みんなの活動報告内容

●大阪初、民間による異業種ネットワーク

●なにわ名物開発研究会

●なにわの名物は「ひと」

●「いちびり精神」「いちびり」の語源とは?

 

“いちびりさん”を大募集する「なにわ大賞」とは?

大阪らしいユニークな活動をしている「なにわの“いちびりさん”」を募集し、「なにわ大賞」として表彰するイベントをご存じですか? これまで20年以上続き100名以上が受賞し「なにわ大賞」

主催するのは、大阪で初の民間の異業種交流ネットワークとして活動してい「なにわ名物開発研究会」です。「なにわ大賞」の募集はコロナ禍で中止されていましたが、来年の再開に向けて、このほどキックオフイベント「やりまっせ なにわ大賞 ~続・いちびりさん集まりまし展」~」が開催されました。今回、この「なにわ大賞」の取り組みについてご紹介したいと思います

 

「なにわ大賞」のチラシ
“いちびりの語源”について記載されています。

 

 

 

なにわの名物は、ひと。「なにわ大賞」のはじまり

主催者の「なにわ名物開発研究会」は大阪で初の民間による異業種ネットワークです。市民イベントや地域活性化など、大阪のまちづくりに携わる企業やクリエイター、学識者や商業者など多彩な業種・業態のメンバーが参加し、「イベント開催や提言ばかりでなく、文化や社会性にこだわり、まちづくりへの具体的なアクションができないだろうか?」と、平成8年7月28日(なにわの日)に団体を設立しました。

「大阪を元気にする」をテーマに、「なにわ名物はものだけやなくて、ひともいる。ひとほど面白い!」という視点から、ユニークな人間、大阪を代表する、ひとを発掘しよう!と、結成の翌年、平成9年から「なにわ大賞」がスタートしました。

 

 

“いちびりさん”を募集し、まちの人が互いに称えあう贈呈式「も~て~式」

なにわ大賞は、文化、歴史、芸能、アート、まちづくり、ビジネス、商品開発、教育、国際協力、スポーツなどの分野において、大阪らしいユニークな活動をしている個人や団体など、自薦、他薦問わずなにわのいちびりさん“を広く募集し、表彰するものです。応募すると、なにわ大賞のスタッフが取材して詳細を聞き取り、その内容をスタッフが審査員にプレゼンして審査を行います。聞き取ったスタッフの第三者の視点で「こういう部分がいいところ」と審査員にアピールする独特の審査スタイルで、応募者も誇らしい気持ちになる珍しい賞です。贈呈式は「ぞうてい」ならぬ「も~て~式」。まちの人が互いに称えあうという賞の趣旨に沿って「この賞をもろてもらいます」という意味で、贈呈式と書いて「も~て~式」と呼ぶのだそうです。

 

第22回 なにわ大賞の贈呈式の様子(2019年)

 

 

大阪らしさを感じる受賞者の顔ぶれ

これまでの受賞者は、幅広い分野で活動している、優れた才能を有する方々です。たとえば最新の第22回で大賞に輝いたのは、なにわ人形芝居フェスティバル実行委員会一心寺の先代住職の「戦後、戦災孤児たちを喜ばせようと人形劇などを見せて回ったことがあった」という話から、一心寺が発起人となり、下寺町25寺社を会場に阪神大震災の翌年から毎年開催されるフェスティバルです。準大賞には、障がい者に水泳を教える活動を行っている、認定NPO法人プールボランティア観光地でのボランティアガイドの説明に魅力を感じられず、参加者が「へー」「ほー」と驚き感心するような、まち歩きツアーを自ら企画、開催している、たけちゃんの大阪へーほー散歩 が受賞しました。

2019年には、これまでの受賞者を一堂に紹介するイベント「大阪のいちびりさん、集まりまし展」が、大阪府立中之島図書館にて開催されました。多彩な受賞者の顔ぶれから、数多くのアイデア、サービスやシステムを生み出し、企業を育ててきた大阪らしさ、大阪人の強みを感じます。また受賞者からは「賞をもらったことで活動を継続できた」「受賞をきっかけに新たな繋がりができ、活動の幅が広がった」などの声がありました。なにわ大賞の過去の受賞者は、なにわ大賞のホームページで紹介されています。

 

 

 

 

なにわ大賞受賞者一覧表(第1回~21回まで)

 

●過去のなにわ大賞 受賞者のページ

http://www.naniwa-meibutsu.com/archives.html

これまでの「なにわ大賞」受賞者の詳細を見ることができます。

 

大阪府立中之島図書館で開催された「大阪のいちびりさん、集まりまし展」(2019年)

 

 

受賞者の紹介展示やワークショップなど、約20日間にわたり開催されました。

 

 

 

審査の決め手は「いちびり度」。いちびりの語源とは?

大阪一のいちびりさんを決めるなにわ大賞。審査の決め手は「どれだけ、いちびっているか?」“いちびり度”が重要なのだそうですさて「いちびり」とは一体、どのような活動や人を指すのでしょうか?

「いちびり」は関西弁で「調子にのる、ふざけてはしゃぎまわる」などの意味がありますが、語源は「市振り」からきています。なにわ大賞のチラシによると、“いちびりの語源は、せり市で手を振って値の決定をとりしきること、また人のことをいう「市振り」から起こったと言われ、転じて物事のリーダーシップをとることや、その人のことをいう“と記載されています。決して「いちびり」のネガティブな意味合いではなく、逆に味がある、ユニークな活動や人を指しています。第18回の準大賞を受賞した、やかんによるカーリング「ヤカーリング世界大会」を開催する三津屋商店街振興組合は、いちびり度が高く評価されたそうです。

 

 

 

“いちびり精神”を次世代へ

コロナ禍になり、なにわ大賞は3年間開催が中止されていましたが、今年7月、来年のなにわ大賞再開に向けたキックオフイベント「やりまっせ なにわ大賞 ~続・いちびりさん集まりまし展」~」が開催されました。イベントには審査員や過去の受賞者らが参加し、「100回開催を目指し、なにわ大賞を継続するには若い世代の応募や参加が必要」「若い世代は、いちびり方を知らないのではないか?」「いちびり方を教えていく事業も必要ではないか?」など意見交換がありました。「いちびり精神」で、まちをもっと面白く、まちを遊び倒していくような人が増えれば大阪がより元気になり活性化に繋がる。歴史文化とまざりあって、新しい大阪のカラーが生まれれば嬉しい…!というお話でした。

 

 

今年開催されたキックオフイベント「やりまっせ なにわ大賞 ~続・いちびりさん集まりまし展」~」(令和4年7月)

 

審査員や受賞者などが集まり、これまでの振り返りと今後に向けて意見交換がされました。

 

大阪らしい大変ユニークな取り組み「なにわ大賞」。20年以上にわたり発掘された、大阪を代表する“いちびりさん”この受賞者の皆さんの多彩な活動をぜひ知って頂きたいと思います。また、なにわ大賞運営委員会では、運営メンバーを募集中です。なにわ名物開発研究会の会員でなくても入れるそうですので「なにわ大賞を一緒に盛り上げたい!」「大阪のいちびりさんを探したい!」と思う方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

 

 

●なにわ大賞       http://www.naniwa-meibutsu.com/prize.html

 

●なにわ名物開発研究会  http://www.naniwa-meibutsu.com/index.html

 

●問合せ先        info@naniwa-meibutsu.com

 

 

 

(取材・執筆:シミポタ運営事務局 榮 知子)

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