市民活動ワクワクレポート内容


シミポタ運営事務局では市民活動を豊かにする
「連携協働」
をテーマに取材と実例を集めた
「やさしい連携協働」冊子を
作成しました!

そこに掲載されている記事を
「やさしい連携協働シリーズ」として
サイトにも掲載する第5弾!

 

YOLO BASE さんの
多文化共生の取組について
お聞きしました!

この記事以外の冊子内容はこちらクリック
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YOLO BASE 部長(取材当時)
山岡 稔さん
にお話を伺いました!

 

人生は一度きり

̶ YOLO さんって「YOU ONLY LIVE ONCE」の略なんですね。「人生一度きり」という意味ですか?

はい。うちの会社の前身が英会話の教育事業 をしていた会社で、外国人の方と接点があったんですが、ごく一部の「英会話の仕事」という側面しかありませんでした。英語の先生以外の仕事を探している外国人の方もたくさんおられましたが、私たちも他にはご紹介出来ず、もどかしいなという気持ちだったんです。
そんなある時、弊社の代表が大きな「交通事故」に遭って数日間意識不明の重体に陥りました。その後、幸い回復をしましたが、彼がそのときに感じたのがまさに『人生一度切り』です。
自分たちのやっていることには「社会的意義」があり「社会貢献」できることがあると強く認識して、今までもやもやしていたのを形として具体化しようよということで『YOLO JAPAN』という会社に方向性を変えたんです。

 

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外国人食堂の取り組み

̶『外国人食堂』盛り上がってますね!

私たちが実際に「YOLO JAPAN」と して、日本に住んでいる外国人の皆さんの生活のサポートをし、お仕事情報やお住まいの情報等、いろいろな情報を提供しており、そういった側面の手助けを欲している方たちは多いです。
ただ掘り下げていくと、その反面、母国から離れ異国で生活している方たちから「お仕事はあり、住むところもあり、生活自体は成り立っています。でも、他の同じような立場の方との交流がない。そして日本人との交流がないんです。」つまり“孤立” を感じているというお話を
実際に聞くことがあったんですね。
サポートをしていくのであれば、その部分も含めて何か私たちができることがあるんじゃないのかなということが「外国人食堂」の取り組みの一番のきっかけです。
『外国人食堂』という名前も、わかりやすく言えば子ども食堂の「外国人版」ということです。

 

̶なるほど、子ども食堂の「外国人版」なのですね。

そうです。ふらっと立ち寄っていただいて、お食事を楽しみながら交流の機会を持ってほしい。色々な情報を得て、新たなつながりを持っていただいて、孤立を感じている方たちもそこでお友達を見つけてほしい。 そんな経験を積み重ねていただくきっかけになったら、ということで始めました。

この場所(YOLO BASE)は浪速区にあり、浪速区役所とやりとりをすることも多いんですが、令和5年1月の『外国人食堂』の時に「区内にお住まいの外国人の方で、例えば学生など成人になられる方たちと行政がやっている成人式 とが繋がっていないのでは?」という話が出ま
した。
それがきっかけで次回の第9回「外国人食堂」(令和6年2月9日開催)のテーマを「成人式」として、地域の方にも入っていただいて「新年」イメージのイベントにしたいと、浪速区さんにも協力していただきます。
東アジアや中国、台湾の方は「正月」のタイミングは 違いますし「成人式」という文化が日本特有のものなので、そういった文化にも触れていただける機会になればと。
「外国人食堂」は季節的なイベントにも絡めるような形でさせていただくことが多いんです。ハロウィンでは仮装だとか。やはりそういったイベントを絡めるようにすると、普段なかなか参加しづらいと感じていた「ご家族連れ」など新たな層の参加に繋がっています。
頻度としては年 4 回、大体 3 カ月に一回ぐらいのペースで開催しています。

 

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コラボレーション

̶ 企業や団体とコラボレーションはどんなものが生
まれていますか?

そうですね。この「外国人食堂」に来ていただいた方に、色々な情報を知っていただきたい。例えば「お仕事を探している人」だったらその場でおもしろい ( お仕事の)情報が見つかるというのが理想的ですね。そこで私たちが普段「お仕事の情報」を掲載している企業様にお声がけをして、募集のご案内を出していただいたりします。
あとは過去にこの取り組みにご賛同していただいて、外国人の方向けの商品商材やサービスをアピールしたい、ご紹介したいというような企業様に実際ブースを出していただいています。
例えばお出汁の会社から「外国人の方にもお出汁という
ものにもっと慣れ親しんでいただきたい」ということで、
実際にここでいろいろなタイプのお出汁を温めて提供し
ていただいたり。

次の第9回には「センチュリー交響楽団」にもご参加いただく予定です。センチュリー交響楽団は言語の壁がない「音楽」を外国人の方にどんどん広めていきたいということで、連携させていただきました。その一環として、実際に楽器に触れるようなブースを設けられたら、といった形で考えています。

あとは獺祭 ( だっさい ) さん。海外の方にも幅広く人気がある獺祭さんのご協力のもと、今回の 20 歳以上の参加者には無料で獺祭の試飲を提供いただくことが決まっています。

それから「外国人食堂」自体を一緒に取り組んでいただいているボランティアの皆さんもいらっしゃって、大阪の学校なんですが、 第一学院さんや建国高校さんですね。
皆さんも課外活動の一環で学校単位のご参加をいただくので、こちらからも「ボランティア証明書」を発行させていただいています。
ボランティアの学生もこういった機会を設けることによって、多文化共生の感覚というのを養っていただくいい機会になっていると思いますね。

 

 

̶ うらやましい。市民活動をしていると自分たちの活動で手いっぱいになりがちです。コラボしたら「連携協働」したらいいというのはわかってはいるんですが、なかなかそこまで手が回らない。こんなにうまくつながっていくのは、何かコツがあるんでしょうか?

取り組みを積極的に外に発信をすることでしょうか。プレスリリースもそうですし、うちのウェブサイト上でもそうです。お客様ですとか、自治体様にも発信をすることによってご賛同いただける方が増えていくのが実際です。
そういったことがきっかけで、他の自治体様から「ぜひうちでも開催をしたい」というふうなお声をいただくことがありまして、令和5年12月に泉佐野市さんで初めて「外国人食堂」をさせていただきました。
私たちの思いとしては、各自治体様で同じような取り組みができて、その地域にお住まいの外国人の方、その地域の企業様や自治体の方との交流が生まれていくというのが理想的だと思っています。
私たちが運営をするというよりも、自治体様がしっかり自分たちで運営できるようにお手伝いをさせていただくのが良いと思うんです。

 

 

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YOLO JAPAN の社会貢献

―「社会貢献」における御社のポリシーは?

今後日本社会が、日本に住む外国人の方、もしくはこれから日本に来て生活をしたいと思っている外国人の方によって「支えられていく未来」というのは確実に来るので、そこに私たちはできるだけ貢献をしていきたいという志しが強く根底にあるんです。
「外国人食堂」は私たちが利益を得るようなものでは正直ないのですが、これがきっかけで「YOLO JAPAN」を知ったという外国人の方や、企業様、団体様が、私たちの取り組みや他のサービスを知って使っていただけます。
私たちも会社として様々な事業をさせていただいていますが、私たちの「基軸」にあるのが外国人の方たちにどうしたら 彼らの生活がしやすくなるか?、彼らが面白いと思えるものが集まってくるのか?ということを常に考えています。その結果、ご提供するコンテンツ、サービ
スを皆さんに面白いと思ってもらって「YOLO JAPAN」のことをもっと深く知ろう!とアクセスいただけると考えます。結果的にいろいろなコンテンツが増えていき、それに伴い多様な企業さんとコラボできていくのではないですかね。

 

 

̶「外国人食堂」を超えて「YOLO JAPAN」の未来のお話をいただいている感じですね。

この「外国人食堂」は自分たちがずっと続けてきている取り組みです。ここで生まれている素晴らしいことも、多文化共生もそうですが、このような取り組みが広がっていくのは理想的だと思います。色々な自治体さんで同じような気持ちを持って広がっていけば、結果的にその地域の方々に「外国人」とか「日本人」とか関係なく交流が生まれて「より皆さんが過ごしやすい社会」「共に暮らしていける社会」につながっていけばよいなと思いますね。

 

̶ そういう意味では御社の発信力とか、月並みの言葉ですけど見せ方素晴らしいですよね。

私たちは普段から外国人の方に情報発信をいろいろさせていただいているので、やっぱりそこで常日頃、この情報をどう伝えるのかどう広げていくのかというところをすごく考えます。
これは違う言語だから、違うバックグラウンドから来られている方たちというのもあって、受け取り方ってさまざまなのですが、その中で皆さんが受け取りやすい伝え方や、手に取りやすい情報の広げ方というんですかね。
そういうのを意識させていただいています。

 

 

̶ 単純に「SNS だよ」ということでは絶対ないですよね。

もちろん SNS は今すごく重要なツールですし、それをきっかけで YOLO JAPAN を知るという外国人の方というのは、多数いらっしゃるというのは事実ですね。ただ、そこにどういうふうに載せるかというのが大事かなとも思います。

 

̶ 多文化共生とか、連携協動という言葉は何か大きい根っこのところで繋がっている気がします。

私たちの根底にあるのは、日本に住んでいる外国人の方の生活のサポートです。それを実践していくことによって、結果的に私たち日本という国と社会が、日本人も含めて誰もが過ごしやすくなる未来が待っている、それが私たちのビジョンの中にあるのです。その理念に向かって一生懸命私たちができることを社会にも働きかけ、企業様とか自治体様にも呼びかけができたらなと思います。

「連携協働」とは、やはり根底で「同じ方向性」「ベクトル」を向いて「同じ志」を持っているからこそ生まれることだと思います。
そこ(同じ)が明確になっていて、あとは、こういうことをやっていきたいという「ビジョン」があれば、そこに皆さん賛同していただき、集まっていただけるんじゃないかと。
そこで連携しあって共に働きかけが行われて、一つの動きが発生するのだと思います。

 

 

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「やさしい連携協働」シリーズ④の記事はこちら

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