市民活動ワクワクレポート内容
オオサカスポーツふれあい実行委員会(西明寺)
港区にある西明寺では、様々な社会課題の解決に向け、お寺の本堂において講習会やセミナーの開催などに取り組まれています。今回は西明寺の住職ご夫婦に、活動や取組のコツ、苦労した点などを伺いました。
きっかけはサッカーチームの合宿の依頼から始まった
港区を良くしよう。そして、「こども達のために」を目標に
こどもへの支援が最重要プロジェクトとして考える住職は、PTA会長をはじめ、こどもに関わる地域の活動を長年実施してきました。
児童養護施設へのお菓子の提供などもその一つで、「自分たちが率先して行なうことで、後に続く人や子育ての本質を理解してくれる人がでてきてくれる」、そんな思いから続けてきました。そんなおり、ジュニアサッカーチームからお寺を使った合宿の依頼がありました。関係者と色々と話をする中で、サッカーチームの方々も港区を良くしたい、こども達を支援したいなどの思いがあることを知り、ジュニアサッカーチームのFC.リアンと港南F.C.そして西明寺で“オオサカスポーツふれあい実行委員会”を結成しました。
多くの人に、こども達がかかえる孤食、虐待などの課題や、私たちの身近にある社会課題を知ってもらうため、セミナーに落とし込むことで、“みんなに知ってもらえる活動”をしようと、“スポーツや様々なセミナーでの学びを通して、子どもたちの健全育成の助けとなる”を目標に活動を始めました。
2019年に入ってからも、既に、“LGBTってなあに”、“食育講座 楽しく学べる「おなか元気教室」”、“食育講座 「勝ち飯」で目標をかなえられるカラダを手に入れよう”、“食育講座 骨・カルシウムセミナー”などのセミナーを精力的に開催しています。
「例えば、里親啓発講座なら里親さんのエピソードを表情が見えるところで、生の声を聴くことが共感を呼びます。また、ディスカッション形式で行うことで、意見を述べやすくなり、講師と参加者の距離が近づきます」と住職はセミナーのポイントを語ってくれました。さらに、「実体験した人の話は、これから活動を行おうと思う人や同じ立場で苦労している人の参考になり、大変役立ちます」ともお話してくださいました。その他にも、講座やセミナーだけでは興味のある人以外は参加してくれないので、多くの人に楽しんで参加してもらうために西明寺は祭りなどのイベントも行っています。もちろん、祭りでは社会課題解決に向けた取組も実施しています。
例えば、地域の町会と一緒に、地蔵盆に来て頂いた方に児童虐待防止運動のシンボルであるオレンジリボンを配りながら啓発を行っています。オレンジリボンの意味を知らなかった方でも、まずはこのオレンジリボンに興味を持ってもらう事が大事で、それが次のステップにつながります。今年の秋に児童愛護を目標に子どもの虐待について話すオレンジリボンセミナーを計画中です。
これからも身近な社会課題を取り上げて、港区に貢献していきます
「“ピンクリボン啓発”のように、乳がんの増加傾向があるのに検診率が低いという、女性にとっては身近で重要な社会課題があります。このような身近な社会課題をこれからも取り上げて、港区の啓発に取り組んでいこうと思います」と、住職ご夫婦は熱く語ってくれました。
地域に根差した活動となるために、港区社会福祉協議会も告知や参加者集めに協力しています。また、西明寺が実費で作成した、告知チラシの配布にも協力しています。
このことについても西明寺の住職ご夫婦は「港区の社協さんにはお忙しい中、色々協力して頂いて感謝しています」と語られました。
西明寺と“オオサカスポーツふれあい実行委員会”の活動は、他の地区のセミナー開催の為の参考になる所が沢山あります。これからも、さらなる取り組みに注目していきたいと思います。
(記事作成:大阪市社会福祉協議会)