企業×市民活動 コラボのススメ内容

 

全国に姉妹校が60校ある学校法人三幸学園の「大阪こども専門学校」は

新大阪にあります。

2年前に札幌から転勤してこられた 杉山副校長は、この地域には転勤者が

多く、地域交流が希薄であることを知り、学校を地域交流の場にできないか、

とさまざまなイベントを企画されています。

例えば、親子が一緒に参加できる定期的なイベント開催を通して、安心して

子育てができる環境づくりの一翼を担いたい、と奔走される杉山先生に

お話を伺いました。

 

 

子ども専門学校-1

 学校法人 三幸学園 大阪こども専門学校

 副校長 杉山 誠さん

 

 

    

 

 

地域の課題に学校でできること、学校だからできることは何か

専門学校の学生と地域の方々との交流を図る活動をはじめられたきっかけを

お聞かせください。

 

学校のある「新大阪」地区は転勤者が多く、私も2年前に「札幌こども専門学校」

から転任してきた時に、早く馴染みたいという思いとともに、この地域でお役に

立てることはないかと考えていました。

そんな時、まちづくりセンターの宮脇さんから子どもや親に関わる課題を伺うと、

引っ越してこられた保護者の多くは、身近に知り合いが少なく、孤独で相談できる

人がいない、という悩みをもっているということを知りました。また、待機児童の

問題もありました。

それがきっかけで、学内を地域交流の場にできないか、と考え始めたのです。

校舎も新築したばかりで実習室も充実していますし、、学校で開催すれば地域の

方にも安心感を持っていただけるのではないか、と思ったのです。

 

学生主体で地域の方との交流を図り、互いに学び、高めあう場をつくる

具体的にはどのような活動をされているのでしょうか。

 

活動は学内で実施するものと、学外の地域のイベントに参加するものと2種類が

あります。学内では2ヶ月に1回、イベントを企画開催しています。夏祭り、

ハロウィン、クリスマス、バレンタインなど、季節に合わせたものですが、

それは教員がバックアップしながらもすべて学生が主体で運営しています。

親子一緒に参加するものだけではなく、保護者主体のものもあり、例えば、

バレンタインのイベントでは保護者がチョコレートを作り、子ども達は別室にて

学生達と一緒にチョコレートを入れる箱を作る、というようにお疲れ様といった

意味合いもこめて、息抜きをしてもらう時間にもなっています。

また、本校には音楽コースがあることを活かして、クリスマスイベントでは

ハンドベルの演奏会開催しましたが、これは大好評でした。学生にとっては

学んだことをアウトプットする場でもあります。学外では、市や区、地域の

まちづくりセンターなどから要請を受け、様々なイベントに参加させて

いただいています。

 

地域の方と学生とが互いに学びあって高めあえる活動

企画から実施までの学生の取り組みについてお聞かせください。

 

各クラスの学級委員長が集まる会議や、イベント中心のサークルのような

グループ「こどもんず」を立ち上げ、そこに参加する学生を中心に、

企画、実施しています。地域の方からのリクエストで、バルーンアートの

制作などもあり、人員が足りない時には学内で公募をし、事前勉強会を

開催するなど、皆で協力しながら実施しています。活動は、インターン

シップのような単位取得のためではなく、学生が将来のために経験を

積むこと、、地域に貢献することを目的としています。地域の方と学生とが

互いに学びあって高めあっていける、そんな相乗効果のあるイベントに

したいと思って活動しています。

 

継続することから生まれる共感、喜び。それが次の活動に向かうエネルギーになる

2年間の活動で感じられたことや思いなどをお聞かせください。

 

手作り感満載のイベントではありますが、大掛かりなことでなくても、

「やること」「続けること」が大事だと思っています。母と子の絆コンサートの

参加者から聞いたことですが、とても嬉しかったことがあります。

「以前、大阪こども専門学校主催の保育発表会(演劇発表会)を見た娘が、

あれから1年以上経つのに、あの時のことがずっと良い思い出になって

いるようで、今でも家で話してくれることがあるんです。」と言われました。

続けてきたからこそ、再び出会えたご縁、そして子ども達の成長に

触れることができた、それは私たちにとっても大きな喜びです。

まだまだ告知も足りないところがあり、参加者は少ないですが、

子どもが喜んでいる、親子で楽しんでいるというメッセージをいただき、

そんな皆さんの言葉が励みになり、。継続するエネルギーとなっています。

 

地元の柔軟な姿勢、世代を超えた人と人のつながりが新しい芽を育む

地域の高齢化によって次世代の市民活動に課題をもつ地域も多いですが、

どのようにお感じですか?

 

この地区も、少子化による幼稚園や小学校の統廃合といった問題が

あがっていますし、ある地区では公園にホームレスが住み着くので

遊具を撤去する措置が取られる、という問題も発生しました。

区の施策を、住民の住みやすさや子育ての安心感につなげることが

できないか、住民の方々といっしょに考えた結果、その公園で子ども達の

ためのイベントを企画・実施しました。地域貢献を実施するにあたっては、

まちづくりセンターの宮脇さんが橋渡しをしてくださったり、西中島地区の

三田会長が町内の防災研修の集まりなどに積極的に声をかけてくださったり

することが大きな力になっています。

長くここにお住いの方々や地域組織のご厚意のおかげで、学生も自主的に

地域の方々と積極的に、生き生きと楽しく関わることができます。

また、学生は大阪を中心に広く他府県からも集まっていますので、

育った環境によって考え方も価値観も違いますが、その多様性が

融合することで新しいものが生まれてくる、実現するのではないかと

思っています。

次の世代の活動には、古くから地域に根ざした支援組織と新しい

若い人たちとが世代を超えてつながる、人と人がつながることが

必要で、実施する側と受け入れる側が効果的に連携し、

実績を作っていくことで地域の担い手の不足を補う一歩が

踏み出せるのではないかと思います。

 

「親子の絆」という軸をぶらさずに貫いて、社会を明るく元気にする活動を

広げていきたい

今後のチャレンジについてお聞かせください。

 

大阪は児童虐待が日本一と聞きました。こうしたイベントを続けることで

将来的にさらに、ここならではの地元に開かれた学校にしていきたい

ですし、同時に地域以外の方を受け入れる体制も作り、絆を結ぶ

きっかけを作れたらと考えています。私たちが大切にしたいのは

「親子の絆」なのです。現在、地域からの要望もあり、校内イベントの数を

増やしたいと考えています。実際には、平日開校の要望もあり、

授業の合間に組み込むのは簡単ではない点もありますが、、

午後や放課後に当番制で実施するなど、方法を工夫していきたいと

思います。本校の母体の三幸学園のミッションは“世の中の困難を

希望に変える”こと、すなわち、日本を明るく元気にすることです。

「情熱と行動が人と社会と明日をつくる」というスローガンのもと、

活動を続けていきます。

 

お世話になったご恩返し…地域とともに学校も歩み続けたい

最後に、これから先を見据えての思いをお聞かせください。

 

先日、これらの活動を通じて、、とても嬉しい副産物がありました。

朝早くからイベントの準備に取り組んでいる学生の姿を見られて、

その一生懸命な姿にご近所の方からお褒めの言葉をいただき、

とても誇らしく思いました。逆に学生は、地域の大人が子ども達の

ためにいろいろと工夫をしながら一生懸命頑張っている姿を見て、

周りに支えられていることに気づき、感謝の言葉を口にしたのです。

学生の成長の証です。若者は自分のことだけ考えているやってもらって

当たり前だという感覚だと言われがちですが、家庭でも教えられないことを

地域の大人達の後ろ姿から学ぶことができるということは、学生にとって

非常によい勉強になっていると思います。このような活動は学校としても

初めてのz試みで、また予算もあるものではありませんので、地域の方々の

協力をいただきながら実施させていただいています。また、学生が地域の方に

お世話になることも多々あるので、少しでもご恩返しをしたいという思いも

あります。地域に愛され応援される学校でありたいですし、地域の方から

声をかけられる学生であって欲しい、それが今後の地域の方々同士の

良い関係構築に繫がっていくと信じて、これからも続けていきます。

 

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学内で2ヶ月に1度実施されている季節にちなんだイベントは、お子様だけでなく

親御さん同士のコミュニケーションの場にもなっています。

 

 

校外①_子ども専門学校

幅広い年齢層のお子様も参加できる機会になっています。

イベント:こどもキラキラ祭り