イケてる!市民活動★ミニレポート内容

NPO法人樹

NPO法人「樹(いつき)」が運営する「ななとこ庵」(福島区野田)は、築100年程の古民家を改装した、一日11名定員の認知症対応型デイサービスです。プログラムはなく、一日の過ごし方をお年寄りと一緒に決め、食事作りや買い物、庭の手入れなどを一緒に行っています。そして、デイサービスの隣には、地域交流サロンを併設しており、ボランティアによる喫茶や町会会議、地域の高齢者、精神障がいのある人たちの集まりなど、さまざまな人たちが訪れる場所となっています。

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地域の人たちが集う場づくり
樹の理念は「共存共栄 共笑共生」。地域における人と人との繋がりを大切にし、子どもから高齢者まで誰もが社会との繋がりを断ち切られることなく、認知症があっても、障がいがあっても、住み慣れた地域でその人らしい生活を送ることを目指しています。その理念のもと、介護保険事業に加え子育て支援事業に着手するとともに、地域交流サロンを始めとした地域の場づくりを進めてきました。
福島区では、平成23年度に福島区社会福祉協議会が主催したサロン講座をきっかけに、区内でさまざまなサロンが生まれており、令和2年1月現在では20か所のコミュニティサロンが開催されています。そのうちのひとつ、平成24年6月から精神保健福祉ボランティアグループ「うらら」は、毎月第4土曜日13:00~16:00、ななとこ庵で「”うらら”サロン」を開いています。また、毎月第2木曜日15:00~20:00に開催されている「キッズサロン”ななとこ”」は、放課後に子どもたちが一緒に過ごせる安全で安心な場所として樹が開催しており、手作り工作、勉強、おやつタイムなど、子どもたちが楽しい時間を過ごしています。

 

一つの団体ではなく、つながるからこそできること
樹では、区全体のことを考えると、他団体と交流を持ちタッグを組むことが必要だと考え、区役所との協働事業や他団体へ出向いての出張講座など、これまで様々な活動に取り組んできました。当初は、新しくできる事業に対する嫌悪感もあり、なかなか地域になじめませんでしたが、根気強くかかわりを続けることで受け入れてもらいました。その後は、活動に広がりをもたせるために、出張サロンや、親子が集まる場所で絵本展などを開催するなど、地域のパイプ役も担ってきました。今では地域だけではなく、様々な団体や専門職とのつながりを持っており、持ちつ持たれつの助け合いの中で関係ができています。樹の水関鈴江さんは、「支援者がバラバラに行動しても仕方ないということが、私たちもこの10年で分かりました。活動を立ち上げる意欲はあっても、つながる必要性を感じていない団体もあるので、何度も足を運んで必要性を伝えたりもします。」と話します。

 

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大切なのは、地域でつながって生きること
水関さんは、防災訓練をしている中で、東日本大震災の経験を生かして災害時の子どもの備えについて伝えている団体と繋がったことで、改めて地域のつながりの大切さを感じました。「自分たちだけでできると思っていても、災害が起きた時にはそうはいかない。幼稚園や保育園の先生方にも、地域に入ることが大事だと伝えていきたい。」と話します。
樹の強みは、介護部門と子育て部門がひとつになり、若いスタッフがとても頑張っていること。「障がいがあってもなくても、認知症があってもなくても、地域の中で隔たり無くつながっていきたい。手を差し伸べることができる人が、自分にできることをする。お互い様の気持ちで、しんどい時は助けてもらって、できるときにお返ししたらいい。地域の中でつながって生きることが大切だと知ってもらいたい」と水関さん。今後の夢は、地域の中で高齢者と子どものコミュニケーションが取れるような場所を作ることです。人と人とのつながりを大切にしながら、目の前の人に心を込め、今日も活動を続けていきます。

(記事作成 大阪市社会福祉協議会)