コミュニティビジネス情報局
コミュニティビジネスで地域をもっと元気に!
コミュニティビジネス(CB)/ソーシャルビジネス(SB)とは、地域の資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を活かして、地域や社会が抱える様々な課題を地域の住民が主体となってビジネスの手法で課題解決に取り組むもので、地域の活性化や雇用の創出に寄与する地域貢献型のビジネスです。
このページではCB/SBに関する情報をご紹介します。
コミュニティビジネス・ソーシャルビジネスとは?
【コミュニティビジネス(CB)】
地域の住民が、地域課題やニーズに対応し、その解決のために必要なサービスなどをビジネスの手法で提供する事業をいいます。
【ソーシャルビジネス(SB)】
市民が、社会的課題やニーズに対応し、その解決のために必要なサービスなどをビジネスの手法で提供する事業をいいます。また、営利目的ではなく、社会の利益を増大させることを目的とします。
ソーシャルビジネスの定義 (経済産業省「ソーシャルビジネス研究会報告書」平成23年3月) 「社会性」:現在、解決が求められる社会的課題に取り組むことを事業活動のミッションとすること。 「事業性」:ミッションをビジネスの形に表し、継続的に事業活動を進めていくこと。 「革新性」:新しい社会的商品・サービスや、それを提供するための仕組みを開発したり、活用したりすること。また、その活動が社会に広がることを通して、 新しい社会的価値を創出すること。
「ソーシャルビジネス」が社会的課題全般の解決を目指すのに対し、「コミュニティビジネス」はそのうちの地域的な課題に特に着目しています。従って、「ソーシャルビジネス」は「コミュニティビジネス」を含む概念といえます。
CB/SBが生まれた背景とは?
CB/SBの動きは世界的なものです。大きな流れは1980年代以降、レーガン政権下、サッチャー政権下ではじまったといわれており、社会保障費の大幅削減が、公的な助成金・補助金に依存してきた米英のNPOに大きな打撃を与え深刻な資金不足に陥ったといいます。 高度成長を経た日本でも同様に、助成金・補助金に頼っていた団体などは、行政コストの増加=財源不足という厳しい現実を突き付けられ、資金不足に悩むことになりました。 日本、そして大阪においても「社会保障費が大きくなりすぎ、その費用を削減する必要がでてきた。」「助成金や補助金を主な収入源としていた社会性の強い団体の運営が難しくなった。」といった問題が顕在化しはじめています。
また、もうひとつの背景は、私たちの『ライフスタイルの変化』『価値観の多様化』です。21世紀に入り、情報インフラの整備、スマホの台頭に代表されるような劇的な変化が次々とおこり、個々人の生活様式を変え、考え方にも大きな影響を与えることになりました。 ライフワークバランス、終身雇用制度の崩壊、自然災害、環境問題、など多くの変動因子がお互いに絡み合いながら問題が複合化しています。 そんな社会情勢のなかで、人口減少(=少子高齢化)に伴うコミュニティ機能の低下の改善や地域の活性化、新しいニーズに対応できる仕組みづくりなど、より具体的な課題に対応し、地域社会やその経済を活性化するためにはなにをどうすればいいのかが問われはじめました。その考え方のひとつとしてCB/SBが注目されるようになったのです。
CB/SBで地域や社会がどう変わるの?
CB/SB事業者が増え、継続した事業活動ができるようになれば、以下のような効果が期待できます。
・地域住民が主体的に自らの手で課題を解決しようと、知恵を出し合い労力を提供することで、
地域への愛着が生まれ、住民間の結束が固まることで地域が元気になる
・住民、企業、行政が協力することで、地域コミュニティが活性化する
・問題が解決され、住み心地のよい地域になる
・アルバイト・パートも含め雇用が生まれることで、地域の経済的基盤が安定の方向に向かう
・コミュニティが本来持つべき機能(安心安全な暮らしに必要な相互扶助など)が回復する
・地域雇用創造とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が実現する
・魅力的な地域が増えることで、地方が活き活きする
CB/SBは通常のビジネスの違いは?ボランティアとの違いは?
これまでのビジネスは利潤の最大化が第一の目的でした。一方、CB/SBは地域・社会課題を解決するというミッションの達成が最優先されます。 もちろんビジネスなのでCB/SBが継続して事業を推進するためには利益は必要不可欠です。社会性と事業性の両立が必須で、なおかつ事業の自立、継続が課題となります。
ボランティア活動は無償を基本としていますが、CB/SBが提供する商品・サービスは有償です。CB/SBの場合、「顧客」はひとりとは限りません。また提供する商品、サービスの受益者から料金を徴収できないことも多々あります。その場合は、第三者(行政、団体、法人、個人など)から資金が提供されることもあります。
CB/SBに必要なビジネス手法とは?
CB/SBでは、地域の課題(社会課題)を一番身近で感じている住民主体で行政や企業の協力を得ながら解決に取り組むことが求められています。 取り組み(活動)にかかる費用は、これまでのように助成金・補助金を頼りにするのではなく、基本的には自分たちで生み出し、課題解決への取り組みを続けていきます。 事業活動の継続性を実現するためには、『地域を経営する』という視点をもち、ビジネスの手法を活用する必要があるのです。
地域課題・社会課題を『市場』と捉え、ビジネスの手法を最大限に活すことができれば、CB/SBが地域社会に根付き、地域が元気になるほか、これまでとは異なる生き方、仕事のあり方など、新しい価値の創出が期待できます。
では、具体的にどのようなビジネス手法で課題解決に取り組めばいいのでしょうか。さまざまな考え方があり、いろんな手法があると思いますが、最低限以下の3点をおさえる必要があるでしょう。
1、事業計画を立てる (だれに、なにを、どのように届けるのかを明確にする)
2、収益構造を明確にする (数値目標をクリアにする)
3、PDCAサイクルをまわす (管理手法を活用する)
・Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとに業務計画を作成する
・Do(実行):計画に沿って業務を行う
・Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
・Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
地域の課題解決は、いかに事業性を高め多様な主体と連携・協力を実現させるかが重要なポイントです。
CB/SB実践事例を知りたい
今注目のコミュニティビジネス(CB)/ソーシャルビジネス(SB)の事例をご紹介します。
事業者の想い・取り組んでいる課題とその解決方法・今後の展望など、事業のヒント、CB/SBの魅力が満載の取り組みです。
【事例 1】敷居を低く、垣根をなくして、持続可能な地活運営をめざす
【事例 2】すばやい法人化が功を奏し、委託事業を中心に幅広い事業展開を実現
【事例 3】「農」を通して自然の摂理に沿って生きる人を増やしたい
【事例 4】古きよき時代の大家像を求めて人と人を結びつけるホームページづくり
【事例 5】市営住宅の一角で、目の前の高齢者を笑顔にするサロン
【事例 6】仕事も子育ても、どちらもあきらめないで女性が自分らしく生きられる社会をめざして
【事例 7】聴覚障害者(デフ)の"強み"を伝え、デフの伝達力を活かした研修事業を展開
【事例10】地域通貨で貧困の連鎖を断ち切りたい。誰もが安心して暮らせる、まちづくりを推進
【事例12】"選べる介護"を目指し介護者目線でデイサービス情報を発信
【事例13】親と暮らせない子どもたちの社会的排除をデザインの力で改善する
【事例14】建築の先にあるまちづくり、暮らしのあり方。いえしまには、日本の未来を豊かにするヒントがある
【事例15】バリアフリーをビジネス化。ユニバーサルデザインで新たな社会を創造する
【事例16】「八百屋」で社会貢献!昔ながらのビジネスで、障害者や若者の雇用を生む
【事例17】働きにくさを抱える若者を支援。誰もが「働く」に希望を持てる社会めざす
【事例18】出産しても働き続けられる社会を!子どもの急病に100%対応する病児保育を提供
【事例19】通信制・定時制高校にキャリア教育。高校生の進路未決定率と中退率を下げる活動を展開
【事例20】育児に悩む母親の支援から女性支援へ「お母さんのための保健室」を展開
【事例21】「0歳から100歳まで」を合言葉に、子育て支援、コミュニティ支援の拠点になる
【事例22】子供から高齢者まで。定住外国人のための社会資本をつくる
【事例23】デザインの力で社会を変える。「社会問題×デザイン」で課題解決に取り組む
【事例24】サロン、朝市、お助け隊・・・。地域のことは地域で解決するまちづくり
【事例25】時代の変化にも対応し、お客様中心の製品づくりを貫く
【事例26】地域と連携した活動で子どもの生きる力を育む!
【事例27】「木育(もくいく)」で、木の良さを広く伝えたい!
【事例28】「誰も排除されない」「誰もが役割を最大化できる」社会を目指す!
【事例29】「ぼくも教室に行けるんだ!」~障がいを持っていても、安心して通える親子のための塾~
【事例30】「農業の活性化」を実現させることで、「地球の医者」としての役割を果たす
【事例31】よりよい人生、よりよい社会のために、見て、聞いて、言う!
【事例32】障害者と社会の架け橋を目指す