みんなの活動報告内容

  • 中之島の新たな魅力づくり
  • 大阪の中心地×荘厳な自然×既存施設の有効活用
  • ご来光カフェ実行委員会
  • NPO法人もうひとつの旅クラブ
  • 大阪水上バス株式会社

 

 

「ご来光カフェ」とは?

毎年10月の初旬に1週間だけオープンする「ご来光カフェ」をご存じですか?

大阪の中心地中之島で1年のうち数日だけ、土佐堀川から生駒山に昇る朝日を望むことができる時期があります。「ご来光カフェ」はこの期間限定で早朝の間だけオープンするカフェ。

大阪水上バス株式会社NPO法人もうひとつの旅クラブらが協力し、企画運営をご来光カフェ実行委員会が行っています。大阪水上バス「淀屋橋港」を会場に、ボランティアスタッフがコーヒーや軽食などを提供しており、出勤前のビジネスパーソン、散歩やジョギング中の方などで賑わっています。この「ご来光カフェ」の取り組みについてご紹介します。

 

 

 

中之島から望む、生駒山のご来光

 

 

「ご来光カフェ2022」チラシ

 

 

 

 

きっかけは中之島の新しい魅力づくり。アイデアで既存の資源を有効活用

「ご来光カフェ」誕生のきっかけは、NPO法人もうひとつの旅クラブの企画提案でした。2005年から京阪電車の中之島新線の建設と周辺地域の活性化に伴う“中之島の新しい魅力づくり”に取り組んでおり、「生駒山が見えるので、朝日が望めるのでは?」と、早朝の時間を利用した「ご来光カフェ」のアイデアが生まれたのです。大阪水上バス淀屋橋港の桟橋にテーブルやベンチを設置し、コーヒーや軽食などを提供。参加者は運営協力金を含む代金を支払い、ご来光を堪能します。

2006年に開始すると、早朝にもかかわらず予想を超える約500人の来場がありました。大阪の中心地、ビルに囲まれた中之島で、荘厳な日の出「ご来光」を望めることは新鮮で、新たな大阪の魅力発信に繋がりました。また大きな投資をしなくても、公共の場である桟橋の有効活用だけで、新たな魅力づくりができることを示すことができました。

 

 

口コミ、SNSで広がる、中之島の新名所

翌年からは、この活動に賛同する舟の運行スタッフや大阪水上バスなどの協力をもらい、朝のミニクルーズ「ご来光クルーズ」も同時に企画。必要最低限の燃料費を乗船料として受け取って運行し、カフェと併せて開催しました。

新聞やラジオなどのマスコミ報道、口コミやSNSなどで、年々来場者は増えており、リピーターも定着しています。大阪市内を中心に府内、府外からの参加もあり、来場者は生駒山越しに望む朝日や、朝のゆったりした時間の流れを楽しんでいます。

今年で17年目を迎え、これまでの来場者は延べ8,440人。

市民がつくる、中之島の新名所の誕生です。

 

 

会場になっている、大阪水上バス「淀屋橋港」の桟橋
コロナ以前は最大100名近くが同時に朝日を楽しむ日もあった。

 

 

 

 

ご来光の瞬間を撮影するひとたち

 

 

2007~2018年まで運行していた「ご来光クルーズ」の様子

 

 

 

気が合うスタッフが集まり、コミュニティを形成

スタッフは約40名ほどのボランティアメンバーから日々のシフトで構成され、始発電車も動いていない早朝4時台に、徒歩や自転車で淀屋橋に集合します。開店準備、営業、片付けなど時間ごとに細かな役割分担がされテキパキと対応できるよう工夫されています。週末などは、日の出のわずかな時間に来場者が集中するため、毎年議論を重ね、運営の改善を行っているそうです。

 

スタッフ募集をかけると毎年2~3名の応募があり、また翌年と続けて参加する方が大半とのこと。「客」からスタッフになる人もあり、「朝が好き」「朝日を見たい」など、自然に気の合う仲間が集まりコミュニティができています。人材不足は市民活動において共通の悩みですが、心から取り組みに賛同し、楽しみや喜び、やりがいを感じながら参加することが活動を継続させるうえで何より大切。ご来光カフェのスタッフの雰囲気の良さが、そのことを教えてくれます。

 

 

 

作業は細かく、それぞれ役割分担されています。

 

 

1年に1週間だけ集まるスタッフ
楽しんで活動されている雰囲気が伝わります。

 

 

目指すのは、お客さんもスタッフも、ここちよい時間を過ごしてもらうこと

コロナ禍となり一時は開催も危ぶまれましたが、野外という特性を生かし明るい話題のひとつになれば…!と、昨年、今年も休むことなく「ご来光カフェ」を実施。人数制限を設け営業時間を短縮、消毒の徹底や3蜜を避ける座席配置にしました。また、カフェ営業ができないためコーヒーを無償提供するかわりに運営協力金をお願いしたり、WEBでのライブ配信など新しい試みにも挑戦。来場者の減少などコロナ禍の影響を大きく受けることなく開催されています。

スタッフの岩田尚樹さんは「お客さんもスタッフも、ここちよい時間を過ごしてもらうことを目指しています。気持ちよい朝を過ごせたなぁ…と感じてもらいたいし、今後も地道に継続していきたい」と話しています。

 

中之島から生駒山に登る朝日を見るという発想と既存施設の有効活用した「ご来光カフェ」の成功のカギは、大阪の中心地で見るご来光美味しいコーヒーと軽食スタッフの心からのおもてなし と言えそうです。

来年は、あなたも大阪の中心地でご来光の感動を味わってみませんか?

 

 

  • ご来光カフェ実行委員会

https://www.facebook.com/goraiko/

 

  • ご来光カフェ ライブ配信

https://www.youtube.com/channel/UCQYCM0i9bMX3qyUiPDPexlQ

 

  • NPO法人もうひとつの旅クラブ

https://tabiclub.org/

 

  • 大阪水上バス株式会社

https://suijo-bus.osaka/

 

 

 

画像出典

ご来光カフェ実行委員会

https://www.facebook.com/goraiko/

 

NPO法人もうひとつの旅クラブ

https://tabiclub.org/

 

 

 

取材・執筆

シミポタ運営事務局 榮 知子

 

 

 

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