みんなの活動報告内容

住吉区を拠点に、フリースクール・訪問支援・居場所支援等を行う、不登校・病児自立支援事業 ろ~たす。その団体名の由来は、「“蓮の花”のように泥の中からでもそれぞれの大輪を咲かせて欲しい」という次世代へのメッセージが込められています。

こどもたち1人1人の個性と才能を最大限に開花させる、という熱い理念をもった団体の代表 松下祥貴さんに、その活動の社会的意義としてコロナをきっかけに芽生えた新しい変化について語っていただきました。【全2回】
IMG_5411
 

 

こども支援は、こどもを対象とした教育だけではなく、子育てをしているお母さんやお父さんの気持ちもちょっと軽くなる、という家族支援の効果もありますよね。はじめからそのようなニーズを把握して活動を開始されたのでしょうか。

 

もともと地域に潜在していた需要(ニーズ)に対して、バチっと合った供給ができた感じです。活動は実は、私の実家のガレージからスタートしたんですよ。おっしゃる通り、物理的にこどもが家にいないことで、お母さんやお父さんは心が軽くなります。新しい時間が生まれると、お母さんやお父さんも心にゆとりができて、今まで以上に落ち着いて自分の時間を持ったり家庭教育を考えたりできるようになります。

 

小学校の高学年は思春期という重要な時期を迎えます。このとき親は色々戸惑うのですが、お母さんとの適切な距離―母子分離が必要な時期だったりするわけです。この思春期は、大人になって将来、社会人として活躍するためにも非常に重要な発達時期です。この時期に、大人や社会を多角的に見て考える力を育むためにも、しっかりと反抗期を迎えなければならない。大人や社会へのモヤモヤした感情や不条理さを感じ、ときにはヤンチャをしたり親に逆らったり、そっけない態度を取ったりするわけです。

しかし、ひと昔前の反抗期のイメージと違って、今のこどもは大人に従順で大人しいですね。内内に向く、と言いますか、家の中で一人ゲームばかりしがちだったり、多感なこの時期に湧き出るエネルギーの発散の仕方がこどもにとってもわかりづらかったりする世の中になりました。私は、「不登校」という一つの反応が、ある子たちにとってはこの思春期の迎え方の一つだと考えているんです。
07

 

 

お話を聞いていると、市民活動としての教育、特に学校教育とは異なる固有の意義がそこにはあるように思います。

 

そうですね、活動を開始した当初は「不登校」や「発達障がい」といった言葉で説明されるこどもたちに、どうしても気を遣ってばかりでした。「そういった子たちはきっと他の子と違ってもっと心が繊細だ」とか……。そうすると、こちらも心理学のような専門的な知識がないといけないのではないか、など変に気を張ってしまっていました。

しかし、現在に至っては「気を遣うことはしないが、配慮はする」というフレーズが、メンバーの間で湧き出てきたんですね。それはどういうことかというと、たとえば、誰かに暴力を振るったり、人を傷つけるような発言を相手の気持ちを無視して言い続ける、あるいは物を壊したりといった場合に、そこで「発達障がいだから仕方ないよね」と言って片付けてしまわない、ということです。その子の10年後を見据えて「それはいけないことなんだよ」ということをしっかり伝える必要があります。そうすることで、その子自身も自分の適性や個性を自覚できるようになってくるんですね。ですので、スタッフも必要な場合には、ときどき怒りますよ。対等に、そして自然な気持ちでこどもと向き合うことが重要だと思います。
03

たしかに優しくすることは簡単ですし、家族や本人も喜びます。本人たちにとっては、居心地がいいから。しかし、それは教育として本当の意味では、子のためになっていないんです。たとえば、何かができない子に「頑張らなくていいよ」と常に優しく接することは、ある意味でその子と向き合っていないと思うんです。その子が直面している生きづらさから目をそらすことが支援だ、と言うなら、私は違うと思うんです。
この世の中で生きていくためには、自分との闘いであったりチャレンジすることも重要ですよね。それに価値がないとこどもに伝わってしまうと、こどもたちの自己肯定感も向上していきません。そこで私たちは、その子が頑張ることができるように、そのための準備や環境整備に配慮をするわけです。そして、何か大きな問題があった時のリスクを管理する。そのような意味で、私たちは「気を遣わないが配慮はする」、そして「こどもと向き合わないことはしない」ということを大事にしています。

 

【後編につづく】

 

(インタビュー:特定非営利活動法人若者国際支援協会)

※このインタビューは、当法人に所属する大学生・高校生が実施しました。

コロナ禍の中、市民の生活を支えるボランティア・市民活動がどのように課題を克服し、活動に取り組んでいったのかを、団体の生の声からお届けします。

団体名:特定非営利活動法人 わかもの国際支援協会