みんなの活動報告内容

Life hospitality management service(ライフ ホスピタリティ マネジメント サービス)は、「すべての人が幸せに生きられる世の中」を目指して、主に性的マイノリティ/LGBTの方々への相談支援・交流の場づくり、そして人権教育など多彩な支援を展開しています。

コロナ禍の中の活動の現状とこれからの展望について、代表の山崎あおいさんに取材しました。【全1回】

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性的マイノリティを対象とした支援のみではなく、生活全般に及ぶ総合的な支援を展開されていますね。そもそも、この活動を始められたきっかけは何だったのでしょうか。

 

自分が転職活動をし始めたことがきっかけです。私は、生まれた性は男性なのですが、心の性は女性のトランスジェンダーです。私が女性として転職活動をしていた当時、企業の人事担当者や経営者の方が、まったく性的マイノリティについての知識を持っていませんでした。持っていたとしてもその知識は間違ったものが多かったです。それに私はショックを受け、何とかしていかないといけないと思うようになり、今まで性的マイノリティについて知らなかった人たちに正しい知識を身につけてもらうためにこの活動を始めました。

さらに、性的な違和感を持っていても言えなかったり、どこに相談したらいいのかわからなかったりする人たちを支えたいと思いました。正しい知識を身につけるには、当事者の声を聴くことがもっとも大事です。もっとたくさんの人に当事者の声を聞いていただきたいと思います。

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そこから対象者を広げ、幅広い活動をすることになったのは、なぜでしょうか。

 

如何なる人も自分の「性」というものから無縁ではいられないですよね。そして、誰を支援するにしても性は必ず関係してきます。たとえば、高齢者、障がい者、児童、生活困窮者など、これまでの福祉はそれぞれ個別に縦割りで展開されてきました。しかし、これらすべての人々のなかに、性的マイノリティは含まれてくるわけです。たとえば、ひきこもりの人たちの中には性的マイノリティであることが理由で傷つき、心を閉ざしてしまった人もいるかもしれません。普段生活している中でも、誰でも性的マイノリティの問題に直面する可能性を持っているわけです。それにもかかわらず、人権や性的マイノリティについてまだ知らない人が多いのが現状です。

 

性的マイノリティは「LGBT」といった言葉で一括りにされていますが、「L」「G」「B」「T」それぞれ全く違うものです。さらに同じカテゴリーに属している人でも、一人一人考え方や境遇が違います。そういった少数者の中にある多様性についてもまだ十分に認識されていません。障がいや病気の有無、国籍、人種に関係なく、誰もが幸せに生きていく権利を持っています。それぞれが持っている権利がきちんと尊重される世の中になることが重要なのです。そのような理由から、性的マイノリティ同士のつながりだけではなく、他の市民活動団体との横のつながりをもって連携していくことも大切にしています。

 

 

コロナ禍によってどのような影響がありましたか?

 

リアルを大切にしてきた私にとって、コロナウイルスによる影響は大きかったです。コロナ禍のかなり前から、オンラインLIVE配信をしていた時期もありました。しかし私は、かなり早い段階でリアルでの活動が重要であることを認識したのです。オンラインでは言葉自体は伝わるけれど、人の心の奥に届かないのです。オンラインだと当事者が困っているところに実際に行って寄り添えないもどかしさも感じます。

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行政はテレワークやITを活用した支援の推進を行っています。しかし、ネット環境を持っていない経済的な困窮者が多いです。社会はその人々を忘れがちだと思います。そういった人々はオンラインの活動に参加することができません。少し前から社会が話題にしてきたSDGsは、「誰一人取り残さない」ことを大事にしていたはずなのに……。

 

コロナの影響で新しく始められたことはありますか?

 

再びオンラインでの活動を開始することになり、リアルの活動とうまく調和させることを心がけています。たとえば性的マイノリティの自助会については、リアルでもオンラインでも参加できるように工夫をしました。オンラインからの参加者ができるだけリアルに参加している体験ができるように、カメラは手の届く範囲に置き、発言者にしっかりとカメラを向けながらイベントをしています。マイクは全指向性のものを使用し、音声をクリアに拾えるようにしています。不特定多数の方が見ることのないようにプライバシーにも気を遣っています。
また前述のように、ネット環境を持っていない方々の情報共有の場・居場所を無くさないということも大切です。感染拡大予防をしながら、公民館が空いている限りはリアルの場でも開催しています。もちろん、リアルのイベントを中止することは簡単です。しかし、そこを居場所にして心理的な安定が不可欠な方々に対して、中止する、という選択を取ることはできないのです。

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オンラインで開催するからこそのメリットはないのですか?

 

オンラインだと、リアルでは開催場所に行くことに抵抗感がある方、あるいは遠方の方、今まで参加時間がなかった方でも気軽に参加してもらえる強みがあります。参加をこれまでためらっていた方に対しても、まずはオンラインで交流会の雰囲気を知ってもらうことができます。オンラインをきっかけとしてリアルの場にも来てほしいと考えています。

 

オンラインでのメリットはあるものの、やはりリアルの場を重視されているのですね。

 

やはり五感を使って人と交流すること、人としてしっかりと向き合うこと、空間と時間を共にする感覚を共有することが非常に重要なのです。アフターコロナでも、オンラインとリアルの強みをそれぞれうまく混ぜ合わせて行きたいと考えています。

 

このポータルサイトは、お役に立っていますでしょうか。

 

効果的に使い過ぎている、といってもいいくらい使わせていただいています。
ポータルサイトを使用することで、ボランティアの学生さんが集まってくれています。特に夏に多く、3人ほどは特に信頼できるボランティアとして活躍してもらえました。私たちにとっても、次世代を担う若い人たちが参加して、活動の意味について分かち合ってくれていることはとても頼もしいです。

 

最後に、団体からのメッセージをいただけますでしょうか。

 

行政や公共機関の多くの活動が安易に中止になっていることを憂慮しています。と言いますのも、私たちの市民活動は社会的に弱い立場の人達を支援することを目標にしているはずです。私たちは、市民の幸福を下支えしている最後の砦であり、最後に残された希望でもあったりします。コロナという非常事態であるからこそ、様々な市民が普段以上に支援を必要としているわけです。

その意味で、私は安易にすべての市民活動・福祉活動を中止にしてしまうことには反対です。もちろん、年配の方などは感染リスクがあります。しかし、そのような中であるがゆえに、心身の健康を損なったり心理的な不安を持ったりしている方が多いわけですよね。不安を持っている中でイベントを中止してしまうと、その不安はどこで解消したらいいのでしょうか?特に不安を抱えていらっしゃる方々をサポートする方法を、みんなの知恵を活かして新しい形で工夫を重ねる努力をすべきだと思うのです。

団体同士でも協力し合っていくことが重要です。そのような意味で、大阪の市民活動は大きな挑戦をしているわけですし、連携と協働を重ねていく必要があると考えています。ポータルサイトで、ぜひそのような場創りを実現していただきたいと思っています。

 

(インタビュー:特定非営利活動法人若者国際支援協会)

※このインタビューは、当法人に所属する大学生・高校生が実施しました。

コロナ禍の中、市民の生活を支えるボランティア・市民活動がどのように課題を克服し、活動に取り組んでいったのかを、団体の生の声からお届けします。

団体名:特定非営利活動法人 わかもの国際支援協会