みんなの活動報告内容

8月19日(土)に『幸教寺』にて第75回まちカフェを開催しました。
今回は『地域活動の一歩目を、お寺で聞く。』ということで、会場は中川の地域にあります『幸教寺』で開催しました。
こちらのお寺の住職である石原さんに限られた時間ではありましたが、石原さん自身の経歴から生野区でされている地域活動のお話までギュギュッと凝縮してお話ししていただきました。
その様子を少しお伝えさせていただきます。

 

自己紹介タイム

参加者1人ずつ簡単な自己紹介タイム

今回は途中参加の方も含めると15名の方が参加してくださいました。
生野区の方を中心に生野区外からも足を運んでいただき、各自色んな思いを持って今回のまちカフェに参加していただきました。
普段から幸教寺に通っておられる方、初めて訪れた方、色んな宗教に興味のある方、これからの地域活動に役立てようと思われている方などなど。
それぞれの方にとって今回の会が気付きのある時間になったとしたら嬉しく思います。

 

石原住職になるまでのおはなし

石原住職

まずはじめに、幸教寺の住職である石原さんの幸教寺の住職になるまでの道のりを話していただきました。
石原さんは豊中生まれで生野区の幸教寺に赴任したのは11年前の25歳の時でした。

14歳の時に父が出家をしたことがきっかけで、当時から一刻も早く自分で稼がなければと思われた石原さん。
高校は工業高校に進まれ、手に職をつけて働こうと思われていました。
出家した父の上司のもとでお寺のアルバイトをすることになったことから、住職になるための適性検査、本試験を受けることになり、それらをクリアされた石原さんでしたが、まだこの頃は工場で働くことを心に決めていました。

その後龍谷大学の仏教学科に進めることになって西本願寺で1年間修行をされ、いよいよ分岐点となる時が来ました。
生野区の幸教寺さんが後継ぎになりませんかという話が石原さんの元に入って来ました。
後を継ぐことになれば養子に入ることになるため、家族会議が開かれ両親ともに了承されたため、25歳という若さで幸教寺の住職に赴任されました。

 

石原住職の地域活動のおはなし

幸教寺に赴任された石原さんは地域の方にアンケートをとりました。
問いは『お寺のイメージ』
ほとんどの回答が葬儀や法事のイメージといったものでした。

本来のお寺は葬儀や法事だけではなく、基本的には誰でも来ていただける開けた場所だと石原さんは仰ります。

日本で初めて作られたお寺が四天王寺。
その四天王寺には医療施設や福祉施設としての役割もあったそうです。

そうしたことから石原さんは幸教寺を誰でも気軽に訪れることのできる、医療や福祉に関することを提供できる場にしていく活動をされています。

 

2つのハードルのおはなし

石原さんは2つのハードルを下げるために行動をされます。

1つ目のハードルは健康、運動のハードルです。
運動が良いのはわかっているけど、筋トレなどの方法もわからないし、そもそも運動ってしんどくて面倒臭いというハードルです。
これは年齢に関係なくあるハードルかなと思います。
そのハードルを下げるために辿り着いたのが『まちあるき』です。
普段住んでいるまちを歩くけれど、1人ではなく何人かで時にはおしゃべりをしながら歩く。
新しい発見があったり、人と人との交流があるので、あっという間に時間が過ぎる。
楽しかったからまた参加したいっていう方が多いみたいです。
そうして楽しく習慣化することで自然と身体を動かす機会が増えて健康につながっていく。

2つ目のハードルはお寺に対するハードルです。
お寺は誰がどう見ても宗教施設ですので、気軽にお越しくださいと言っても気軽に入れないのが人々の心情というもの。
そこで石原さんは『お寺の住職である石原さん自身が地域に出ていく』という行動をされました。
雅楽をされているので雅楽の演奏をされたり、ベースを弾いたり、地域に積極的に出ていくことによってお寺の住職さんのイメージが良い意味で変わっていき、地域の方々もお寺に行くというよりも『地域で会った石原さんという面白い住職がいてる場所に会いに行く』ことができるようになりました。

 

100歳まで歩いて通えるお寺プロジェクト

石原さんが取り組まれている地域活動として『100歳まで歩いて通えるお寺プロジェクト』というものがあります。

こちらのプロジェクトは主に3つの活動を柱とされています。
・まちの保健室
・住職と理学療法士によるココカラお悩み相談所

・ココカラYOGA

 

100歳まで歩いて暮らせるまちプロジェクト

『社会的処方』という仕組みをベースとして『100歳まで歩いて暮らせるまちプロジェクト』を地域拡大版として進めていかれています。

従来のお寺を中心とした活動では政教分離問題や多文化地域の生野区においては限界があり、それをより柔軟に幅広く対応するための試みです。
社会的処方の仕組み自体、日本ではまだまだ馴染みがなくシステム化よる法整備などもないですが、既に訪れている超高齢化による社会保障費増加(医療・介護費)に伴い、その問題を民間から解決していくことを目指していきます。
こちらのプロジェクトは法人化するためにクラウドファンディングの準備をされています。

 

参加者の皆様からの質疑応答タイム

質疑応答の中から抜粋させていただき紹介させていただきます。

Q.生野区に住まわれている仏教徒の海外の方が交流できる会を開けますか?
A.石原さん自身がすでにベトナム人僧侶との繋がりがあるので、開けます。

Q.地域活動を始める上で大切なことは?
A.やりたいという強い想い、何をどうやって準備をしたらいいかということをあらかじめ調べておくということ。

 

むすびに

はい坊主で集合写真

今回のまちカフェで石原さんが最後に話された言葉が印象的でした。

ボランティアが無くなった世界を想像してみてください。
そんな世界怖くないですか?と言われました。

互いを思いやる心が無くなった世界は一体どうなってしまうのでしょうか?

この世界は誰かの命を使って動いているし維持されている。
お陰様でとか困った時はお互い様とはよく言ったもので、今当たり前のように過ごせている毎日は誰かのお陰様であり、お互い様なんだと思います。

お金は確かに大事ですが、それと同じくらいかそれ以上に大切なことがあることをまちづくりセンターとしても1人の人間としても忘れないようにしていきたいです。

最後となりましたが、今回場所をお貸しいただき、お話いただきました幸教寺の石原住職、参加していただきました皆様、そしてこの記事を最後まで読んでいただきました皆様有難うございました。

また次回のまちカフェでお会いしましょう。

生野区まちづくりセンター支援員 武田 憲典

団体名:生野区まちづくりセンター

自分たちも投稿してみる