みんなの活動報告内容
2024年2月29日(木)に開催された「令和5年度生野ものづくりタウン事業成果報告会」に参加して参りました。
この事業は大阪市生野区役所の事業で、生野区内企業の連携やクリエイターとのマッチングを行うことで、生野区のものづくりの魅力の向上、地域活性化をめざすことを目的とした事業です。
今回の成果報告会では、生野区の企業4社がそれぞれ手を組んだクリエイター(デザイナー)と一緒にプロダクトの構想を発表されました。
参加企業は以下の4社です。
運営は、事業受託者の株式会社友安製作所さんです。
会場は、リゲッタIKUNOホールです。
生野区長のご挨拶。
ものづくりに対する思いや、デザインの力が必要であることなどを熱く語られ、
万博に向けて生野のまちをおもしろく盛り上げていきたいと仰っていました。
続いて、友安製作所さんの社長のあいさつのあと、デザイナーの村田智明さん(株式会社ハーズ実験デザイン研究所 / METAPHYS 代表取締役)による基調講演が行われました。
続いて、各社からのプレゼン発表です。
まずは、シューズやサンダルを製造しているリゲッタさん。
もともと高本社長の靴業界歴30周年を記念して新しいブランドを作りたいと思っていたそうですが、このものづくりタウン事業でデザイナーさんと出会い、新たなインスピレーションを得て、未来からやってきた新しいウォーキングシューズブランド「Teraco」の開発につながったそうです。
まだ試作段階ということで、試作モデルが会場に展示されていましたが、かかとの形に特徴があるデザインが目を引いていました。
発売されるのが楽しみです。
続いては、金型の設計や金属プレス加工の会社、三栄金属製作所さんです。
金属加工の技術には自信を持っているが、アイデアや新しい発想力が足りない部分があったそうで、この事業で関東のデザイナーと出会い、モチベーションが上がったそうです。
提案されたのは、コンパクトに収納できて、食器を兼ねた金属の調理器具でした。
クラウドファンディングサイトで新製品としてローンチされる予定だそうです。
つづいて、ランドセルメーカーの生田さん。
70年以上ランドセルを作ってこられたそうで、自社生産、自社販売、天然皮革などへのこだわりや、売って終わりではなく6年間の無償修理保証を付けるなどの「つながり」を大切にされてきたそうです。
ただ、ランドセル製造に特化しているため、世間に知ってもらう間口が狭いことや少子化を危惧していたところ、この事業でデザイナーから提案を受けて。新しい「こばこ」「cobako」の構想を発表されました。
小学校6年間で使ったランドセルをリメイクして作る革製の箱が「こばこ」で、最初から箱として販売する「cobako」と2軸で展開されるそうです。
最後の発表は、アルマイト加工の電研さん。
二人のデザイナーが提案したのは、TTT(Three Thousand Tiles)というカラーバリエーションの豊富なアルマイト加工タイルでした。
メタリックな質感が特徴のタイルで、内装材や仕上げ材としても使用できるそうです。
白サビの問題など、まだ検証の予知はあるとのことでしたが、新しい製品を作るワクワク感が伝わってきました。
参加者は、プレゼンを聞きながら、随時付箋に感想や提案を書き、スタッフが回収し、会場内のパネルに貼りだされていく仕組みでした。
ここからまた新たなアイデアが生まれたり、販売価格の参考になったりするようです。
各社ともデザイナーとのマッチングにより新しい製品の構想が生まれていましたが、
企業とクリエイターとの連携による化学反応を目の当たりにすることができました。
生野区のものづくり企業の発展と今後の製品化が楽しみです。
(レポート)
シミポタおじさん 尾谷伸也