社会課題と市民活動内容
なぜひとり親は相対的貧困率が高くなるのでしょう?
さまざまな要因が考えられますが、ひとつは収入の差があります。
昭和55年以降、共働き世帯は年々増加し、平成9年以降、共働き世帯は雇用者と無業の配偶者から成る世帯数を上回っています。ひとり親世帯では、父子家庭の父の85.4%が、母子家庭の母の81.8%が就業しています。
父子家庭と母子家庭で雇用形態を比較すると、父子家庭の場合は、「パート・アルバイト」といった非正規雇用が6.4%であるのに対し、母子家庭の場合、非正規雇用が43.8%と高くなっていることが特徴です。
ひとり親の相対的貧困率が50.8%と数値が高いことに無関係とは考えられません。
安定した収入を得られ、保険など保障が付く正社員としてフルタイムで働けるよう、子どもを安心して預けられる子どもの居場所づくり、子を持つ親の仕事と子育て両立制度や風土の整備が整った企業への就職支援など、ひとり親の就労に関するサポート体制を整えることが重要です。
就労のことだけでなく、子どもについての悩みも尽きません。忙しくて子どもに寂しい思いをさせてしまう、子どもの食事が心配、普段の勉強をみてあげられない、塾などに通わせられないなど、子どもの健やかな成長、子どもが望む進路、学力アップとさまざまな不安を抱えています。
大阪市では、子どもたちの未来が生まれ育った環境によって左右されることなく、自らの可能性を追求できる社会をめざし、平成28年に実施した「子どもの生活に関する実態調査」を実施、分析・公表した調査の速報値に基づき、先行的な取組みとして、学習習慣の定着や子どもの居場所づくりなどを掲げました。現在、市域の大学や専門学校が参画して学習支援などを行う「こども食堂」や夜まで子どもを預かってもらえる子育て支援スペースなど、幅広いニーズに応える子どもたちの居場所づくりへと、貧困対策に留まらない広がりをめざしています。
【参考】
厚生労働省<男女共同参画白書 概要版(平成29年度)>
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html
厚生労働省<全国ひとり親世帯等調査結果報告(平成28年)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147.html
大阪市<子どもの貧困対策の取組みについて>