コラボ事例もいっぱい!市民活動ワクワクレポート内容

代表 山口敦子さん

一般社団法人「親子の絆をはぐくむ子育てラボ」代表

「0歳から100歳まで」運動指導をベースにココロとカラダの健康づくりをお手伝いしています。

にじいろスタジオ主宰

健康運動指導士/保育士

ダンス&スポーツインストラクター

一般社団法人 親子の絆をはぐくむ子育てラボ 代表 山口 敦子さん

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山口さんは、つどいの広場「ママcafé@fukushima」の運営や、大人から子どもまでココロとカラダをクリエイトするBODYMINDスタジオ「にじいろスタジオ」「Rainbow Danceプロジェクト」を主宰、その他にもさまざまな連携を通じて、多様な子育て世代をつないだり、親子の絆を深めるプログラムを実践したり、と幅広い活動を展開してこられました。そして昨年、「親子の絆」に関する事業を本格化するため、一般社団法人 親子の絆をはぐくむ子育てラボを設立されました。

 

親と子ども(or親子)の関係性をクリアにしたら、人生がきれいに回っていくはず

一般社団法人「親子の絆をはぐくむ子育てラボ」を立ち上げられたきっかけは?

 

私には人生のテーマがあるんです。それが「親子の絆」。
親子の関係性がうまくいかなくて、大人になってもそこに囚われたまま、人生の大半をずーっと悩んで過ごしていくことってあるんじゃないかな…。親とのわだかまりを抱えて生きていく、そんな人生もったいない!
私は6歳上の兄と母子家庭に育ちました。今思えば、母は子育てが苦手で愛情をうまく表現できない人だったのだと思います。それがきっかけで兄の私への暴力…私は母と距離を置くようになりました。母のことが好きだという気持ちと不信感が募る気持ち。本当の自分がそこにはいない。生きる意味がわからない。心の傷、体の痛みは募るばかりでした。そして、高校2年生の時、母に理由を告げずに家出、それから15年の時を経て、精神を患い入院していた母と再会を果たし、余命わずかな母が息を引き取るまでずっと病院に通いました。
その間、『お母さんとつながってるやん!いろいろあってもちゃんと親子だったやん!』『親子の関係性って、その人の行動や考え方全てに影響を与えるほど大きなものなんや!』…病院で交わした会話、記憶、目の前の母の姿から、改めて人生の原点の成り立ちに気づいた衝撃的な瞬間でした。脳が“パッカーン”ってなった感じ。
離れていた時間の長さよりも、ココロの距離が大事なんだ。親子の絆を感じることができた時、今まで経験してきた怒り、くやしさも含めて、歩んできた一つ一つのプロセスは「生き方を学ぶためのレッスンだったんだ」と気づいたのです。その時、ポッカリ空いていた心の穴まで全てが満たされました。それと同時に、どんな家庭環境であれ、育ちであれ、「私は幸せになる」という強い気持ちを手放さなければ、必ず誰でも幸せになれるんだ、と気づきました。今から10年前の出来事です。
私の場合は、幼少期の家族関係のねじれが始まりでしたが、本来は子どもが育つ過程でのボタンの掛け違いがないことがベストですよね。
「親と子どもの関係性がクリアなら、人生はうまく回っていく」という経験を、私自身がしたことで、もしも目の前に、私たちのようにすれ違っている親子」がいたとしたら何ができるだろう?困っているお母さんや子どものサポートがしたい―。そう思うようになりました。

 

子育ても自分も楽しみたいママ集まっておいで! 多様な人に開かれた地域の居場所

ママcafé@fukushimaなど、ママの居場所づくりのこだわりは?

 

「友だち」と聞くと、「自分と価値観が合う人」を思い浮かべることが多いですよね?よく耳にする「ママ友」という言葉がありますが、子育てのいろいろな悩みとか、『こういう時どうするんだろう?』と思った時に、同じ価値観の人だけで悩みをシェアし合うと、価値観が同じで心地良い分、本質的な解決につながらず、結局困っていることの手立てが見つからない、ということって案外あるんじゃないかな?と個人的に思うことがあるんですね。
丁寧で真面目なタイプのママがいたとして、大雑把で大らかなタイプのママの子育ての話を聞いて、『なあんだ、それでいいんや!』と価値観の大転換が起こる…その瞬間が大事だと思っています。
多様な人たちとの関わりによって、自分の思考や行動パターン、意識してなかった習慣に気づいたり、考え方がガラッと変わることで、ずっと悩んでいたことの解決策やヒントが見つかったり…。自分の子育ての価値観に対して新しい視点を持つことにつながると考えています。だから、任意団体として立ち上げた時から、ママサークルというよりは、ふらっと立ち寄れる誰もが出入りしやすい風通しの良いゆるい感じのコミュニティにしたいと考えていました。
自分とは違う考えやスタンスの人と出会い、いろいろな価値観、いろいろな子育て観に触れて、子育てのヒントが見つかる場所、子育ての活力になる場所づくりをめざしています。

 

誰もが生きる喜びを感じながら自分らしい人生を歩むことができる社会をつくりたい
ダンスの力を使って一人でも多くの子ども達に生きる力を届けたい

にじいろスタジオ/Rainbow Danceプロジェクトを始めたきっかけは?

 

子どもたちの自殺やいじめの多くが原因不明。子どもがいろいろ悩んでいることに、親が気づいていないのでは?親がもっと子どもに関わっていれば防げたかもしれないトラブルの芽を私が摘みたい。そう考え、ダンス&スポーツインストラクターでもある私のキャリアを活かしてできることとして「にじいろスタジオ」の運営と、「Rainbow Danceプログラム」というイベントを実践しています。
Rainbow Danceプログラムは、親子でオリジナルダンスを創作するプロセスを通じて、親子の絆を育むというものです。
何度も生きるのをやめようとした小中高生時代、私にとって唯一の救いはダンスでした。
自分を解き放ち、開放してくれる表現の世界。それは自分が自分であることを感じられる瞬間でした。「生きる」とは、自分を表現していくこと、それが生きる喜びだということをダンスが教えてくれました。ダンスを通じて人とたくさん関わる中で、“自分を感じる”ことをやめた私の心は動きだしました。生きていて良かったと―。
幼少期から波乱万丈だった私が今、幸せでいられるのは、私に関わってくださった人や環境、全ての出来事のおかげ、と感謝しかありません。ダンスを通じて、幼かった頃の兄や私のように、どこかで苦しんでいる子どもたちがいたら救いたい。きっと悩んでいたに違いない両親のように、どこかで同じように悩んでいる親たちの力になりたい―そういつも思っています。

プロフィール写真 親子イメージ

市民活動や社会活動は、ペイ・フォワードの精神で社会に還元されていくのがベスト

他の団体との連携協働などは?

 

他のNPOなどとイベントを一緒に行うことはよくあります。また以前、区長から声をかけていただいて、大阪市が公募していた「ICTを活かして子育て層と地域をつなごう」という取組のアイデアプランをつくったことがあります。
区長から声がかかったのは、「子育て層リーダーは誰?」という話が区役所内で出ていた時に、私が『子育てが楽しいまちづくりがしたい!』と相談のため区役所に頻繁に通っていたから、目立ったのかもしれません(笑)。また、任意団体のコミュニティを立ち上げるために、区役所の1Fから5Fまで、当時1歳の長男を抱っこ紐で抱っこしながら通いつめていたので、区役所内のさまざまな職員が知ってくださっていたんです。福島区社会福祉協議会ともよく連携を取らせていただいています。高齢者の引きこもり予防のための記事の執筆など、シニア向けの活動もしています。子育てママの支援だけでなく、目の前の社会課題に対して必要と思ったことや「私の出番だ!」と、心が動いたことは引き受けるスタンスです。
市民活動や社会活動は、「私たちの活動はこうあるべきだ!」と思った時点で、未来の芽を摘んでしまうものだと思っています。
グループ意識が強すぎたり、参加するハードルを高くしすぎたりしてはもったいない。
相手に「一緒に何かできるかも」とか、「自分にも何かできそう」と可能性を感じさせることができないと連携につながりにくいと思います。そしてペイ・フォワード(相手から受けた親切を、別の人への新しい親切でつないでいくこと)の精神。つながって、つながって、太い絆になり、やがては大きなカタチで社会に還元されていくのがベストですね。
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<連携協働のポイント>
●グループ意識が強すぎたり、ハードルを高くしすぎたりしてはもったいない
●相手に「一緒に何かできるかも」「自分にも何かできそう」と可能性を感じさせることができないと連携につながりにくい
→区役所のさまざまな部署に団体アピールをし、顔見知りの関係性をつくる。
→区の社会福祉協議会と繋がり、自分が「社会に必要」と思ったことや、「自分の出番だ!」と心が動いたことは引き受ける(自身のテーマに今は直結しなくても良い)
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やってみないとわからないところもあるから、いつも動きながら考える

コロナ禍で閃いたアイデアなど今後、新しく始めたいことは?

 

やりたいことが次々に出てきて、どうやって時間を捻出しよう、と思っています。
ひとまず、新しく始めたい事業が2つあります。
ひとつは、「オンラインコミュニティ事業」。
地域の子育ての応援は委託事業のスペース常設でカバーできますが、やはりコロナ禍によってにじいろスタジオを始め、任意団体としての活動は、ママさんたちの足が遠のきました。それならオンラインコミュニティをつくろう!と実験的にオンラインでの交流会を始めています。
オンラインという手法は時間と場所の制約が減り、日ごろつながれなかったさまざまな人と出会えるチャンスが生まれます。日本全国を網羅できることはもちろん、海外で子育て中のお母さんとつながることも…。いろいろな価値観に触れることは、自分の知識をアップデートできたり、ブレイクスルーすることにつながると思います。
オンラインについては、初めて使う方のITリテラシーなどの課題はありますが、今はデジタルネイティブ世代が若い母親の中核となってきているので、コツを覚えればサクサクできそうですけど、「オンライン入門レッスン」なども併せてできたらいいですね。
もうひとつは、「子育てマイスター制度ライセンス事業」。
子育ての経験を持った方を派遣して地域に貢献できたら、と考えています。
今まで来てくださったお母さんたちは、さまざまな方との交流を通じて、「気づき」があり、そこで「自分のやりたい子育て」を見つけられたと思うんです。
例えば『こういう場所があって良かった』『子育てのシェアをすることって大事だよね』という気づきや学びを得たお母さんたちの子育てが一段落したら、後輩ママたちに対して恩送りをして欲しいと。運営に携わってもらう仕組みとしてのマイスター制度をつくってどんどん参加してもらえたら…と考えています。
いつも妄想ばかり(笑)暴走とも言うかもしれませんね。でも(もう)、(そう)するしかないのです!(笑)やってみないとわからないこともありますから、いつもこんな感じで動きながら考えています。そして未確定なところが、状況に合わせてピピッと確定していく感じでしょうか。もちろん押さえるところは押さえながら、ですけど。

 

人生の課題はクリアした。だからこれからは人のために、社会をよくするために生きたい

山口さんの哲学、そして今後の抱負は?

 

自分の中に「心残り、わだかまり、満たされない心の穴」があると、それを埋めるために、自分を守るために、人は何かしらの行動をとるのだと思います。
悪く作用すれば自分以外の何かに依存するようになってしまいます。それが肩書を持つことだったり、人からの評価を得ることだったり、誰かを支配することだったり。実際に私も母と再会するまでは、大会で優勝したり、仕事で評価を得たり、肩書きや資格で自分を満たし、人に「すごいね」と褒められることで心の穴を埋めていました。そうすることで自分に自信をつけていましたね。借り物の自信ですよね。
母との再会で、私は本当に欲しかった感情に気づき、自分を満たすことができたので、肩書きや人からの評価に全く値打ちを感じなくなりました。「本当の自信」を身につけ「本当の自分」に出会えたんだと思います。
誰もが人生における課題を何かひとつは持って生まれてくるのかなって思っています。
それをクリアするために成長していけたら良いですよね。私は母との15年ぶりの再会をきっかけに、自分の人生の課題はクリアした!と思っています。そして使命をもらったと思っています。それくらい、母への確執~絆を取り戻せた体験は大きくて、しかも人生の前半でそれがあってラッキーでした。だから、これからの将来、多少何かあっても大丈夫と思っている自分がいます。
何でもやってみたいことはトライしたい。何か出来そうな自分がいると思って、いつも自分に期待しています。ひょっとしたらもうすでに人生が決まっていて、今、未来から追体験しているだけかもしれないとも(笑)思っています。
今こうして幸せに生きているのは、今までの私と関わってくださった人や環境、経験してきた出来事全てのおかげ…。
それなら、自分のためだけに生きていたらダメなんじゃないの?と思って、あとは人のために生きたい。世の中を良くするために生きたい―と。
その境地に達したので、もうあとはひたすらワクワクする感情を大切に心が踊る道へ突き進むのみです!

(記事作成:株式会社アクセプト)