みんなの活動報告内容

「お金の教育」が子どもの自立に必須と言われ始め、子ども達だけでなく親世代にも求められる「金融リテラシー」。また、2022年度からは高校で「預貯金」「投資信託」などの金融商品の特徴を知り、それらを活かした資産形成を学ぶ「金融教育」がはじまっています。※ただし学校側の判断による)。

 

●地域として「お金の教育」に触れる場を提供したい

子ども向けの「お金の教育」とは一般的に「お金とは何か」から始まり、使い方・貯め方・稼ぎ方・増やし方(資産運用)など広くお金にまつわることを教えてくれそれらを学べる塾が人気なのだそう。

でもそれってやはりお金に余裕がないとできない教育にならないか。地域の子ども達やその親御さんに向けて、収入による格差のない「お金の教育」を学べる機会を地域で提供して、もっと身近に・気軽に体験してもらうことができたら・・と連携先を探しておられた東桃谷地域まちづくり協議会(東桃谷まち協)さん。

 

2022年度には「ゆうちょ銀行」の出前講座で「小学生向けのお金の知識」講座を実施されましたが、その後コロナ禍により継続を断念。

新型コロナが2類から5類になった今年度5月からあらためて「子どものお金教育講座」の開催を計画、次なる手立てを求め、講師費用は掛かるものの今夏7月29日(土)に「キッズマネースクール★大阪スマイル校」を招致して、親子参加型イベントを開催されました。

参加された保護者の方のアンケートでは「お金の話は大事なことはもちろんわかってはいるが、家ではうまく伝えきれないのでこのような講座、しかも近所でやってもらえるのはありがたい」と高評価で、子ども向けの継続開催はぜひとも前向きにすすめていきたいのだとか。

 

●社会貢献活動のフィールドを広げていきたい

一方、同じ生野区のお隣にある鶴橋地域で「地域での生活をみんなで楽しむためのオープンスペース『桃の谷』」の運営代表である竹沢さんは、様々な活動の中のひとつとして、自身が所属している「FPファーム生野支部」の社会貢献活動として『家計向上カフェ』を実施され、地域の方にわかりやすく生涯マネーの個別相談をしておられます。そして「活動の範囲を広げたい」と講座プランやターゲットを模索していく中、コロナ禍を経て新たな連携先を探しておられました。

 

そこでまずはお金の教育に興味を持って取り組みたい東桃谷まち協と桃の谷、FPファーム担当者をお繋ぎし、一緒に何かできないかと連携協働のプロジェクトを進めることになりました。

 

●FPファーム生野支部の活動と想い

 一般社団法人FPファームの理念はFP(ファイナンシャル・プランニング)技能を通じて市民生活の向上と発展に貢献することを目的にした実践・実務を行うこと。その理念に共感し生野支部を立ち上げた和田さんをはじめとするメンバーには「子どもの金銭教育に貢献したい」「もっと若いうちから税金や保険のことを知っていたら良かった」「何もわからないままではいけない」とそれぞれ持つ熱い思いがあり、勉強し身に着けたスキルで「必要な人に必要な知識、特に基礎となる知識を伝えたい」「ちょっと聞きたいに答えられるような」地域貢献をめざして、地場である生野区で活動をスタートされました。

FPファームさんは前出のキッズマネースクールイベントも見学され、講座後には講師の方々とも情報交換をしておられ、今後の活動のヒントや新たな連携も生まれました。

 

●地活協×ファイナンシャルプランナー

東桃谷まち協さんとの話し合いの中で「子どものお金の教育」だけでなく各世代に向けても講座開催することになり、9月30日(土)を皮切りに4つの講座を順次開催することが決まりました。

地域での開催で一番のネックは「お金の話はタブー」にされ敬遠されないかということ。できるだけ難しくならないよう、身近に感じてもらえるように、と「家計管理」や「資産運用」などのテーマをあげて打ち合わせした結果、今回は「①家計の見直し講座」「②保険の基礎講座」「③相続について(さわり)」「④新NISAについて」の4講座でテーマごとに担当講師を替えて派遣、開講することになりました。

 

取材日は9月30日(土)に実施された「①家計の見直し講座」。当日の参加者は9名で、講座に興味を持って自ら来られた方、誘われてとりあえず来られた方、子育て世代、年金生活の方など参加理由も年代も様々でしたが、家計の支出と収入の話では「なるほど~」「貯蓄するほどお金は残らない」「年金生活、物価高騰で本当にやっていけなくなる」などリアルな声も聞かれました。

「知識を知恵に変えることが大事」「すぐに結果が出るわけではないので長い目でみてください」「ライフプランは人それぞれなので『これが正解』というわけではない」といいます。

講座の中身はもちろんですが、このような機会が身近にあってまさに「ちょっと聞きたい」が気軽に聞ける場があることで安心して生活できる支えになっていくのではないかと感じました。

 

●地域へのアプローチ=地活協×お金の教育×ファイナンシャルプランナー

奇しくも今回のFPファーム担当者様、まち協担当者様に加えキッズマネースクール★スマイル大阪校の講師の方々がそれぞれに持っておられる想いの中で

「お金の教育=生きるチカラを高めていくことができたら、すなわち豊かな地域づくりに貢献できる」

という共通認識がありました。

ひと昔前「お金のこと、お金を稼ぐこと」を話題にするのは「品がない」「汚い」などとタブー視されてきた日本。「お金の話=恥ずかしい」という根拠のないタブーの文化に縛られ、お金の話題を避けるのはもったいない。自分の人生を充実したものにするために必要なお金をしっかりと稼ぐことができる人が地域の中で増えれば、地域そのものが「豊かな地域」となりうる。そんな「地域貢献」をめざした連携協働の輪が広がっていく活動として、今後もそれぞれのお立場からアプローチと実績を積み重ねていただきたいと感じました。

シミポタ運営事務局

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