市民活動ワクワクレポート内容

NPO法人オリーブひらの

一人ひとりが自分らしく輝く場を、それが原点

NPO法人オリーブひらの代表の森本克子さんは、約20年前に小規模作業所「オリーブ」を発足後、地域活動支援センター、就労継続支援事業、グループホーム、コミュニティカフェなど精神障がいがある人のための事業を広げてきました。その原点には一人の女性との出会いがあります。統合失調症を発症してもなお人生を謳歌する姿から、一人ひとりが本来持っている力を信じ、発揮できる環境が大切だと気付き、寄り添いたいと考えるようになりました。

 

様々な主体と連携していく大切さ

平成12年に心の病について正しい知識と理解を深めることを目的に、平野区社会福祉協議会(以下「平野区社協」という)により精神保健ボランティア講座「こころのほかほか講座」が初めて開催され、この講座を修了した人たちが中心となり“精神保健ボランティアグループユニコーン(以下「ユニコーン」という)”が誕生しました。現在は、ユニコーンと平野区社協が協働して毎年講座を開催するようになりましたが、そのプログラムの1つとしてNPO法人オリーブひらのが協力し、体験講座や見学をするために受講者が事業所に足を運んでいます。「実際に障がいのある人と出会い、接し、触れ合うことで互いに理解し合うことができる、とてもよい機会です」と話す森本さん。

さらに、平成25年に地域活動協議会に参画し、翌年に「和っしょい!ひらの」推進委員会、社会福祉法人大念仏寺社会事業団、NPO法人J-palとの協働で開催された未来を担うこどもの成長や、子育て中の親を地域が支えることを目的とした研修会「おとなの学校」にも参加しました。地域で活動する社会福祉施設やNPO等の支援、里親制度、障がいのあるこどもや学校に行けなかった青年の支援などについて、地域内の福祉の専門機関と地域住民が互いに学び・理解を深め合い、連携していくことの大切さを確認することができました。

 

当事者の思いを、スタッフが繋ぐ

こうした協働や活動の際に、森本さんが日頃から大切にしているのが、「当事者の思い」。利用者が利用者の回復を支援しており、スタッフはそれを繋ぐサポート役だと森本さんは考えます。いろいろな当事者と関わり事象を知ることで、関係機関などに伝えることができると考えています。

団体の強みは、地域に愛されていること、スタッフに恵まれていること、協働できる仲間がいること。「これからは若い世代ともっと結びつき、地域に愛される居場所として存在し続けたいと考えています」と話す森本さんは、これからも当事者の皆さんとともに歩んでいきます。

(記事作成:大阪市社会福祉協議会)