みんなの活動報告内容

「マニアックビューイング」とは

 

IKUNOスキルラボは、主に生野銀座商店街を拠点として、商店街の活性化を通じて「地域のコンテンツ」となるようなイベントや仕組み作りに取り組んでいます。

その活動の一環として取組んでいるイベント、「マニアックビューイング」についてご紹介します。

 

「マニアックビューイング」は私たちの造語ですが、いわゆる「パブリックビューイング」の真逆の意味として使っています。

 

「パブリックビューイング」は野球やサッカー、オリンピックなど多くの人が楽しみにしている競技を同じ場所でみんなで観戦しながら応援するようなイベントですが、「マニアックビューイング」は狭いテーマに対して興味のある人が集まってそのテーマで熱く語り合おうという場になっています。そのため、対象者がかなり限定的になりますが、そのテーマに興味のない人でも、そんなマニアックな人たちの熱すぎるトークを観てドン引きしながら楽しめるかも?というノリで名前を付けました。

 

このイベントの大きな目的は1つあって、「地域×マニアックな趣味を持つ人×多世代」によるコミュニティ形成です。

将棋コミュニティの事例から、「地域×趣味×多世代」コミュニティの可能性を実感しており、それをさらに横展開するための実験でもあります。
「地域のためのイベント」は、どうしても出来るだけ多くの人が楽しめるという視点で企画される傾向があると思います。それ自体はとても大事なことだと思いますが、一方でコミュニティの深さを考えたとき、「熱い趣味」というのは強力な要素になるのではないかと考えています。

 

各回の企画内容

まずはIKUNOスキルラボのメンバー自身が好きで熱く語れそうなテーマから始めてみました。
第1回目は「プロ野球大好き座談会」
 選手名鑑の一部を見て選手を当てるクイズや、私が選ぶベストナインのコーナーなどがありました。参加者は、ひいきのチームのユニフォームを着て来たりグッズを持って来たりと盛り上がりました。
自己紹介の時間なのに、なぜかバッティングフォームの議論になる一幕も。
第2回目は「鉄道について熱く語る会」
 難読駅名クイズや参加者それぞれの推しポイントのプレゼン、運行ダイヤの実物体験などがありました。日本に限らず海外の鉄道に詳しい方も参加されていました。
各自のプレゼンに熱が入り過ぎて、予定時間を大幅にオーバーしてしまいました。
第3回目は「スーパー特撮座談会」
 動画も見ながらみんなで特撮の歴史を振り返ったり、企画者自作の「歴代仮面ライダー変身前後神経衰弱」で盛り上がったりしました。他のイベントにも頻繁に顔を出す強者がたくさん参加していました。
第4回目は「ジャッキー・チェン好きな人集まれ」
 オープニングから動画を観ながらおなじみの曲をみんなで歌ったり、動画を観ながら作品を振り返ったりクイズを出したりしました。
各回とも生野銀座商店街の飲食店さんに協力していただき、会場でお店のメニューがテイクアウトできるようにしました。5店舗のお店のメニューを組み合わせて、イベントのテーマに合わせたメニュー名を付けたりしながらマニアックビューイング専用のメニュー表を作りました。
イベントのスタッフが取りに行ったりお店の人が持ってきてくれたりしながら、飲食店さんの商品が商店街を何度も行き交っていました。

周知(集客)方法

 

スキルラボにはイラストが得意なメンバーがいるので、各回ともチラシ制作にはこだわりました。チラシを元に縦長サイズの動画を作成し、商店街前のモニターで動画を流して商店街を通る人に周知しました。実際、商店街のモニターやチラシを見て参加してくださった方が多く、参加者の話を聞いても、「特撮の絵が目に入ってきて、これだ!と思って参加しました」のように、自分の趣味としてアンテナが立っているものは、やはり目についてもらえるんだということを実感しました。

また、Facebook・Instagram・XなどのSNSでの発信の他に、ピーティックスも使って募集しました。

 

参加しなくてもその話題で盛り上がれるという副次的な効果

 

「マニアックビューイング」という企画が、まずは自分たちに近い人に徐々に認知されていったと思うのですが、イベント当日の「参加」ということだけでなく、例えばみんなでお昼ご飯を食べに行った席でこのテーマに関する話題で盛り上がるといった光景が見られました。また、行きつけの飲食店さんにポスターの掲示をお願いしたのですが、そのお店でもチラシを見たお客さんと話が盛り上がり、コミュニケーションツールになったと言っていただけました。

 

例えば「特撮」などは、子供の頃に多くの人が何かしらの番組を観ていて思い出があって、同世代同士で思い出して盛り上がったり、子どもを持つお母さんは子どもと一緒にテレビを観ていて意外と最新の情報に詳しいという一面が知れたりなど。これも、テーマを尖らせているから「マニア」ほどではないにしても、自分の知っていることを人に話したくなるのかなと感じています。

 

今後の展開

 

途中から、イベントに集まってくれた参加者のLINEグループを作るなど、継続的なコミュニティ作りを目指して工夫をしています。「特撮」の参加者から「ジャッキーチェン」の回に参加してくれたり、参加者と別のイベントを開催したりなど、少しずつコミュニティ間の交流も生まれています。

 

今後は、スキルラボのメンバーだけでなく一般の方が「これをしゃべりたい!」というものをテーマに企画をしていければと思っています。当日の企画進行はその方にお願いし、私たちは場つくりのサポートをさせていただきたいと思います。

また、今回分かったようにイベント開催までの期間も「コミュニケーションツール」として使えることが分かったので、ここをもっと工夫して、イベント全体の価値を高めていければと思います。
団体名:IKUNOスキルラボ

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