事業者の想い・取り組んでいる課題とその解決方法・今後の展望など事業のヒント、そしてCB/SBの魅力が満載の取り組みの記事を楽しんでください♪
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自分や家族に介護の必要性を感じた時、まず「介護保険でどんなサービスが受けられるのか」を調べることになる。
例えば、厚生労働省のホームページで、デイサービス(通所介護)をみてみよう。
そこには「食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなど」を提供し、
「生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり、施設は利用者の自宅から施設までの送迎」も行うと記載されている。
概略はわかるが、その事業所で当事者が「どんな時間を過ごせるか」イメージは全く湧いてこない。
また、各自治体のホームページでみられる事業所情報も、名称や住所、営業時間等の基礎情報にとどまっている。
これだけでは「デイサービスは、どこでも同じ」という印象を受けてもしかたがないのではないか。
デイサービスには、介護や機能訓練に重点を置いたもの、レスパイト(リフレッシュサービスによる一時的な家族支援)中心のものなど、さまざまなサービスの実態がある。
にもかかわらず、それを比較検討するには、各施設を訪ねてみるしか手立てがない。
したがって、心身にも時間にも余裕のない当事者や介護家族の多くは、担当するケアマネジャー(以下、ケアマネ)の紹介に甘んじてしまう。
確かに、ケアマネは福祉専門職として適切な判断を下すかもしれない。
しかし、本人のことを誰よりも知る家族、何より本人が直接選べなければ、真の意味で「選べるサービス」とはいえない。
『介護ライブラリ』は、介護保険制度の基本理念である「利用者本位」、「利用者による選択(自己決定)」が十分に果たされていない実態をつき、その改善を目指している。
『介護ライブラリ』の「介護ライブラリ地域版」では、現在、西宮、尼崎、宝塚、3市のデイサービスを中心とした介護関連施設の情報が400件あまり掲載されている。
多様な介護サービスのなかでデイサービス情報が中心となった理由は「老人ホームなど入居型施設と比べ情報が少ない」「ヘルパーサービス(訪問介護)と並び、最初に利用する介護サービスである場合が多い」である。
代表の山本由美子さんは「介護サービスの入口で、介護に対しマイナスの印象を持ってしまうと、症状がひどくなってもかたくなにサービスを拒否する場合があり、本人も家族も大変です」と話す。
『介護ライブラリ』は、山本さんが、独自の取材で収集し、自らの経験をもとに介護家族の視点で編集されている。
それは、情報の公平性を重んじるゆえに具体的な情報を提供しがたい自治体や、利益目的に宣伝費用をかけた民間事業者のサイトにできない、強みとなっている。
「介護ライブラリ地域版情報」の特徴は、施設内の様子を撮影した画像や動画を豊富に掲載しているところにある。
「見える化」することで雰囲気が伝わり、そこでの過ごし方が容易に想像できる。
紹介文も「男性の比率が多い」など、多くのデイサービスを取材した山本さんならではの視点があり、しかも簡潔にポイントがおさえてあるので比較がしやすい。
閲覧時の負担にも配慮している。
「リハビリ中心のジム風のところ、手芸や絵画、書道や楽器演奏、英語などを教えてくれるところ、アニマルセラピーで犬が遊びにくるところなど面白いですよ。
個性的なところでは、海が見えるところで、メニューについてシェフの話を聞きながらランチをいただき、午後のティータイムはセミプロの生演奏を楽しむ会員制レストラン風のデイサービスもありました。
サービスの費用は、同じ市なら、同じ値段(食事代は別)。
自分が好きなところを選ばないともったいないと思うのです」
これだけ、バラエティ豊かなサービスがあるなら、誰にでも行きたいところがひとつや2つ、見つかるだろう。
暗いと思われがちな「介護」の印象も一変するはずである。
★次回へ続く・・・・
■団体概要 介護ライブラリ
西宮市、尼崎市、宝塚市のデイサービス情報を独自に収集し、ホームページを通じて発信。要介護者や家族が「選べる介護」を目指す。
介護の始め方、介護初心者がぶつかる疑問に対しわかりやすく解説するほか、
若者が集うイベントで代表自身の介護体験談を語り、「これから介護をする人」に、知識やノウハウを提供している。