みんなの活動報告内容

7月12日(土)午後から開催された、居場所ネットワーク大阪さんと一般社団法人こどもの居場所サポートおおさかさんの共催、東京都大田区で日本初の「こども食堂」を開かれた近藤博子さんが登壇された 「こども食堂」に取り組んで13年~これからの活動を考える~学習会へ行ってきました。

 

関心度の高さ

中央区の北御堂(津村別院)のご協力を得た定員160名の会場はほぼ満席でした。

会場には、「現在こども食堂やフードバンクに関わっている方」が多く「行政関係者」「こども食堂を始めようと考えている方」「居場所づくりをされている方」なども続き、多くの方が活動に関心を寄せていることがわかります。

 

 

近藤さんの講演

  • だんだんワンコインこども食堂の日常の活動
  • こども食堂について
  • 見えてきたこと・これからの展望
  • 他団体とのコラボレーション

 

今回の学習会の少し前に、近藤さんは「こども食堂」という看板を下ろすことを公表されました。が、これは活動を終えるという意味ではなく、ボランティアの範囲の中でどこまでできるのかを考えるための決断。活動の方向性が少し別のところに向き、新たなコラボレーションや連携も増え、それらは多岐にわたり、近藤さんの言われる「点から線へ、線から面へ」と活動フェーズが変化しているのだと感じました。そして自分たちのできる範囲でやれることは続けていきたいと考えておられます。

さらに、「食」という枠組みの中で、子どもや保護者、地域の人々が自然に関わり合える場を作ることに意義を感じておられ、「こども食堂はすごく良い活動だからどんどん応援しよう」といった外からの風潮には違和感もお持ちのように感じました。

そもそも、主体的に自分のペースで少人数での活動を続けながら地域の中でやんわりとつながる場を大切にしていきたい、という思いが伝わってきました。

 

主催者・参加者を交えたトークセッション

その後、近藤さん、居場所ネットワーク隅田さん、こどもの居場所サポート大阪の横田さんの3人が壇上に上がり、参加者からの質問に答えるトークセッションも行われました。

最近では、こどもがいない世帯の高齢者や障がい者・ひきこもりなどの支援を求める方々も増え、困りごとを抱えた方に寄り添い伴走する支援者が疲弊しているという課題も共有されました。

気軽に立ち寄りやすく相談しやすい場所から必要な行政支援へつなげる役割を果たす場所としての位置づけが、一方で公的機関からの逆アプローチもあるのですが「守秘」により情報共有が難しい現状もあり、支援の難しさを感じている方もいるとのことです。

「こども食堂」とひとくくりにしてしまいがちですが、店主さんの想いや活動している地域性、規模などは十人十色で、それぞれのやり方やあり方があります。 だからこそ、「こども食堂はこれが正解」というものはなく、これから始めようと考えている方には、どんなやり方でもできることから始めてほしいと、エールを送られました。

今回「中間支援組織」としてこどもの居場所づくりやこども食堂・フードバンク支援などの活動している横田さんは「行政から年間30件近くのサポート要請者の紹介があるが、卒業されていくのは年間2~3人で、寄り添い支援を必要とされる方は増える一方だ」と言われたのが印象的でした。

 

学習会聴講を終えて

ご登壇された近藤さんの更なる活動の今後、めちゃくちゃ気になります。

地域の中での「居場所」や「相談できる場・人」があることは、誰かを救うセーフティネットになると考えられ、「こども食堂」が始まって13年が経ち、想いを持って課題に向き合い、取り組まれている方々や、現状や今後に関心を持つ方も依然として多いということも知れました。

一方で、年々「しんどいこども」が増え、「困りごとを抱える人」も増加しているという社会課題は、非常に難しい問題であると感じます。

官民を問わず、そこに関わる支援者が「抱え込みすぎず、疲弊しない」仕組みをどう作るべきか、引き続き考えさせられるテーマです。

 

また、今回共催された居場所ネットワーク大阪さんと一般社団法人こどもの居場所サポートおおさかさんとの連携が深まる今後の展望に、大いに注目していきたいと思いました。

(シミポタ運営事務局・宇野久恵)

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