市民活動ワクワクレポート内容
【シミポタ運営事務局が気づいた同一性と協働の可能性】
わたしたちは「大阪市市民活動総合ポータルサイト」の運営と連携協働を生み出す業務をこの4月から受託しスタート(令和4年度 社会課題解決に取組む活動主体間の連携協働の促進業務)。
長いサイト名を「シミポタ」と呼び業務を開始しています。
シミポタ事務局には多彩なメンバーが参加し、チームで業務を担っています。中には、ふだんは社会福祉法人の地域コーディネーターとして担当地域を訪問し、相談支援を行っている人もいます。コツコツと地域活動の現場を訪問する中で見えてきたのが、団体や代表同士ではない「担当者同士のつながり」という連携と協働の視点でした。
地域活動協議会(以下「地活協」という)」同士の交流の場等は区単位などで実施されることがあります。その交流の場では、会計や広報、地域運営そのものといった「団体全体のこと」についての情報交換が主に行われます。
しかし、実際のところ、個々の団体には「地域内の小さな単位の事業」に関する悩みもあり「現場の担当者」はそんな悩みや課題に日々奮闘しています。そして、その悩みや課題は、実は他の団体も同じような悩みや課題を抱えていることが多いのです。
その「現場の担当者」レベルでは交流はなく、ここが地域や区の枠を超えてつながっていければ、何か新しい刺激が生まれるのでは?と考えました。
【小さく始めてみよう。そう、小さく!】
今年8月23日(火)、東成区にある「今里公民館」では「こどもカーニバル」と銘打った子ども向けの会館事業が行われました。午後3時から午後6時までの3時間で60人近い参加者がありました。
今回のレクリエーション事業を企画する中、何か良いネタはないか‥とシミポタスタッフが相談を受けたのです。
そこで、隣区・生野区にある東桃谷地域で8月5日に同じように子ども向けワークショップを開催準備中の担当者に声掛けしたところ「東桃谷で実施予定のワークショップを双方同じ内容でやってみない?」と提案いただきました。今里では今まで実施したことのないを提案してもらえる、と大歓迎です。一方、東桃谷では準備している材料のコスト面で苦慮しており、今回2か所で同じワークショップを実施することで「共同購入によるコストダウン」が図れたのです。
今回の事業はそれぞれの会館で開催され、お互いの困りごとを助け合えるような「WIN-WIN」なものになりました。事業自体は大きなものではないながら、「地域の小さな事業」の地道な活動の中に生まれた、まさに連携協働でした。
(今里こどもカーニバルの様子)
地域でレクリエーション事業の運営をしている担当者からは「レク企画は大変」「毎回講師なんか呼べる予算ないし」「難しすぎてもダメだし、簡単すぎてもダメ」「教えるためにはまず自分ができないと・・・」と苦労をにじませる声が多くあがります。今回、今里と東桃谷の現場の運営担当者(担い手)から同じような声を拾う事が出来、連携につながりました。
(東桃谷夏休み・子ども向けワークショップの様子)
(こんな素敵な作品が出来たよ!両地域より)
【そう、そこが知りたいねん!】
シミポタの地域訪問で出会った、月に一回のペースで『地域交流の場』としてレクリエーションを企画、運営している一人の担当者がいます。 その方曰く
「地域レクリエーションは『簡単に』『低予算で』できて『楽しんでもらえるもの』 を常に探していて、ネットなどで情報を拾いながら毎回頭を悩ませている」と言い「もしおススメの企画・アイデアがあったら是非教えてほしいし、同じような悩みを持っているところには、これまで実施したことのノウハウでやれるところがあるならネタ提供はいつでもやる」と。
同様の悩みを持つであろう潜在的な仲間に対して、ネタを提供する意思があり『協力していけたら』との思いを持っておられます。しかしながらこんなジレンマもあります。
「では、どこに働きかけをすればよいのか?またそれにより時間や労力などをとられ、自らの活動に負担が出ては困るので正直あまり積極的にはできない」という事です。
うーん!なるほど。これが「ネタ元担当者」の悩みですね!
一方、 地域活動の現場では日々「ネタ探し」を考えてはいるものの、自身の活動に精一杯のところがたくさんあります 。それゆえ、すぐ隣の地域でしていることを、ともすれば「知らない」のです。しかし実際に行われている事業は、地域交流の場であったり居場所づくりであったりと内容はどの団体も類似しています(よりよい地域づくりの理念から提案されるものなので必然ですね)。そうして各地で実施される「現場の小さな単位の事業」やイベントの企画、運営詳細は「オープンデータ」に上がることはほぼありません。なぜなら、現場の裏方がわざわざそれを見やすい資料にして公開する必要性がないからです。でも!担当者レベルではまさに「そこ」が知りたいのです。
これが「現場の運営担当者」の悩みですね!
シミポタ事務局が長年「まちづくりセンター」などを運営してきた経験から、前出のような「ネタ元担当者」とネタ探しをしている「現場の運営担当者」はつながる!と考え、今回はそのマッチングがピッタリはまった連携協働となったわけです。
大盛況で事業を終えた「今里子どもカーニバル」では参加者の子連れママから「こんな楽しいコトぜひ今後も、なんなら月一で続けてほしい」と熱烈オファーもあり、ネタ探しも含めて今後の展開が楽しみになっています。子どもたちを楽しませてあげ、親子で交流できる場づくり。そのための「ネタ」探し。つながっていけば自ずと「視点が広がる」のです。
また、今回の「ネタ元」である東桃谷の担当者は今里との連携と同時期に複数の他地域からもネタ提供の依頼を引き受けたそうで、こちらも今後広がりを見せていきそうです。コミュニティが成熟してくれば一方通行な情報提供ではなく双方向な情報共有ができ、他地域の活動ではありながら同じく「レク担当者」同士のつながりが広がれば、よりそれぞれの活動が豊かになるのではないかと期待しています。
【知りたいねん!の輪は広がる?】
これって「子どもたちへのレクリエーション」だけじゃなく、現場レベルでの「ネタ」と「ヒト」の交流は大いなる可能性を感じます!
「小さな単位での減災・備災の取組み」「空き家・空き地の活用」「高齢者サポートの方法」などなど・・・
これからも現場の声を聞き、区を超えてつないでいきたいと思います!
【この取り組みへの連絡先】
シミポタ運営事務局
05010287150 shimipota@gmail.com