社会課題と市民活動内容
秋から年末は、新しい事業・活動の計画の頭出しをする、来年度の団体運営を見通してみるなど、市民活動の資金・財源を考える機会です。
市民活動の資金・財源には、会費、寄附金、事業収入、助成金や補助金等がありますが、時には理事や関係者、銀行から借入をする、市民債のようなかたちで資金を調達することもあります。団体や活動の現状と課題、計画に基づく展望をふまえ、活動を継続していくための資金・財源をじっくり考えてみたいものです。
団体にとって自由度が高い財源である寄附や会費を増やすことや、新しい事業を始める時や活動の拡充のステップに活用できる補助金や助成金は重要情報です。
まずは、2021年の寄付意識調査の結果を参考としてご紹介し、助成金の募集が多い今の時期に、大阪市で活動する団体を対象とした助成金の情報をまとめてご紹介します。
【コロナ禍で寄付はどう変わったか】
認定NPO法人日本ファンドレイジング協会は、日本の寄付市場全体を概観する寄付白書を継続的に出版しています。コロナ禍で市民の寄付や意識がどのように変化しているのでしょうか。「寄付白書2021」から、調査結果の概要を紹介します。
東日本大震災以降、初めて寄付額が1兆円に
調査によると、東日本大震災以降、初めて寄付額が1兆円を超えました。寄付をした人の寄付額の中央値は1万円。ふるさと納税は過去最大となり、前回調査から2.4倍に増加しました。
新型コロナ以降「政府への信頼」が低下
身近な人・見知らぬ他者との助け合いなど、社会の意識が変化
「NPO は信頼できる」「政府は信頼できる」「身近な人との助け合いは必要だ」「見知らぬ他者との助け合いは必要だ」「自らの参加により、社会現象を少しは望ましい方向に変えられるかもしれない」の5項目について、これらの意識がコロナ以前と比較してどのように変化したかを質問した調査では、新型コロナ以降「政府への信頼」が低下し、「身近な人・見知らぬ他者との助け合い」が強まるなど、社会意識の変化がみられました。
新型コロナ関連の寄付率トップは20代「寄付の逆転現象」が発生。
同世代の失職やSNSの普及により、若者の寄付が増加
通常の寄付では年齢が高くなるほど寄付者率が高くなっていますが、新型コロナに関連した寄付では逆転し、20 歳代が高齢層よりも高くなりました。この傾向は世界的に共通しており、同世代が失職や機会の損失などの影響を受けている状況があったことや、SNS 上で支援の輪が広がったことが若い世代に影響を与えたと考えられます。
世帯年収の差が、自由に使える時間や寄付・ボランティアの減少に影響
また、世帯年収の差が、自由に使える時間や寄付・ボランティアの減少に影響していることなども報告されています。
【大阪市の市民活動支援情報】保存版
大阪市の市民活動支援情報の主なものをまとめてみました。ご活用ください。
事業の目的や団体・運営などの事情に合ったやりくりを検討する際などは、地域公共人材をファシリテーターとして派遣してもらうこともできます。
(1)市民活動全般への助成
(対象)大阪市の地域課題・社会課題の解決を目的とする公益的な事業
(締切)11月18日
(金額)100万円以内
(問合せ)大阪市市民局区政支援室地域力担当地域連携グループ
(対象)地域課題や社会課題の解決に大きく貢献するとともに、社会情勢等の変化にも対応し、他団体にも影響を与えながら活動している事業
(締切)12月頃
(金額)最優秀賞は支援費10万円
(問合せ)大阪市市民局区政支援室地域力担当地域連携グループ
(対象)生涯学習を通じて市民社会のさまざまな課題に取り組むNPO・市民団体の事業企画
(締切)2月末
(金額)上限20万円(対象金額の75%)
(問合せ)大阪市立総合生涯学習センター
(2)分野別の助成
(対象)身近なまちの整備・改善及び保全等に向けてのまちづくり活動を行う団体(まちづくり推進団体)
(締切)随時募集
(内容)アドバイザー、コンサルタントの派遣、活動費助成
(問合せ)大阪市都市計画局
(対象)男女共同参画に関連するテーマ
(締切)5月から7月ごろ募集予定
(内容)会場、広報、申込受付、当日運営、一時保育などをクレオ大阪が実施
(問合せ)クレオ大阪中央
(対象)男女共同参画の推進に関連するテーマ
(締切)随時募集
(内容)クレオ大阪中央展示ギャラリーの無償利用
(問合せ)クレオ大阪中央
空家利活用改修補助事業(まちづくり型)
(内容)子ども食堂や高齢者サロンといった地域まちづくりに資する改修工事を行い空家を利活用する団体
(法人)非営利団体(NPO法人、社会福祉法人、公益法人等)等
(締切)随時募集。ただし、事前に区役所と協議が必要
(金額)最大300万円
(問合せ)大阪市都市整備局
市営住宅の空き住戸を活用したコミュニティビジネス活動拠点の導入
高齢化が進む市営住宅団地において、高齢者の生活支援や子育てサービスの提供など、団地や地域の活性化につながるコミュニティビジネス等の活動拠点として、NPO等の団体に市営住宅の空き住戸を提供
(法人)不問、ただし個人は不可
(締切)7月頃から募集
(問合せ)大阪市都市整備局
ふるさと納税(ふるさと寄附金)の寄附制度の1メニューとして、芸術・文化団体に指定寄附ができる制度
(対象)音楽・演劇・舞踊・美術・写真・映像・文学・文楽・能楽・歌舞伎・茶道・華道・書道・その他の芸術文化で1年以上活動の実績がある団体
(法人)公益法人、NPO法人
(締切)2023年は5月1日から募集予定
(内容)ふるさと寄附金「なにわの芸術応援募金」への登録
(問合せ)大阪市経済戦略局
(3)その他の助成情報
その他にも多くの助成金があります。情報は下記から検索してください。
(対象)大阪市内における地域のさまざまな福祉課題の解決のために取り組み、ボランティア活動の振興及び地域福祉の向上・増進・推進に寄与する福祉ボランティア活動
(法人)不問
(締切)2月末
(金額)活動支援25万円、人材育成30万円、新規創出100万円
(問合せ)大阪市社会福祉協議会
◆助成金情報が一覧できるサイト
シミポタ事務局
※掲載情報は2022月10月時点の内容です。随時更新しますが詳細は実施主体のサイトなどでご確認ください。
※図表は認定NPO法人ファンドレイジング協会サイトから引用