社会課題と市民活動内容

「8050問題」という言葉をご存知ですか?

 

「8050問題」とは、若者のひきこもり状態が長期化することで、相応の年齢になった子(50歳代)を高齢の親(80歳代)が養うという状況が増えているという社会問題をさします。親が要介護状態になることで親子が孤立するケースや、親の収入がなくなることで経済的な問題につながるケースが実際に起きているのです。

 

厚生労働省の調査によれば、65歳以上の者がいる世帯の世帯構造について「単独世帯」「夫婦のみ世帯」とともに「親と未婚の子のみ世帯」が年々増加しているとしています。もちろん、「親と未婚の子のみ世帯」の「子」がすべてひきこもり状態であるわけではありませんが、実際に存在するとされる「ひきこもり世帯」は約32万世帯と言われており、さらに数が多い可能性もあります。

なぜなら、これまでの調査では40歳以上は対象外だったからです。

 

正確に現状を把握するため、内閣府では、40歳~59歳を対象とした「ひきこもりに関する実態調査」を今年(平成30年)、初めて行うこととしています。

 

調査によって実態を把握するとともに、高齢者問題とひきこもり問題という複合的な課題が混在する「8050問題」を解決するため、これまでのような制度・分野ごとの「縦割り」を超えた包括的支援体制が必要といえます。

 

「8050問題」を未然に防ぐ意味で、20~30歳代の若年層の社会復帰支援などに取り組む団体も多くあり、積極的に取組んでいます。

 

【参考】

厚生労働省<政策レポート ひきこもり施策について>

https://www.mhlw.go.jp/seisaku/2010/02/02.html

厚生労働省<国民生活基礎調査の概要(平成28年)>

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html