コラボ事例もいっぱい!市民活動ワクワクレポート内容

きこえる人ときこえない人が共に面白がれる社会を―。

きこえる人ときこえない人の間にあるバリアをクラッシュし、コミュニケーション豊かな社会の創造を掲げ、イベントでの手話パフォーマンスや手話を学ぶワークショップなど、さまざまな活動を繰り広げている一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioi(オイオイ)。

2020年3月に第1弾記事として大学と連携された事例記事を掲載していますが、その後、コロナ感染拡大防止に伴う緊急事態宣言が発出され、学校の休校や飲食店休業要請等、大きな変化がありました。

今回、第2弾として、コロナ禍における新たなチャレンジなどを中心に、前回お話をお伺いした理事の中川綾二さん(写真左)に加え、同じく理事の石田竜士さん(写真右)に、熱い思いを語っていただきました。

 

オンライン講座の企画と運営、他団体らと連携したクラウドファンディングにも挑戦

 

コロナ禍に伴う活動面の変化や新たな動きについてお聞かせください。

 

コロナ禍によって、対面活動が行いにくくなったことは事実なのですが、だからこそ新しいことにチャレンジすることができました。それがZoomを使ったオンライン手話講座です。

受講者を一覧で見ることができる機能を使えば、私たち、講師側が受講者の様子を確認しやすいのはもちろん、受講者にとっても、全員の表現をひとめで確認できるので他の方の表現を参考にするには、むしろ対面時よりもわかりやすいと、受講生に好評です。オンラインの方が誰もが気軽に参加しやすいと思いますし、改めて手話とオンラインの相性の良さに驚いています。

また受講生の方から、在宅ワークでのオンライン会議に参加した時、他の方から『話がわかりやすくなったよ』と言ってもらえたと聞いたことがあります。

「あ!こんな風に役に立つこともあるんや」と、知ることができてとても嬉しかったですし、手話を使うようになると表現力が磨かれ、伝える力がアップしていくということを確信することができました。

その他にも、2020年6月、手話の普及を目的とした動画を作るクラウドファンディング「バリアを壊せ!『シュワ(手話)ちゃん』映像制作プロジェクト!」を開始しました。

このプロジェクトは伊丹市を拠点に多種多様な人たちの表現が共存共栄できる「かっこいいまち」を作る活動をされている一般社団法人GREENJAMの大原 智さんが手話の啓発動画をつくろうとされていて、尼崎の福祉関係フェスの発起人でもある、株式会社ここにある の藤本遼さんからの声がけで3団体のタッグを組ませていただきました。

わずか1か月ほどで見事、目標金額を達成し、プロジェクトが成立しました。それにより、某映画(笑)のオマージュも込めた、わかりやすく、おもしろい動画が完成し、今までにない試みということでテレビなどにも取り上げられ、高評価を得ることができました。

 

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手話は、まずわかろうとする気持ち、親しもうとする気持ちが大切。楽しんでほしい!

 

改めて、活動される上で、大切にされていることをお聞かせください。

 

「手話って難しそう」「手話を習ってもなかなか覚えられない」という話を耳にすることがありますが、それは手のサインを覚えようという、「形」から入ってしまうからだと思うんですね。

手話は言語です。例えば、私たちは、外国語はもちろん日本語でさえ、全ての言葉を覚えているわけではありません。それと同じで、手話にもわからない部分があって当然だと考えています。だから間違えたり忘れてしまっても大丈夫。わかろうとする気持ち、手話に親しもうとする気持ちの方が大事なんです。

本来の手話とは、手でつくるサインに加え、表情やジェスチャーなどの言葉に頼らない非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)を組み合わせたもので、特に日本では、手話をもっと日常生活に落とし込んで、普及させていくことが大切と考えています。

oioiの手話講座では手のサインをたくさん教えているわけでなく、少ないサインを使いながら表情やジェスチャーを駆使して、しっかり伝わるように表現することをポイントにしています。

講座はシリーズものですが、初回は皆さん少し緊張されています。でも回数を重ねるに従って表現を楽しめるようになり、どんどん表現が上達していくので、私たちもとても驚いています。

手話を学び始めると、間違いなく表現力が豊かになると思います。

 

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活動を続けていくことによって活動できる場が広がり、さらに次のステージへ

 

活動チャンスにつながる人脈はどのように築かれているのか、秘訣をお聞かせください。

 

最初はストリートなどで手話コントや手話ダンス等を行っていました。

でもある日、たまたまそれを見てくださった方が「うちの商店街イベントでやってみませんか?」と声をかけてくださり、商店街でパフォーマンスするということにつながりました。

そのパフォーマンスを見た別の方がたまたま学校の先生で、「うちの学校でもやってくれませんか?」…という具合に活動ごとに新しい出会いがあり、活動機会が増えていった感じですね。

活動がさらに広がったのは2016年に社団法人化したことではないかと思います。

その頃から、自治体や学校など、公的な機関からの依頼が増えました。

もちろん、法人化するための手続きは大変でしたが、法人化することでさらに自分たちの存在のアピールにつながるチャンスを引き寄せられるかもしれないし、それによって、できることが増えると思うと、大変さよりもワクワク感の方が大きかったです。

 

活動機会を絶やさない!新コンテンツの充実…誰もが楽しみ、親しめる手話を広げたい!

 

今後、やってみたいことなどについてお聞かせください。

 

私たちの理念として、きこえる人ときこえない人の心のバリアを壊す「バリアクラッシュ」を掲げていますが、最終的な目標は、「壊すバリアがなくなってしまって、私たちが心おきなく解散できること」です(笑)

活動を続けるためには、面白くないと続かないので、私たちは楽しむ気持ちを大事にして続けていきます。

言葉を使わないと忘れてしまうのと同じく、手話も使う場所がないと忘れてしまうので、オンライン手話講座は今後も継続をしていき、コロナ感染拡大状況に注意しながら、リアルでも人前に出る活動を行い、手話を使う場を広げていこうと考えています。

ぜひ、自分が表現したいことが伝わる楽しさを、私たちの講座で体験してほしいですね。絶対、手話のもつ可能性が見えてきますよ。

また気軽に手話に親しめるコンテンツ、例えば筋トレやストレッチと組み合わせて、且つ手話も体得できる!などの面白動画企画も考えていますので、ぜひご期待ください!

こうしたコンテンツによって、手話をより身近に感じてもらえて、楽しく取り組んでもらえると思います。きこえない人もきこえる人も、誰もがコミュニケーション力を高められる手話を使えるようになることは、お互いに居心地のよい世界に繋がっていくと思っています。

 

<取材を終えて>

今回、oioiのお二人にお話をお聞きしたのですが、お二人ともポジティブでとてもパワフル。話を聞いているこちらが元気になってしまうような方々でした。インタビュー中も手話も交えながら会話をされていたのですが、とても分かりやすくお二人の熱意を感じられました。私自身も手話って少し難しいんじゃないかなと思っていたのですが、手話は楽しく表現が広がるというのがとても実感できた楽しい時間でした。

 

 

これまでの取組の一部について、こちらでも紹介していますので、ぜひご覧ください。

https://kyodo-portal.city.osaka.jp/case/24000006888/

 

記事作成:大阪ローカルメディア ぼちぼち 今井きょうこ