企業ですから会社名がまず認知されていません。初回は3組、それも社内や協力会社などでした。講座の参加者が少なくても、10人のスタッフでこまやかに対応し続けてきた結果、現在は盛況になりました。2020年に、プログラミングが小学校の授業に入ることもあるかもしれません。何よりも、「パソコンをばらしたらどうなってるんだろう」という子供の純粋な興味や気持ちを引き出す内容、教えられるのではなく自ら体験するという面白さ、少人数制、親子で体験できる、といった、他の講座や学習塾などにはない独自性や特別感が、参加者が増えた要因ではないかと思っています。あくまでも10組限定の講座にし続けています。

 

 

子どもは夢中!親は笑顔!…子どもたちの未来を拓くきっかけになれば

8年続けてこられて、今、感じている手ごたえはありますか?

 

 講座はいつもわいわい盛り上がります。毎回綿密にタイムフローを考えて、子どもの個性にあわせて多くのスタッフでフォローして進行していきます。その特別感を感じてもらえていることがひとつですね。そして、親が笑顔になっていることは一番の成果だと思っています。親は液晶パネル、ハードディスク、メインボードを分解するところでたいてい終わりますが、子どもは最小単位まで分解します。「ここまで」、という先入観がないのか、本当にパソコンを丸裸にするまで、ひとつひとつ全部とります。「まだ分解できる、と大喜びでやっていた」とアンケートにもありました。なんといっても子どもの探求心はすごいです。そんな子どもの姿を見て、子ども以上に親が笑顔になるのは、おそらくそこまで夢中になっている子どもの姿を見ることが、今までなかったからかもしれません。子どもたち一人一人に可能性があることを感じてもらったからだと思います。だから、親子で参加してもらうことに大きな意味があると思っています。講座当日の親子の笑顔と、いただくアンケートが励みでもあり、宝物でもあります。

 もうひとつは、中学生の職場体験につながったことです。参加いただいた親の一人が教員で、「中学生も参加できないか」、と問い合わせがありました。小学生と同じ講座内容ではなく、職場を見てもらったり、現場で社員と交流する時間もつくりました。職業観を養う機会をもってもらえたことで、中学生たちの将来につながる貴重な体験になればと思っています。

 

 

講座の副産物…社内の活性化、従業員満足

講座を続けることで会社にも変化がありましたか?

 

 毎回講座のアンケートをとるのですが、参加してくださった、あるお母さんからとても嬉しい感想をいただきました。「アルファテクノさんみたいな会社に入りたい、なぜかというと とても社員の方がいきいきしているからです」という内容でした。確かに、講座を始めてから変化しています。対外的な活動に参画することで、自分たちの会社を見つめ直すきっかけになったのかもしれません。いい循環で、社員の志気もあがっていると感じます。企業は「人」でできている、働く人のモチベーションが上がらない会社の業績は上がらない、と私は思っています。講座が社員の教育やモチベーションアップにつながっているのは嬉しい副産物です。初めての講座で集客に苦労したように、弊社は中小企業で名前の知られた会社ではありませんが、中小だからこそ一人の意見でもトップに届く、やりたいという思いがあれば実現しやすいのでは、と思います。私は従業員のみんなに、ここで働いていることに誇りを持ってほしいと思っています。

 

 

「利他」を原動力に地域と社会に貢献する活動を

これからの展開について聞かせてください

 

 社内だけではなく、外部との連携を模索しています。今は社員で講座を実施していますが、大阪市主催の異業種の方々との交流会で、積極的に社会貢献活動をやりたいというたくさんの方と知り合いました。外部スタッフとして講座に参加してもらうことで、化学反応が起きるのでは、と期待しています。同じ志をもつ方や会社と連携ができれば、講座だけではなく、もっと大きな仕掛けができるかもしれません。異業種の企業でタッグを組むことができればと思っています。

また、地域にも貢献していきたいと考えています。一中小企業で社会貢献をするといっても手探りでしたが、たまたま小さな記事で大阪市の「クリック募金」のことを知り、すぐに社長に話をして承諾をもらい参加させてもらいました。無理のない形で継続し、市民活動に役立てていただくことで、大阪市の企業市民としてお役に立てれば、という思いです。企業が継続するには利益は必要ですが、己のためにではなく、他の人のために、利己ではなく利他を社是として、これからも活動を続けていきます。

 

 

【分解風景】

分解風景4 分解風景2

 

 

分解風景3 分解風景1

 

【資源とゴミの分別】

ごみの分別廃棄

 

【修了証授与】

修了証授与 修了証

 

【集合写真】

集合写真