社会課題と市民活動内容

障がい、医療的ケア、不登校など支援を必要とする方とご家族が生活していく中で、様々な課題は乳児期・学童期・就職…その時々によって変化し、より複合的に必要となっていきます。そんなスペシャルニーズのある人の課題に向き合い長年活動を続けてこられ、新たに『Cherish~スペシャルニーズのある人と家族の暮らしを支える会~』をお仲間と立ち上げられた代表の吉田琴美さに課題と活動についてご寄稿いただきました。

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【Cherishのスペシャルニーズとは?】

Cherishの「スペシャルニーズ」とは、障がい児者、医療的ケアの必要な方、難病、高齢者、外国籍、不登校、ひきこもり等の総称です。

 

【18歳以降のスペシャルニーズのある人の課題】

障がい、医療的ケア、不登校等のスペシャルニーズのある人が学校を卒業すると同時に親同士のつながりも希薄になります。特に18歳以降になると福祉制度のサービス内容も変わります。移動支援や居宅介護等のヘルパーの数が減っている現状もあるため、ヘルパーを利用できる時間数があっても、実際は利用できない課題を多く耳にします。又、住まいについては一人暮らし・グループホーム・入所施設等に入居している方のリアルな話を聞ける場がないため、わが子がどのように暮らしていくのかイメージできず、不安を感じている人も多くいます。

同じく、通所先・就労先のことも相談できるところへつながらず、悩みを抱えている方も多くいます。

又、18歳以降の医療については、小児科で診てもらえることができず、地域でのかかりつけの病院を見つけるまで情報が少なく、見つかっても病院の理解を得るまで不安を抱えながら通院しているという現状があります。健康診断に連れて行くことが困難なため、知らぬ間に生活習慣病や重い病にかかってしまうことが少なくない現状です。

又、福祉制度を利用できない狭間の課題もあり親の介護と重なるダブルケアやヤングケアラーの状況になっている、経済状況が悪く貧困になっている、不登校ひきこもりの背景にある課題等が、様々なニーズと複合している現状があります。

 

【Cherishの設立の経緯】

わが子に障がいがあると診断を受けると、ほとんどの親が子どもの将来を見通せなくなり不安になります。私(代表)の息子が、幼少期に「自閉症」と診断され子どもの将来を考えると不安が強くなり「どうやって子育てすればいいのか…」と途方に暮れる日が続きました。通院先の病院の保護者会で、同じ境遇の先輩ママに励まされ、ようやく気持ちが前を向けるようになりました。

「地域で同じ境遇のお母さんたちと話したい!出会いたい!」という思いから障がいのある子どもの親が集う場をつくる活動を始めました。

活動の中でコミュニティを築きながら、同じ境遇の方たちとの出会い、子育て・学校・進路・就労等について情報共有し、悩みを話す場は、子育ての見通しが持てるようになり参加された方にとってのセルフケアにもつながっています。では、子育ての見通しを持てるようになると、次に18歳以降のスペシャルニーズのある人の暮らし・医療・経済的なこと・制度・後見人等についての情報が得られ相談できる場、支援者とつながる場が必要となります。

上記で述べた「18歳以降のスペシャルニーズのある人の課題」について、「親なきあと」のことを考えると不安がつきません。だからこそ、「親が元気なうちにできることをしていきたい!」という思いのある障がい児者の親が集まりCherishを2024年4月に設立しました。

Cherishは、大阪市内を拠点として様々なニーズを抱えながら地域で暮らしているスペシャルニーズのある人と家族が安心して暮らせる社会をめざし活動しています。

 

【Cherishの活動内容について】

コミュニティ活動

★スペシャルニーズのある人と家族の集い
 ・ひなたぼっこサロン (月1回)
 ・親なきあと未来予想図(年4回)

ひなたぼっこサロン(くぼたこどもクリニックにて)

 

★不登校・ひきこもりの当事者と家族の集い
 ・すもーるすてっぷ(月1回)

青空カフェのメンバーとすもーるすてっぷの不登校、ひきこもりの当事者との交流会

※青空カフェ:不登校ひきこもりを経験したメンバーが居場所活動しています。

 

相談事業:個別相談、グループ相談は要予約。

 

防災強化事業

★スペシャルニーズのある人の防災知識を取得、情報共有

 ・Safety+(読み方:セーフティプラス)(月1回)

 ・防災イベント、学習会等の企画と実施

 

➤啓発事業
・講師派遣(障がい、人権、防災、不登校ひきこもり等)

・イベントや学習会等の実施

・多職種、他団体等との連携

 

協力団体としての活動

★2024.8.19 はあとふるコンサートin ひがしなり
主催:(一財)大阪市コミュニティ協会東成区支部協議会

Cherishメンバーの障がい児者と医療的ケア児者の家族も参加しました。

コミュ協ひがしなり区民センターにて

 

★2024.10.5 世界髄膜炎デー

 主催:細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会

感染症が原因でスペシャルニーズを抱える人がいます。知ることで守れるいのちがあることを知りました。

もりのみやキューズモールBASEエアトラックにて

 

★2024.10.18 スペシャルニーズのある人の18歳以降の医療と暮らしについて

  ~「親なきあと」我が子の健康をどう守る?~

 2025. 1.24 クリニックへ行く前にできること 

   ~やさしい医療につながる~

主催:スペシャルニーズのある人のやさしい医療をめざす会(略称:FMCA)

18歳以降の医療と暮らしについて「親なきあと」我が子の健康をどう守る?

Cherishの活動となるテーマでもあり、とても大切なお話でした。

新大阪KOKO PLAZA会場とオンデマンド配信にて

 

【今後の活動について】

現在の活動について振り返りながら、見えない背景に目を向けて、社会課題や制度の狭間にある問題、ネット社会での情報過多の中でリアルな情報が得られるような機会と対面(オンラインを含む)で交流することで、見えてくるニーズに対応できる活動を積み重ね必要に応じて事業展開していきます。

団体の理念として「お互いを尊重し、おもいやりの心をもって共生していくこと」を掲げています。

この理念のもと、誰もが安心して参加できるような雰囲気づくりを大切にスペシャルニーズのある人の暮らしを支える団体として邁進していきます。

 

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