企業×市民活動 コラボのススメ内容

企業やNPO、福祉に関わる団体など、さまざまな団体が自発的につながり、主体的に地域課題解決に取り組む「住之江区地域活動応援サークル」。今年6月にサークル主催の初イベント「わくわく子ども食堂見本市」が開催されました。コアとなる役割を担っておられる4名のキーパーソンに参画から活動始動に至った経緯や思い、そしてこれからのことについてお話を伺いました。

 

 

応援サークルメイン写真

 

住之江区地域活動応援サークル

<参加団体(敬称略・順不同)>

・日本マクドナルド㈱

・㈱一二三工業所

NPO法人 自立生活夢宙センター

・森ノ宮医療大学

・社会福祉法人 三宝会南港病院

・南港南地域在宅サービスステーションしらなみ

・住之江区社会福祉協議会

・住之江区子ども・子育てプラザ/けあ工房夢いろ

NPO法人トロワ・アルブル児童デイサービスパレット緑木

・㈱舞昆のこうはら

・特定非営利活動法人イー・ビーイング

・手作り新聞「瓦版や」

・㈱セブン・イレブン・ジャパン

・住之江区栄養士協議会

・認定NPO法人 大阪府高齢者大学校

・丸善薬局

・住之江区民生委員児童委員協議会

・住之江区図書館 等

 

 

さまざまな団体がゆるやかにつながり、新たな地域応援のムーブメントの

起点となる「住之江区地域活動応援サークル」

 

 地域の課題解決や特色を活かしたまちづくり活動を推進するため、業種をこえた社会人のボランティア部(サークル)として、2017年9月に結成された「住之江区地域活動応援サークル」。

 元企業やNPO、福祉に関わる団体などさまざまな人材が地域のために自発的につながり、自由な発想で地域を支援しようとする活動は、これからが期待できる新たなムーブメントだと住之江区の担当者は話します。

 参加団体は現在約20を数えます。地域が抱えるさまざまな課題解決のためのアイデアを出し合いながら、具体的なアクションプランまでをたった2か月で落とし込み、今年6月には「わくわく子ども食堂見本市~大人も子どもも食べよう・学ぼう・楽しもう」が開催されました。とにかく何かやってみよう!という発想がベースにあったことが最大の要因とのことですが、このスピード感が心地よい緊張感と結束力につながったとメンバーのお一人が話してくださったのが印象的でした。

 具体的には、社会的潮流で住之江区においても広がりをみせている子ども食堂や子どもの居場所づくりを応援することを目的に地域の子どもと保護者、そしてもちろん住之江区で子ども食堂を運営する3つの地域活動協議会も参画する催しとなりました。

 地域活動協議会が運営する子ども食堂事業について「もっと地域の人に知ってもらおう」、「子ども食堂を盛り上げよう」というだけにとどまらず、さまざまな団体が「子どもと食」というテーマでつながり、各々が事業活動で培った知見やノウハウ、経営資源を持ち寄りながら、子ども食堂事業の広報を支援するというアプローチもユニークです。メンバーをはじめとする関係者の、日頃の事業活動を通じて地域の方々と接点をもつ中で、地域を良くしたい、社会に貢献したいという強い思いが醸成された『企業区民』としてのあり方の一つのカタチといえます。

 今回お話をお伺いした4名の方々の個性やスキル、絶妙な役割分担により、プロジェクトを進めるにあたって必要な機動力がより増幅、促進され、異例のスピードでのイベント開催が実現したのだと強く感じました。

 

 

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特定非営利活動法人 自立生活夢宙センター

コーディネーター 菊池 仁さん(写真左)

スタッフ 馬場 直樹さん(写真右) 

 

<団体概要>

自立生活センターとは、障がい者が地域で一人暮らしをするために、ヘルパー派遣、困ったときの相談、仲間・居場所づくりをサポートしている場所です。
夢宙センターは障害者自身が運営する、障害者の為のセンターです。名前の由来は、みんなが夢をもって夢に向かって夢宙(無限の可能性を追求)となり、そこに集まる仲間の居場所や自己実現をはかっていこうと想いが込められています。

 

障がい者スタッフたちと仕掛けるコンテンツパワーでイベントでの高い動員力

―NPO法人 自立生活夢宙センター 菊池 仁さん、馬場 直樹さんのお話―

 

 当センターは、障がい者と健常者が共に活動することを通じて、配慮するべきこと、そうでないこと、互いに理解し合い、共存できる社会とするための活動を行っています。

 常々、社会には多様な人たちがいる。自己実現のために働いている障がい者がいることを多くの方々に知ってほしいという強い思いがありましたのでコアメンバーとして関われることは自分たちにとってもとても意義があることと感じています。

 「わくわく子ども食堂見本市」では、動画などのコンテンツ制作が非常にうまい障がい者が教えるユーチューバ―体験教室、視覚障がい者とのゲーム対決など、体験型のプログラムをいくつか提供させていただきました。差別や偏見が育たない子どものうちからの体感型の教育として、障がい者の子どもたちと健常者の子どもたちが触れ合える機会を多くつくることは、将来的に多様性を受け容れ合える、住みやすいまちづくりにつながっていくと思います。

 今後、「見本市」をシリーズ化していこうという話がコアメンバーの中で出ています。シリーズ化することで、参加団体の皆様が強みを持ち寄り、発信していく仕組みづくりとして機能させられたらいいと考えています。

 

 

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森ノ宮医療大学

作業療法学科 講師

中村 めぐみさん

 

<団体概要>

住之江区の咲洲地区に平成19年4月に誕生した医療系総合大学。

医療系総合大学として健康や医療に関わる教育研究活動と、社会に向けた情報発信に努めながら、近隣にお住まいの皆さまをはじめ、企業や自治体と連携してさまざまな地域貢献活動を進めています。

市民公開講座、もりもりひろば、ほほえみクラブ運営の他、区民イベント等における協力等多数。

 

行動しなければ始まらない―アクティブでありながらもニュートラルな視点

―森ノ宮医療大学 中村めぐみさんのお話―

 

 森ノ宮医療大学と住之江区は以前から連携していました。代表的なところでは、医療をテーマとした市民公開講座や子育て支援活動「もりもりひろば」と高齢者福祉活動「ほほえみくらぶ」の運営などがあり、「社会連携事業」という位置づけで展開しています。

 「わくわく子ども食堂見本市」は企画が決まってから異例の速さで事が進みました。

 大学として資源を提供していませんが、ありがたいことにコアメンバーの一員として参加させていただきました。サークルの皆様の思いをできる限り反映した企画を実現するために、ニュートラルな視点を忘れないよう心掛けていました。

 私自身、「何でもいい、とにかくやってみる。行動しなければ始まらない」という持論を持っています。何かやりたいと思っていても、実際は自分だけではできない、続かない。でも「住之江区地域活動応援サークル」のいろいろな方々とつながる機会を活用して行動していくことで、地域課題を解決する糸口を掴んだり、次のアイデアが浮かんだりといった発展があると思っています。活動を継続することにより住之江区がさらに良くなると信じています。

 今後は、所属学科の学生たちにも参加してもらおうと思っています。私の研究分野である介護予防においても、違う視点から考える機会となると思います。学生を含め、社会に活かせるスキルを持っていても顕在化していない方の地域での活動の場を増やしたいです。また、活動の場を増やせば、これら担い手の方々が自ら地域のニーズを発見し、活躍されると思います。このようなシステム作りの一助になればと思っています。

 

 

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日本マクドナルドフランチャイジー

有限会社サクセスフーズ

オーナーオペレーター

久米 利雄さん

 

<団体概要>

病気の子どもと家族の滞在施設であるドナルド・マクドナルド・ハウス吹田などのチャリティ活動、交通安全パトロールなどの地域貢献活動、学校等に出向いての出張授業や食育教材提供、ハンバーガーづくりなど職場体験、キッズスポーツ支援など、主に子どもを対象とした活動を行ってこられました。

現在久米さんはこちらドナルド・マクドナルド・ハウスでは世話人も兼任されています。地域貢献活動は地域特性に応じ、独自に展開されています。

 

常に課題と向き合う姿勢と、飲食サービス業界ならではの観察眼・分析力

―日本マクドナルドフランチャイジー

有限会社サクセスフーズ 久米 利雄さんのお話―

 

「私たちにいろいろなものを与えてくれる社会にお返しをする義務がある―」

 マクドナルドが掲げる理念に基づき、病気の子どもと家族の滞在施設であるドナルド・マクドナルド・ハウス吹田などのチャリティ活動やキッズスポーツ支援、学校教育支援等、さまざまなフィロソピー(企業の社会貢献)活動を行ってきました。

 「わくわく子ども食堂見本市」では、「ドナルドの食育教室~食べることについて考えよう~」という食育プログラムを提供させていただきました。私自身、「子どもを元気にしたい」「子どもが戻って来たい居場所づくり」のため、地元企業として地域に積極的に関わっていきたいと思っていましたので、さまざまな企業やNPO、福祉に関わる団体が協働して住之江区のために何かしようという「住之江区地域活動応援サークル」という新たなうねりの中で企画に関わるコアメンバーとして携われるのは有難いことだと思っています。

 住之江区は、新しい地域、歴史ある地域など地域カラーがまちまちです。それはいいのですが、住之江区への人々の思いもまちまちなので、オール住之江として人々がまとまり、活性化するには課題があると思います。担い手不足の課題もありますが、動ける人は沢山いると思います。参加のきっかけがないとか、参加の仕方がわからないのかもしれません。

 今後はそうした課題を解消するための世代間交流など、次なる担い手がつながってくれるきっかけとなるようなことができればいいと考えています。

 

 

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株式会社舞昆のこうはら

東 航輝さん

 

<団体概要>

1961年創業。

「人の心に温もりと文化のある生活提案」を理念に掲げ、平成7年東住吉区本社店出店、全国へカタログ販売スタート。平成16年、天然酵母が育てた贈り物「舞昆」を発売。平成22年、社名を「株式会社 舞昆のこうはら」に変更。

農林水産大臣賞、近畿郵政局長賞、大阪府知事賞など数々の賞歴を持つ。

取扱い品目は塩昆布、佃煮、昆布発酵応用商品、保健機能食品、健康食品、サプリメント等多岐に渡る。

 

市民活動活性化の鍵を握る、次代を担う若手としてのフレッシュ&フラットな視点

―株式会社舞昆のこうはら 東 航輝さんのお話―

 

 地元企業の社会貢献活動として「住之江区地域活動応援サークル」にキーパーソンである鴻原と私とで企画会議から参加させていただき、コアメンバーとして活動しています。

 「わくわく子ども食堂見本市」では、身近に食べているものから遡っての日本の食文化を伝えることを目的としたプログラムを提供させていただきました。白米と商品の昆布を試食し、その後、原料の乾燥昆布を見る、触る、香りを感じるという体感を通じて、出汁文化などの奥深さを理解してもらうという一連の体験に子どもたちがとても楽しそうにしてくれて、関わって良かったと手ごたえを感じました。

 私自身、メンバーの中では最も若手となりますが、地域のために何か手伝いたいという思いは持っていても、きっかけや参加できる場を見つけることができませんでした。しかし「わくわく子ども食堂見本市」を行うにあたり、さまざまな企業や団体が協力し合いながら一気に進めていく機動力と結束力を感じられる現場を体感できたことや「わくわく子ども食堂見本市」開催を通じて地域の方々と関わることができたのはとても意味があることでした。

 今後、もっと若者が区政を体感的に理解できる仕組みが必要と思います。知らなければアイデアが浮かばないのは必然だと思います。参加したくてもできない若い人の嗜好や動向をふまえ、気軽に情報を取れ、参加できるような易しい仕組みができれば、もっと若い人が参加しやすくなると思います。