市民活動ワクワクレポート内容
シミポタ運営事務局では市民活動を豊かにする
「連携協働」
をテーマに取材と実例を集めた
「やさしい連携協働」冊子を
作成しました!
そこに掲載されている記事を
「やさしい連携協働シリーズ」として
サイトにも掲載する第4弾!
生野区で活動をしている
「IKUNOスキル・ラボ」さんの
思わぬ広がりを見せた
取組をお聞きしました!
この記事以外の冊子内容はこちらクリック
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趣味の延長上のワクワク
IKUNO スキル・ラボ代表
中尾 剛さん
にお話を伺いました!
̶ 活動を始められたきっかけは?
一番は私自身が「将棋」を観るのが好きで「自分の住んでいる区内に同じ趣味の人がどれくらいいるのかな ?」と一度「将棋大会」を開いてみて、同じ趣味で「仲間」ができたら「友達」ができたらいいな ~ ってことで「いくの将棋くらぶ」をはじめました。
すると意外にたくさん集まったので、次の展開として『マニアックビューイング』を考えました。
『パブリックビューイング ( 野球やサッカーやオリンピックなどをみんなで観る )』の全く真逆の意味で、興味のある人はすごく興味あるけど、興味ない人は全く関心ないっていうテーマを選んで、より「深くて狭い」テーマでみんなが集まってくるような場を作ろうっていうイベントを考え実施してみたんです。
きっかけは「仲間を作りたい」とか「興味のある人同士でつながりたい」という動機で始まったので、目の前の課題をどうにかしよう ! といった「社会課題」が云々ではなかったです。まあ、老後一人になったらさみしい ( 課題 ) ですけど ( 笑 ) 私にとっては完全に趣味の延長線上でした。
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狭く・濃く・深く・熱い!
̶ あえてマニアックなテーマを選ぶ理由は?
「狭く」なればなるほど、他人は興味がない。つまり「自分だけが知っている」とか、あるいは「喋れる相手が近くに普段いない」状態になります。
それが「わかってもらえる」「喋れる喜び」みたいなところでつながるのかなと。
狭いが故に濃くて「より深く」「より熱い」みたいな感じの集まりになるのではと思っています。
そしてまだ試行錯誤ですが、やはり「一対一のつながり」ができ、友達になりやすい。
大きな共通点があるわけですから、「コミュニティー」ができやすいですね。
それは一つの成果だと思います。
̶ それは活動の最初から想定されていたことですか?
最初は「将棋の友達が欲しかった」だけで、それ以上でもそれ以下でもなかったです。
それが、やっているうちに、えば将棋で事業の仲間ができたり、商店街さんもそうなんですが、協力してくれる人とかパートナーができたり。
進んでいったら色々広がりが出てきたっていう感じで、全く想定はしていませんでした。
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男性の居場所?
̶ 活動の中で、見えてきた課題がありますか?
この「マニアックビューイング」は男性限定でやっているわけではないんですけど、開催していく中で「男性の居場所」みたいなワードが出てきて「あ、なるほど。確かに男性の方が地域に出る機会とか少なくて、そういう場がないんだなぁ」って気づいたんです。
まだ途中で実験段階とも言えますが「男性の居場所作り」にハマる部分があるのではないかと思っています。
実際、9 割以上が男性の参加者です。テーマによると思いますけど。
そして、「マニアック」はターゲットが狭いが故に、今度はたくさんの人を呼ぶという参加者集めに苦労しています。
いかに地域の人達に知ってもらえるかという広報の強化が課題で、いろいろ試していきたいと考えています。
それでも、新しい出会いがあり、その人との関係が深まって、マニアックな話をすると楽しい!将棋の話を夜を徹して話せたら面白いんです。
最近で言うと、つながった人達の意外な一面も知って、じゃあ今度は別のコミュニティーとつながりましょう!と広がってくるので。
「深さ」と「広さ」を徐々に作っていく段階の「ワクワク感」はあります。
̶ 面白いですね!今まで入りにくかった人に届いた?
そうですね。
地域活動は、最大公約数的っていうんですか?どうしても「誰もが来やすいものを作ろう」とかって思いがちで、多くの人に参加してもらうために(誰でも)みんなが楽しめる企画を用意するっていうのが多いと思うんです。
でも、そうすると(その企画が)届く層ってある程度固定されたり、「そういう(みんなが楽しめる)のは別にいいよって」いう人もおられるでしょう?
逆に「興味のない人には全く響かない」という入口を立てたことによって、入って来にくかった人に届いたのかな?だから、ちょっとずつそういう人たちが足を運ぶ「場」になれたらベストかなと思っています。
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趣味 × 地域 × 多世代 =
̶ 活動の拠点を「商店街」の中に持ったメリットは?
我々の活動は、商店街だけじゃなくて地域全体で、何かに役立つ活動ができたらと思ってはいます。
でも、誰かと繋がり誰かに来てもらう、ということで成り立っているので、商店街の中で飲食店などの商店主さんや相談・協力してもらえる人たちが常にすぐそばにいて、色々試せる環境があり、やってみたいことがすぐできることは非常に大きなメリットだと思います。
̶ 今後活動はどうなっていくと想像しますか。
例えば運営をする側が我々から「地域(我々以外)」に広がっていく未来があれば、より「居場所」が増えるというか、可能性が広がると思っています。
「趣味 × 地域 × 多世代」がキーワードになっていて、例えばもっと若い人がそこに参加することで地域デビューが早くなって、そこから年をみんなで重ねていく。
そういう意味では若い人も高齢の方も一緒に楽しめるようなコンテンツがどんどん生み出していけたらいいなと思っています。
「広い」のは他の誰かがやれるのだろうと思っているので、我々がやるのは「狭い」ところ。
そこをめざして作っていきたいと思っています。
仲間を広げて、その運営のバックアップとかサポートに回るというのが確立できたら、たくさんの「居場所」が増えて繋がっていくんではないかと。
「繋がりを作るための最初の一歩」があって、そこから次どうなるか?まずは繋がっていたら「協働」が生まれるかもしれないと思います。
やっている本人が気付いてなくても「こうなったらいいな」って活動をしてみたら「あなたもそう思ってます?」とか同じように思っている人が結構たくさんいて。
自分だけの課題ではなく「あ、こんなに同じ共通の課題を持った人が居るんだ」と気付く。
そんな小さな課題も社会の課題だねっていう形になる、ある意味こう気軽なもの、軽いものがそうやって市民活動や連携協働を生む入り口になるのかもしれませんね。
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