社会課題と市民活動内容
大阪は、少子高齢化やそれに伴う労働人口の減少といった人口構造の変化に伴う課題、高度経済成長期に急速に整備した都市のインフラやニュータウンの衰退、激甚化する気象災害や切迫する巨大地震…さまざまな社会課題が顕在化しています。
例えば移動。移動手段が限られる高齢者等が増加する一方で、利用者の減少や運転手不足などから、地域公共交通であるバス等の路線の廃止や縮小により、ニュータウンや中山間地での交通弱者が増加しています。
例えば医療。大阪は平均寿命・健康寿命共に全国平均より低く、このまま放置すれば今後増大する中高年齢者の生活の質(QoL)を阻害する恐れがあります。
防災・防犯の分野では、南海トラフ巨大地震等への備えに向けた自助・共助意識の向上や、地域の見守り力向上など、適時・適切な情報収集・情報発信が求められます。(※1)
こうした課題を解決し、住民の生活の(QoL)を大きく向上させるために大阪府と大阪市が連携し、検討を重ねてきた施策としての大阪スマートシティ構想では4年後の2025大阪・関西万博を「未来社会の実験場」、「最先端技術を体験できる場」と位置付けています。
そして、うめきた2期地区、2025年大阪・関西万博、夢洲地区のまちづくりの3つの事業で、内閣府のスーパーシティ区域指定が得られるよう、準備を進めています。(※2)
大阪府の資料(大阪スマートシティ戦略会議)によれば、「スマートシティ」とは、ICT 先端技術で都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、新たな価値を創出し続ける持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場と定義されています。(※3)
その資料の中で大阪府市が掲げている取組み内容例は以下の通りです。
(※3資料7-1より引用・加工)
※4 MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、地域住民や旅行者一人一人の移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるもの。
未来のまちづくりがイメージできるのではないでしょうか?
先端技術がたくさん盛り込まれているので、機器操作は苦手…という人の中には取り残される人も出てくるかもしれません。そうならないために、支援者や住民の方々と直接接点を持つ市民活動や地域運営に関わる団体は、今、目の前にいる人たちが社会の変化にきちんと順応して、日々笑って過ごせるためには、どんなサポートが必要かについて、地域やテーマを超えた交流機会を持ってもいいかもしれませんね。また、そのような場に、ICTを取り入れたまちづくりについての理解啓発を行う団体から講師を招いての勉強会をセットにしてもいいかもしれません。
地域を超えて、活動テーマを超えて、さまざまな団体が今から未来をイメージし、行動することで、さまざまな連携協働が生まれる可能性はきっとあります。さまざまな団体と出会うはじめの一歩から、まずは踏み出してみませんか?
【参考】
※1 大阪府・大阪市報道発表資料「大阪スマートシティ戦略Ver.1.0」の策定と府民意見等の募集結果について(大阪スマートシティ戦略ver1.0 e-OSAKAをめざして 6ページ 1 大阪が抱える社会課題への対応)
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=37857
※2 出典:内閣府
(内閣府の政策>科学技術・イノベーション>Society 5.0>スマートシティ)
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/index.html
※3 大阪府
(大阪スマートシティ戦略会議>第3回 大阪スマートシティ戦略会議について>資料7-1「スーパーシティ」構想アイディア公募 発表資料)
http://www.pref.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/smartcitykaigi/smartcitykaigi3.html
※4 国土交通省(日本版MaaSの推進より引用)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/japanmaas/promotion/index.html