市民活動ワクワクレポート内容

今回のハイパーセミナーは、

阿倍野区まちづくりセンターが定期的に開催している、

地域活動に関する交流会「あべのほっとカフェ」と

コラボレーションをさせていただきました。

 

今回のテーマは「防災」。

主な内容は、避難所運営ゲームの体験と、

若者による地域防災のアイデアの紹介でした。

69名の方にご参加いただきました。

 

①避難所運営ゲーム

会場は、阿倍野区の避難場所にも指定されている明浄学院高校です。

まずは、防災訓練のアイデアとして、

明浄学院高校が避難所になったら?を考える避難所運営ゲームを体験します。

8つのグループに分かれた参加者たちが、

避難所(明浄学院高校)のどこに何を配置をするかを考えます。

 

明浄学院高校の図面を大きくプリントしたものをテーブルに置き、

司会者が出すお題に沿って、参加者が話し合い、その結果を付箋で貼り付けます。

「避難所本部」「救護場所」「発熱者などの隔離場所」

「救援物資の置き場所」「炊き出し場所」などのお題が提示されました。

参加者は図面を見て、ディスカッションしながら、

限られた時間で判断して、付箋を図面に貼っていきます。

 

このゲームに正解はありませんし、各グループで出した答えも様々でしたが、

状況を把握して、素早く判断するためには

日ごろの訓練が大切だと改めて感じました。

 

以前、静岡県が開発した図上訓練の「避難所運営ゲーム(HUG)」を体験しましたが、

HUGでは、専用キットを用意したり、長めのプレイ時間が必要なのに対して、

今回のゲームでは、専用キットなし&限られた時間で

プレイできるのが画期的だと思いました。

 

②応急手当訓練(日本防災普及協会)

この協会は高校生が立ち上げた団体です。

人口呼吸、胸骨圧迫、AEDの使い方などの応急手当について

実演していただきました。

AEDの訓練は消防署が行うものというイメージがありましたが、

日本防災普及協会のような団体を呼んで講習してもらうこともできる

というアイデアを教えていただきました。

 

③阿倍野区役所保健師の講話(能登半島地震被災地派遣)

2月に石川県小松市の二次避難所に行かれた際のお話をお聞きしました。

現地では、健康相談、血圧の測定などをされていたそうです。

特に注意すべき点として、感染症予防やエコノミー症候群の予防

について教えていただきました。

 

④備蓄用パンや防災モノポリーの紹介(AKINDO SPARKLE株式会社)

高校生たちが立ち上げた株式会社です。

社会貢献の一環として、災害に備えることをテーマとして掲げ、

支援物資として役に立つものを作りたいという思いから、

「備蓄用パン」(5年保存可能)を開発して、販売する予定だそうです。

販売するだけではなく、パッケージのラッピングを

就労支援B型の施設に依頼したり、

保存期間の切れる少し前に子ども食堂に

配布するなどのアイデアの話もありました。

1年間かけて防災用モノポリーも作っていくそうです。

 

⑤古今災考について(京都大学防災研究所)

災害の歴史から現代の防災を考える取組の紹介です。

関東大震災の際にすでに学生ボランティアが居て、

復旧活動に貢献したそうです。

ボランティアをしている学生が本業の勉学にいつ戻るのか

を考える機会を頂きました。

 

などなど、盛りだくさんの内容でしたが、

①のゲームの合間に②~⑤のゲストトークを挟む形で、

とてもメリハリが効いていて、

阿倍野区まちづくりセンターの進行が素晴らしかったです。

 

今回のハイパーセミナーでは、阿倍野区まちづくりセンターとの

コラボで開催させていただきましたが、

今後も、地域活動を実践されている団体や中間支援組織と連携して、

その活動や取組をみなさまにご紹介して参ります。

 

シミポタ運営事務局 尾谷伸也