社会課題と市民活動内容
現在日本では、少子高齢化や貧困など様々な課題があり、暮らしの中でのニーズが多様化しています。これらの多様なニーズに応えるために市民活動は不可欠です。しかし一方で市民活動団体の担い手不足が課題となっています。
大阪市の市民活動を支える人たち
大阪市における市民活動とは、不特定かつ多数の人の利益の増進に寄与することを目的に、自主的に行う活動のことです。では大阪市内で市民活動に関心を持っている人はどれだけいるのでしょうか。大阪市が平成30年に実施した市政モニターアンケート(※)の結果では、全回答者623人中374人が「非常に関心がある」「ある程度関心がある」と回答し、6割以上の人が市民活動に関心を持っていることが分かりました。しかし、実際に活動している人はどれだけいるのかというと、「現在参加している」「過去に参加したことがある」合わせて42.4%と半数を下回っています。「現在参加している」と回答した人を年代別にみると、20~30代で28人と少なく40代からは40人を超え、60代以上になると50人を超えており、多くの活動がこの年代の人たちに支えられていることが分かります。
新たな世代へ情報を届けるために
このように、今中心となり活動しているメンバーの高齢化とともに、新たなメンバーが集まらないことが、多くの団体にとっての課題となっています。その原因は様々だと思われますが、一つとして、せっかくの活動が世間に知られていないということがあるのではないでしょうか。例えば昨今ボランティア募集やイベント告知にSNSやスマートフォンアプリといったICTツールを使用するのは当たり前になってきました。しかし、高齢の方にとってはまだまだ不慣れなことも多く、素晴らしい活動をしていても、若者に情報が届いていないことがあるのもまた事実です。時代に合わせた情報発信を行うことで、参加者が増え、担い手不足の一助になるかもしれません。
情報を整理し、学びながら市民活動を!
では、実際にどうすればいいのでしょうか。時代に合わせた情報発信を団体の内部で意識づけるのがベストですが、簡単なことではありません。そこで、中間支援組織という存在をうまく活用してみてはいかがでしょうか。中間支援組織とは、市民活動団体が地域課題や社会課題の解決にむけた取り組みを進める中で必要とする情報などの資源を紹介したり、団体からの相談に応じたり、団体同士のコーディネートをしたりといった、様々な角度から市民活動を支援する組織を言い、大阪市内にもさまざまな中間支援組織があります。例えば、団体自らがICTツールを駆使することが難しくても、中間支援組織が持つ様々な広報ツールを利用することができます。また、中間支援組織では、交流会や連絡会などさまざまな手法をもって、団体同士の出会いを応援しています。忙しさのあまり自分の団体の運営のみに集中しがちですが、もしかしたら周りにも同じような課題に取り組んでいる団体があるかもしれません。あるいは他業種であっても、協働を望んでいる団体があるかもしれません。
自団体の強みはなんでしょうか。これからの時代に求められることはなんでしょうか。新しい情報を取り入れ、今後どうしていくのかを常に考えることで、団体を存続していく方法や、新たな年代へのアプローチ方法が生まれるかもしれません。少しのきっかけ、出会いが、大きな変化をもたらすかもしれません。次世代へ活動を繋げるために、団体の扉を少し開いてみませんか。
(※)市政モニターアンケート「市民活動の参加状況等について」(平成30年1月~2月実施)の結果
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000445280.html
■大阪市内の中間支援組織
特定非営利活動法人 大阪NPOセンター
http://www.osakanpo-center.com/
一般財団法人 大阪市コミュニティ協会
社会福祉法人 大阪ボランティア協会
大阪市ボランティア・市民活動センター(社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会)
https://ocvac.osaka-sishakyo.jp/