市民活動ワクワクレポート内容

脳性まひの子どもとその親たちをサポートするNPO法人サードプレイスが大阪市の助成を受け、みんなの居場所「ぱぶすぺ」を2024年4月にスタート

 

サードプレイスとは

大阪市北区のNPO法人サードプレイスは、脳性麻まひ(障がい児)の子育てに孤独を感じている親たちと悩みや思いを共有し、障がいを持つ子どもとその家族が健やかに過ごせる社会をめざすという理念のもと、2022年に設立されました(2019年任意団体として発足)。
配慮が必要な子どもを持つ親を対象に福祉・教育に関する事業を行い、配慮が必要な子どもの福祉増進・向上に寄与することを目的に活動しています。
主な活動としては、脳性まひ児(障がい児)を持つ親のオンラインコミュニティサイトを運営。月1回、無料のオンライン交流会を開き、専門家や先輩ママを招いた障がい児育児のノウハウの提供や、情報交換、悩み相談を行っています。
専門家を招いての勉強会や、先輩障がい児ママの役立つ障がい児育児のインタビュー記事を配信。国や地方自治体に対して福祉環境の向上に努めるための政策提言や、教育機関に対しインクルーシブ教育の改善を目的とした研修などの提案。
障がいのある子どももない子どもも共に過ごす共生社会をめざし、障がい児者、その親たちの声を社会に届けるべく、積極的に発信し続けているのがNPO法人サードプレイスの姿です。

居場所づくりのきっかけ

令和6年度大阪市市民活動推進助成事業を受け、みんなの居場所「ぱぶすぺ」をスタートするに至った動機について、中西美穂代表は自身の子育て経験をこう語ります。
「きっかけは、やはり自分の子どもですね。昨年、和歌山から大阪に引っ越してきたのですが、和歌山の小学校では、全校生徒が約150人だったんですね。そうすると、他の学年の子ども達も、子どもの存在を理解し、本当に優しく、一緒に遊んでくれて、自然と“インクルーシブ”な和が広がっていました。でも、大阪に引っ越してきて、全校生徒約700人というマンモス校に来て、なかなか子どもの障がいを理解してくれる環境がなかったのです。そこで、子どものこと、障がい、配慮が必要な子どもを理解してくれる場所を提供したいと思っていたところ、大阪市から助成をいただくことができ、『やってみよう!』となりました」

「ぱぶすぺ」の内容は…

そんな思いからスタートしただけに、みんなの居場所「ぱぶすぺ」がめざすのは、配慮が必要な子どももそうではない子どもも一緒に遊べ、さらに配慮の必要な子どもを持つ親もそうではない子どもを持つ親も楽しめるインクルーシブな‘’居場所’’。
対象は幼児・小学生とその親。毎月第2・第4水曜日の午後2時半~5時半の間、大阪市中央区の中大江校下センターで開催されます。宿題補助や保護者交流会のほか、インクルーシブスポーツなどその日ごとのイベントを実施。申し込み不要で、参加費は無料です。

かがくじっけんやバルーンアートのイベントも

記念すべき第1回は4月24日に開催され、子ども30人と大人10人が参加しました。講師の西山舞さんの指導のもと、「かがくじっけん」にチャレンジ。折り紙で模型のわたぼうしを作って、種がどのようにできるかを勉強しました。
第2回は5月8日に開催。前回より多い40人の子どもたちが参加しました。イベントはバルーンアート同友会の方による子どもたちが大好きなバルーンアート。毎回参加してくれる子どもたちのために出席表や名札カードを作りました。人気の折り紙コーナーや迷路コーナーなどに分け、座席表も作成。次回からの活動がよりスムーズに始められるよう、毎回みんなのアイデアで環境を整えていくのも楽しみになっています。
今後について中西代表は、
「まだ2回の開催ですが、多くのお子さんにきていただくことができました。また、親御さんにも参加いただき、親同士の情報交換の場にもなったかと思います。まずは中央区で“居場所”として根付き、その後、“インクルーシブ”を共有できる“ソーシャル”な居場所を地域の人々と作り上げていければと思います」
と話し、障がいのある子どもたちとその親に限らず、地域住民との連携も広く図りたいと話します。
「中央区のコミュニティの希薄化を課題に思っており、“ぱぶすぺ”がその希薄化の解消の一助になれればと思っています。NPOでは、「ぱぶすぺ」の他に、「ツリーズ」という障がい児家庭の就労支援をサポートする取り組みも行っています。中々、外に出られない親、特に母親に仕事を提供できる環境を整備しています。「ぱぶすぺ」で出会った親御さんと「ツリーズ」の取り組みもご一緒できればいいなとも考えています」
地域の方も気軽に参加できる「みんなの居場所」としての“ぱぶすぺ”に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。


LINE公式アカウントもご活用を!