社会課題と市民活動内容
皆さん、大阪市に在住している外国人の数をご存知ですか?その数、137,467人(平成30年12月末現在)(※1)で大阪市に在住する外国籍住民は全市民の約5.1%を占めています。この数字を見るだけでは、これが多いのか、少ないのか分かり難いかもしれませんが、実は、全国の政令指定都市の中で人口・比率とも最多なのです。大阪市に在住する外国籍住民の国籍や生活の実態、そして実際に抱えている課題から、その課題を解決するための取組みを見ていきたいと思います。
暮らしでどんなことに困っているの?
上記の通り、大阪市には137,467人の外国籍住民がいます。国籍別でみると、朝鮮・韓国、中国が半数以上を占め、その他にベトナム、フィリピン、ネパールなどアジアの人たちが多くなっています。このように大阪市には様々な外国籍住民が在住していますが、暮らしの中でどのような悩みを抱えているのか、ともに大阪で生活している私たちも知る必要があります。
国内の大学(大学院を含む。)、短期大学、専修学校(専門課程)、準備教育機関及び日本語教育機関に在籍する私費外国人留学生(7,000人)を対象に独立行政法人日本学生支援機構が実施した生活実態調査では、留学後の苦労として、「物価が高い」と回答した者が4,219 人(74.0%)で約7割となっており、次いで、「日常生活における母国の習慣(生活習慣、宗教上の習慣等)との違い」が1,972 人(34.6%)、「日本語の習得」が1,750 人(30.7%)となっています。(※2)また、外国籍住民が多く住む東成区・平野区でアンケート調査、インタビュー調査を実施した「外国籍住民のコミュニティ生活意識実態調査」(※3)では、「地域活動の参加について」「日本人との付き合いについて」「災害時の対応について」「健康・医療・福祉について」の4項目について調査したところ、「きっかけがないから地域活動に参加しない」「日本人ともっと親しくなりたい」「外国籍住民の3人に1人は避難場所を知らない」「2人に1人が保健・医療・福祉に不安を抱えている」という結果になりました。
これらの調査から見えてくることは「外国籍住民が地域に馴染むためのきっかけ」と「日本の制度に関する理解の向上」が必要だという事です。
課題を解決するにはどんな活動がされているの?
大阪市には、上記の課題を解決するため国際協力・多文化共生に取り組む団体が数多くあります。「外国籍住民が地域に馴染むためのきっかけ」づくりとして、外国にルーツを持つ子どものための学習支援や、「みんな食堂」での居場所の提供、日本語学校の留学生が地域と交流するイベントを開催するなど、様々な活動があります。以前、このポータルサイトの「企業×市民活動コラボのススメ」でも、留学生が地域のイベントへボランティアとして参加し、日本の文化や習慣への理解を深めてもらう取組みについてご紹介しました。日本の制度に関する理解の向上のため、市民活動団体や社会福祉協議会では外国籍住民を対象とした講演会や、大阪市内の区によっては親子の集いの場など居場所で子育て時に使えるサービスの情報共有をしたりしています。その他にも、行政や社会福祉協議会、市民活動団体の中には、外国籍住民や留学生を対象に日本での暮らしに関する相談を受けているところもあります。
大阪にはたくさんの外国籍住民がいます。私たち一人ひとりが言葉や価値観の違いを尊重しあいながら手を取り合い暮らしていくことが必要です。ポータルサイトにも国際協力・多文化共生についての活動や団体があります。こちらもぜひご覧ください。
※1、大阪市の外国人住民数等統計のページ(ともに支えあう、多文化共生のまちづくりを)
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000431477.html
※2、平成29年度私費外国人留学生生活実態調査概要(P,14)
※3、「外国籍住民のコミュニティ生活意識実態調査」の結果について
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000065275.html
「企業×市民活動 コラボのススメ」
大阪市浪速区の文化を第4世代へ~浴衣を着て地域のお手伝い~
学校法人エール学園×浪速区社会福祉協議会