みんなの活動報告内容

2024年12月15日、大阪市市民局と日本国際協力センター(JICE)関西支所が主催する「日本×台湾料理交流会」が大阪市内で賑やかに開催されました。本交流会では、台湾僑務委員会の認定学校「大阪弁天町台湾華語教室」の校長である陳洳豔氏が講師を務め、台湾と日本のお正月の食文化を紹介しました。日本をはじめ、台湾、フランス、シンガポール、パキスタンなど多国籍の参加者たちが料理を手作りしながら異文化の魅力を体験するとともに、国際的な友好と理解を深める機会となりました。

交流会では、台湾の「五色湯圓(ごしょくたんえん)」と日本の「雑煮」という2つの象徴的なお正月料理を通じて、それぞれの文化を紹介しました。講師の陳洳豔氏は、台湾の旧正月における「甘いものを食べて、良い一年を迎える」という習慣を起点に、湯圓の文化的な意味や調理方法について詳しく説明しました。彼女が考案した五色湯圓は、台湾茶、タロイモ粉、紅麹粉、黒ごま粉などの天然素材を使用し、伝統的な白い湯圓と組み合わせて作られたものです。これにより、台湾独自の食文化と「五福がそろう」という縁起の良い意味を体現しました。また、日本のお正月料理を代表する伝統料理である雑煮も取り入れられ、参加者は異なる文化の料理を学ぶ中で、それぞれの食文化や歴史的背景を感じ取ることができました。

陳洳豔氏は、「料理は文化交流の最も直接的な手段です。自分で作り、味わうことで、文化への理解が深まり、美味しさを共有する中で友情が築かれます」と語りました。交流会の冒頭では、日本国際協力センター(JICE)が雑煮の歴史と文化的な背景を紹介。その後、陳氏が湯圓作りの説明と体験を指導しました。参加者たちは視覚・味覚・触覚を通じて、台湾と日本それぞれのお正月の食文化を全身で感じる体験をしました。

さらに、会場では多文化をテーマにしたプレゼントも用意され、交流会に華を添えました。台北駐大阪経済文化弁事処僑務課が台湾のお正月を感じられるLEDランタンを提供し、台湾観光協会大阪事務所は台湾料理や天燈(ランタン)をテーマにした観光ポスターや台湾ガイドブックも提供しました。また、受付ではガチャガチャが設置され、中には日本国際協力センター提供の多言語で「こんにちは」と書かれたバッジや、陳洳豔氏が厳選した台湾の年越しお菓子が含まれており、参加者に台湾の旧正月の雰囲気を存分に味わってもらいました。

特に注目を集めたのは、30名以上の参加者たちが協力して100人分の湯圓を作り、その湯圓が同日開催された「2024港区つながる見本市」に届けられたことです。この見本市は、大阪市港区の住民同士の交流や連携を促進し、地域の認識を深めるための情報共有イベントとして行われました。初めて湯圓を味わった「2024港区つながる見本市」の参加者たちからは、「もちもちとした食感と黒糖生姜スープの組み合わせがとても特別で美味しい」との声が多く寄せられ、新しい味覚体験を楽しんでいました。

交流会の最後には、陳氏が参加者たちと一緒に春聯(しゅんれん、縁起の良い言葉を書いた赤い紙)を引き、そこに込められた吉祥の意味を一つひとつ解説しました。また、「新年快樂(あけましておめでとう)」「恭喜發財(お金持ちになりますように、今年も儲かりますように)」といった台湾華語の新年挨拶を教え、会場は笑顔と笑い声に包まれながら閉会しました。

今回の料理交流会は、大阪市市民局と日本国際協力センター関西支所が主催し、料理を通じて文化を結びつける強力な架け橋としての可能性を存分に示しました。参加者たちは湯圓と雑煮を通じて、台湾と日本のお正月に根ざした食文化を学び、また異文化交流の楽しさを実感しました。ある日本人参加者は、「このようなイベントは異なる国の文化を学べるだけでなく、様々な国の人々と交流できる貴重な機会です。ぜひ今後もこのようなイベントに参加したい」と感想を述べました。

本料理交流会の意義は、台湾と日本の文化交流にとどまらず、多文化交流の促進にも大きく貢献しました。料理の作りや共有を通じて、参加者は国境や文化の壁を越え、多文化共存の価値を体現しました。お互いの文化への理解と尊重が深まり、多文化交流の絆がより一層強化されました。また、日常的な要素を介して深い異文化間の対話と協力を実現するという形は、国際社会にとっても重要なモデルケースとなり、グローバルな文化融合への新たな可能性を切り開く一助となりました。

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