大阪市を中心とした今注目のコミュニティビジネス(CB)/ソーシャルビジネス(SB)の事例を順次ご紹介していきます 。
事業者の想い・取り組んでいる課題とその解決方法・今後の展望など事業のヒント、そしてCB/SBの魅力が満載の取り組みの記事を楽しんでください♪
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同協議会では、このほかにも多くのサービスを提供している。例えば、団地と最寄り駅の箱作駅間でワゴン車を走らせる「らくらく送迎」は、通勤・通学者を手助けする交通手段としてスタート。箱作駅までは歩いて約30分もかかるため、住民サービスの一環として朝・夕の時間送迎車を運行。
また、子どもの健全育成と子育て支援事業として、2013年から親子で参加できる「のびのびクラブ」を実施。1年目は餅つき大会やクリスマス会などを催し、今年は朝市で陶芸品を出店した方による陶芸教室を開くなど約2カ月に1度のペースで行事を開催している。この事業は高齢者のボランティアが中心になって家族間・住民間の交流を促すとともに、若い世代の参画を期待。まずは実際に行事に参加してもらい、地域でどんなことができるのかを理解する中で行事の企画運営に関わってもらう狙いがある。
ただ、これら2つの事業は協議会の赤字事業。送迎サービスでは車両にスポンサーをつけて収入を図り、のびのびクラブではイベント参加費を徴収(大人200円、子ども100円)しているが、社会性の強い事業で採算をとるのは簡単なことではない。それでも協議会の持続性を考えれば、できるだけ持ち出しを減らす必要があるが、今後、「買い物ツアー」と題してスーパーへの送迎サービスの実施などを検討している。のびのびクラブではボランティアが制作するオモチャ販売などで事業の黒字化を目指していく方針だ。
現在、協議会は新たな事業として、「シニア・ランチハウス」も準備している。これは、一人住まいの高齢者、なかでも男性に参加してもらい、昼食会を定期的に開催するもの。特に、団地で暮らしている定年退職した男性は高学歴でプライドの高い人が多く、会社中心の生活を送ってきたため、あまり自分が住んでいる地域について知らない人が多い。女性にはクラブやサークル活動などの地域デビューの場があるが、男性にはそれがない。昼食会は地域参加の第一歩として、まず地域に出てきてもらうための新たな試みだ。そのほかにも、地域の学童保育や認知症予防を含む高齢者の見守り活動、さらには公園や街路樹の清掃・管理、街並みの保全・環境整備など、さまざまな事業を予定。行政に頼らず、「箱の浦のことは箱の浦で解決する」をモットーに、住民の参加・参画によるまちづくりで、いつまでも住み続けたい、箱の浦に育って良かったと言われる地域になればと考えている。
■団体概要 箱の浦自治会まちづくり協議会
高齢化率が30%を超える地域で、「箱の浦のことは箱の浦で解決する」をモットーに高齢者が抱える問題など地域の困りごとを次々に事業化。「おしゃべりサロン」や「箱の浦・朝市」「お助け隊」などユニークな住民参加の事業を通して、問題を解決するだけでなく、コミュニティや地域経済の活性化につなげている。