イケてる!市民活動★ミニレポート内容

人もねこも一緒に支援プロジェクト×社会福祉法人ライフサポート協会

×NPO法人ペットライフネット

住吉区にある特別養護老人ホームなごみにおいて、多頭飼育崩壊に関する勉強会が開催されました。この勉強会は、NPO法人ペットライフネットの吉本由美子さんと社会福祉法人ライフサポート協会住吉区北地域包括支援センター(以下、「地域包括支援センター」という。)の宮本和俊さん、NPO法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク内の1プロジェクトである「人もねこも一緒に支援プロジェクト」(以下、「ひとねこP」という。)代表の小池英梨子さんの3人の協力により始まりました。今回はこの勉強会に参加し、講師も務められた小池英梨子さんにお話を伺いました。

 

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人もねこも一緒に支援プロジェクト代表の小池英梨子さん

 

~人間も動物も一緒に暮らすための勉強会~

今まで意見交換会として活動されていましたが、今回から勉強会が追加され、『実は身近な“多頭飼育崩壊”』と題して、「なぜ多頭飼育崩壊になるのか?」「予防するには?」という疑問を解決するために話し合いました。参加者も各区地域包括支援センター、社協、施設、地域住民と様々な人が参加していました。そもそも多頭飼育崩壊とは、過剰な保護、避妊去勢手術等や適正管理を行わなかったことによる繁殖などの理由からペットが増え、飼い主が管理しきれない状態に陥っていることです。なぜ起きてしまうのかについて小池さんは“管理能力不足”“ためこみ症”“業者の破綻”の3つを取り上げ、主に管理能力不足について話しました。

1つ目の“管理能力不足”としては、想定外の繁殖による管理の限界、経済的な飼育の限界等が挙げられます。繁殖期猫は、交尾をすれば2ヵ月ほどでこどもを産み、1度の出産で1~9匹産みます。例えば、1匹のオス猫と2匹のメス猫がいるとします。この3匹が同じタイミングで交尾をすると、約2カ月後にメス2匹が6匹ずつ出産した場合、3匹から15匹に増える可能性が十分あるというということです。こういった猫の繁殖力とスピード感を飼い主さんも支援者も認識していないことが問題であるということ、さらに、多頭飼育崩壊ケースの多くが生活保護受給者であるなど、貧困との強い関連について話しました。最後に、「多頭飼育崩壊は、猫がたくさんいる状況が問題の本質なのではなくその状況をつくりあげてしまった様々な人の要因が問題」目の前の猫だけでなく、飼い主さん家族の問題の本質を多機関が連携して支援していくことが必要であり、やみくもな啓発や叱責ではなく、予防するには「リスク郡を把握し重点的な予防支援システムの構築」が必要だと事例を踏まえながら話しました。

2つ目の“ためこみ症”は意図的に猫を集めて、手放すことに過度の苦痛を伴う精神的な問題です。3つ目の“業者の破錠”は業者が利益を求めて意図的に過剰な繁殖をさせ、管理できなくなる状態です。ニュースではこれらすべてが“多頭飼育崩壊”だと一括りに取り上げられますが、背景が大きく異なるため、かかわるべき機関もアプローチも変わってくるそうです。

 

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勉強会後は参加者全員で意見交換会を行ない、動物(主に猫)に関するケースがいくつかあげられ意見を出し合いました。「不妊手術は必要だが、手術による成果が目に見えないので優先順位が低い」「誰に手術の必要性について話してもらえばいいのか分からない」など様々な意見が出て盛り上がりました。

 

~「猫が好き」その思いはこれからも~

お話を伺ったひとねこPの小池さんは、中学生の頃から猫の保護活動を行ない、大学院では予防的な視点を持ち猫と人のかかわりをテーマに対人援助学について学びました。大学の月1回行われる事例検討会で地域包括支援センターの宮本さんと出会い、2人で意見を出し合い、一緒に何かを始めてみましょうと話をしたことが勉強会のきっかけでした。その後、NPO法人ペットライフネットの吉本さんも加わり、3団体の協力により勉強会が始まりました。

3団体が行う勉強会は今回が3回目となります。小池さんは「在宅支援に関わるケアマネジャーやヘルパーなどの専門職は、多頭飼育崩壊に陥りやすい層の1,2頭飼育の時点で気づくことのできる存在です。そういった色々な機関の垣根がなくなれば多頭飼育崩壊も早期に見つかるし、多頭飼育崩壊を起こすことのない予防的な仕組みを作っていきたい。世間の関心も高くなってきているので、気軽に対人援助職の方々と動物関係の団体が話し合いや相談できる関係づくりが必要になる」と今後の展開を話しました。3団体が連携する勉強会により、地域に多頭飼育崩壊を理解したサポーターが増えることが期待されます。