企業×市民活動 コラボのススメ内容

入浴サービス株式会社

 

足を温めることで全身の血行がよくなり、冷え性の改善やむくみ解消などに効くといわれており、リラックス効果もあるという足湯。この足湯を、地域のイベントや介護施設などに出張して提供する活動を続けているのは、訪問入浴を中心とした介護関連の各種サービスを事業としている「入浴サービス株式会社」です。

 

交流会「にしよどリンク」との出会い
訪問入浴とは、自力での入浴が困難だったり、家族のサポートだけでは入浴が難しい場合に、看護師をはじめとしたスタッフが利用者の自宅に訪問し、専用の浴槽を使って入浴をサポートする介護サービスです。入浴サービス株式会社の本部は東成区で、西淀川に事業所があります。課長の吉見浩一さんは、約5年前から西淀川区社会福祉協議会が開催している異業種交流会「にしよどリンク」に関わるようになりました。にしよどリンクでは、福祉をテーマにいろいろな職種の人たちが集まり情報交換をしています。福祉を軸としていることがポイントで、参加者全員が横並びの関係でつながり、誰もが話を聞いてもらえるという安心できる交流会になっています。
吉見さんはチラシを見て、にしよどリンクへ飛び込みました。そのきっかけについて、「私たちの事業所は西淀川区にありますが、地域との関わりは全くありませんでした。介護の世界は狭い。何かビジネスチャンスがあるかもしれないと思ったんです」と吉見さんは話します。にしよどリンクに入るまでは、ボランティア活動に対して、趣味とか余暇活動、退職後にするものといった漠然としたイメージしかなかったという吉見さん。しかしそうではなく、にしよどリンクには第一線で活躍する社会人が集まっていたことに驚きました。新聞屋、行政書士、保険会社、子育て支援の団体、施設、役所…いろいろな人との出会いを面白いと思うとともに、社会貢献活動は、社員のモチベーション向上や利益を生み出していくことにもつながり、実は企業にとってもプラスになるということに気づきました。

 

会社の強みを活かした社会貢献のはじまり
自分たちの会社で何ができるかを考えたときに、強みはやはり “入浴”でした。入浴サービス株式会社で使用している訪問入浴車は、どこでも70℃のお湯を出すことができます。それを使って何かできないかと考え、生み出されたのが、出張足湯です。にしよどリンクで訪問入浴の実演を行い、人とのつながりでどんどん声がかかるようになり、昨年度は20か所、2年間で50か所からの依頼がありました。盆踊りや避難訓練といった地域の行事から、福祉施設や神社、学校まで、西淀川区から始まった活動は、東成区や城東区、港区と、様々な区へ広がりを見せています。

足湯写真

 

産湯から湯灌まで、入浴は一生もの
吉見さんは、会社の事業を発展させるためにも、幅広い分野の人や団体と繋がることが大切だと言います。たとえば、銭湯。手すりやスロープ、シャワーチェアなどの設備を整えるといったような介護事業所の強みを活かしてのコラボが何かできないかと考えています。また、お風呂の大切さを伝えるために、地域でお風呂の入り方やリラックスについての話ができればとも思っています。

このように、訪問入浴のみならず、お風呂に特化したサービスを幅広く提供していきたいと考える背景には、忙しくてゆっくり湯船につかる時間が取れなかったり、入浴をシャワーだけで済ませてしまうなど、世間のお風呂離れが進んでいることが背景にあります。東成区の本社にある介護ショップ「ケアフル」では、介護用品の販売だけではなく、入浴剤や、防災グッズの取り扱いも始めました。防災グッズは、足湯の活動を通した地域イベントでの出会いがきっかけです。毎月26日の”風呂の日”には割引もしています。「いろいろな形で、ぜひお風呂に親しんでもらえたら。私たちは地域の一員であり、社会資源のひとつとして、地域に根ざした活動をしていきたい。来てくれた地域の人に対して、何かひとつでも返していきたいです。」と吉見さんは話します。
「産湯から湯灌まで、入浴は一生ものです。ライフステージに合わせた入浴を提供し、入浴の価値を高めていきたい。でも、うちの会社だけではできることに限界があります。地域や団体、他の会社と一緒にやっていくことが大事だと思っています」と、熱い思いを語ってくれた吉見さん。休みの日もいろいろな銭湯を回っており、とにかくお風呂が好きなんですと話す顔は、生き生きとしていました。(記事作成:大阪市社会福祉協議会)

足湯写真2