市民活動ワクワクレポート内容


シミポタ運営事務局では市民活動を豊かにする
「連携協働」
をテーマに取材と実例を集めた
「やさしい連携協働」冊子を
作成しました!

そこに掲載されている記事を
「やさしい連携協働シリーズ」として
サイトにも掲載する第2弾!

 

上に貼った動画が作られたのは10年前
その時、そしてその後…
何が起こったのか??

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「動画制作」をきっかけにまちづくりデビュー

一般社団法人いくのもりの
金 康裕さん

にお話を伺いました!

 

̶̶「心のプラカード」動画はあのアイドルグループの企画ですね。何人くらい出演されていますか?

延べ 600 人くらい。僕自身が直接知らない人もいたりして、動画見て数えるとそれくらいでした ( 笑 )

 

̶  動画が作られたのは約 10 年前。当時の金さんはどのような活動をされていたのですか?

当時の僕は、まちづくりの活動に興味は持っていましたが、経験も人脈もなくどうしていいか分からない状況でした。

1 人だと、なかなか地域活動ってしにくいんですよね。
とりあえず行ってみるけど、行っただけで終わるとか。
そんな時に知り合いから声がかかり「いく楽くらぶ」という民間のまちづくり団体の設立から参加することになったんです。
その「いく楽くらぶ」が大阪市の多文化共生事業を請けることになり、僕にとってもまちづくりデビューで、やっとまちづくりに参加できると意気込んでいました。

 

̶ そんな中、「心のプラカード生野区バージョン」を作るきっかけは?

当時僕は家にいる時間が多かったので、YouTube ばかり観ていたんです。
そこで「恋するフォーチュンクッキー」ビデオアワードを見つけて。
僕、歌とかダンス好きなので観ていたら、〇〇町とか出てくるんです。町単位で参加されているところがたくさんあった。

そしたらアワードの第二回目(心のプラカード)があると知り、これ、生野区全員でやったらめっちゃ面白いやん、って思ったのがきっかけです。
生野区って色んな国の方がおられる多文化のまちなので、日本の人も外国の人も一緒に踊ったら、もう多文化共生の事業として成り立つな!と。

【当時のチラシ】

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これ面白いからあんたもやってみ

 

̶̶どんな風に出演者を集めていったのですか?

とはいえ当時は人脈がほとんどなかった。そこで行きつけの喫茶店のママさんに相談したら、なんとママさんとそのお店のお客さんとで踊ってくれました。

それで1つ実例ができ、僕もちょっと自信がついて。たまたま行った飲食店の人を突然誘ったり、区役所の方に紹介してもらったりしました。

実例の動画ができると、それを実際に観ながら話ができます。僕だけじゃなくて、出演してくれた人が、これ面白いからあんたもやってみなって、他の団体に声をかけたりしてくれるんです。

また、地域の企業や NPO、飲食店などを調べて交渉もしました。多文化共生の事業なので、いろんな人に踊っていただきたかったので。

最初はやはり怪しく感じられるので、知人を通じてアポイントを取り、僕が行って説明するような流れでした。
ポスターなどで参加募集もしましたが、それを見ての応募団体はわずかで、参加者のほとんどが紹介ですね。

 

̶ 趣旨説明をされている中での苦労はありましたか?

説明しに行くと、「何でこの企画をするの?」っていう質問がきます。「面白いから」では通用しない。「地域活性化」だけでも不十分で、なぜするのかを分かりやすく説明しないといけない。実際、断られたことも何度かありました。
説明は得意な方ではないですが「生野は多文化共生のまちなので、色んな団体や国の方と一緒に踊って、生野を盛り上げていきましょう」という趣旨を一生懸命話しました。すると聞いてくれた方が、自分だけじゃなく仲間にも楽しい思い出を作ってあげたいと言ってくれ、次から次へと広がっていきました。

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ただ遊んでいるように見えることでも

 

̶ 「動画」後どんな変化があったのですか?

動画に出ていた方にはそれぞれの活動があります。例えば「いくのサロン」というグループは、地域を盛り上げるために何をするかを考える会として、生野区の桃谷の人を中心に始まったばかりでした。でも僕らと知り合ったことによって、他の地域の人たちも参加するようになった。

他にも「生野銀座商店街」さんも、毎年色んな催しをされていますが、動画でのご縁で「いく楽くらぶ」が商店街のお祭りに出店をさせてもらったり。そんな「つながり」が、いろんなところで無数に生まれました。

A さんが企画した地域活性化のイベントを、動画で知り合った人たちが応援しに行く。次は B さんのイベントをみんなで応援するみたいに、お互いに応援する流れが出来たんです。だから、どこに行っても同じメンバーが集まっている気がした ( 笑 )

また、ただ遊んでいるように見えることでも、実は地域活動につながるって思えた人が何人もいて。まさに僕自身がそうなんですが、同じようにデビューした人もいると思います。

 

̶ それって、想定されていましたか?

僕も含めて誰一人想定していなかったと思います。もちろん、大阪市の事業で多文化共生が目的ですが、実際活動している時は「楽しさ」しかなかったですね。予想以上の化学反応というか、人と人がつながるとか団体と団体が連携することの土台になったと思います。

 

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同じ釜の飯を食った仲間が心の支え

 

 ̶振り返ってみて、今感じることはありますか?

僕は今、「いくのもり」という社団法人の理事をさせてもらっていますが、「いくのもり」がやっているイベントも、流れをたどるとあの時つながった人たちの力が大いにあって、根底の部分で支えてくれています。

「オール生野」って言うんですかね。それぞれの活動をみんなで応援するという流れはだんだん大きくなっていって。

具体的に何か当日手伝うよだけではなく、気持ち的にもつながりがあることで豊かに活動ができるみたいな。
「心のプラカード」を作った頃は、個人で地域活動に参加する人ってあまりいなかったのですが、その個人が集まって一緒に動画を作る楽しい体験をし「同じ釜の飯を食った」ような連帯感や仲間意識ができました。

今振り返ってみて分かるのですが、「まず始めてみよう」があったからこそ、いろんな関係が生まれたのだと思いま す。
「一 緒 に 踊 り ま せ ん か?」っ て い う。
まさに「Shall we dance ?」ですよね。

「一緒に踊る」ということと「動画に残る」っていうのは、ある意味ちょっと非日常じゃないですか。
一緒に非日常な体験をすることでより強い絆ができたと思っています。

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「やさしい連携協働」シリーズ①の記事はこちら

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