イケてる!市民活動★ミニレポート内容

NPO法人街かど福祉“街かどあぐりにしなり よろしい茸工房”

 

2工房

西成区北津守に大きなビニールハウスでシイタケの栽培をしている団体があります。「NPO法人街かど福祉」は、障がい者雇用を広げたいという思いから、3年前に「街かどあぐりにしなり よろしい茸工房」(以下、「よろしい茸工房」)として、”品質勝負”をかかげ、新鮮で美味しいシイタケを栽培しています。

 

農福連携で雇用を創出   

よろしい茸工房は、障がい者等が一般企業への就労をめざして働く場として開所しました。「大阪市内には障がいのある人が多く生活していますが、個人の特性に合った就労の場がまだまだ少ないことが課題です」と話すのは、よろしい茸工房 障害者職業生活相談員の藤井義久さん。

その課題解決の糸口として注目されているのが農福連携です。農福連携とは、障がい者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組みです。大阪府では、農福連携を「ハートフルアグリ」と呼び、全国に先駆け、障がい者の雇用・就労による企業等の農への参入を促進しています。農福連携は、就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性があるのです。

 

さまざまな企業とコラボした商品開発

よろしい茸工房で収穫したシイタケは、もちもち、シャキシャキで、歯ごたえが良いと評判で、鮮度や『大阪産(もん)』(※)にこだわるレストランや百貨店などに卸しています。また、さまざまな企業とコラボしての商品開発も行っており、「ロート製薬」グループのレストラン&デリカフェ「旬穀旬菜」とレシピ開発した共同企画商品『MeHijo』をはじめとして、うまみ成分を抽出した椎茸パウダーや、新鮮な芽しいたけのチップスなど、それぞれの企業の特性を活かした様々な加工品を制作しています。

このようにさまざまな企業に注目されるのは、品質の高さゆえです。「ここで働いている利用者は、自分たちが栽培したシイタケを“おいしい”と、一般の人から評価されることで、自分たちの仕事に誇りを持ち、自信を持って生活することができています」と藤井さんは言います。

 

(※)大阪府では、大阪の農林水産物とその加工品を「大阪産(もん)」として一体的にPRしています。http://www.pref.osaka.lg.jp/ryutai/osaka_mon/about.html

 

夢は大きく、西成の地域活性化

現在、よろしい茸工房の生産量は年間12トン。将来的には100トンに増やしたいという構想があります。「大阪府下では、シイタケの消費量は年間約7000トンありますが、大阪の生産量は約100トンです。輸送コストや長距離輸送による傷を減らせる都市農業のメリットを生かして、大阪産のシイタケの生産量を増やすことができれば、福祉施設や企業による障がい者の雇用促進につながる可能性があり、さらに地域の活性化にもつながります」と藤井さん。

将来は、障がい者の雇用に悩んでいる一般企業と連携し、規模を拡大して、障がい者のみならず、こどもの居場所や地域住民の人たちが集う施設をつくりたいと夢は膨らみます。西成区の街をシイタケで変えていきたい。市民を巻き込みながら地域を活性化したい。よろしい茸工房の挑戦は続きます。

(記事作成:大阪市社会福祉協議会)