市民活動ワクワクレポート内容

●開催目的
生成AIを使用した画像や音楽、動画などを目にする機会が増えてきました。
活用できれば便利ということは何となく理解していても、どのAIを使えばいいのか、どのように使えばいいのかわからない方が多いと思います。
そこで、「市民活動に役立つ初級AI講座」と題して、広報や事務作業に役立つAI活用を学ぶハイパーセミナーを開催しました。
●講師紹介
講師は、NPO法人チュラキューブ代表理事、株式会社GIVE&GIFT代表取締役、大阪国際工科専門職大学工科学部准教授、というマルチな肩書きを持つ中川悠さんです。
障がい者福祉、高齢化、農業振興など数々の社会課題解決に取り組みながら、高校や大学で生成AIの講座も行われています。
●参加者について
参加者は10代から70代までの幅広い年齢層の男女30名。
AIへの使用状況は様々で、セミナー内で中川さんが参加者に確認したところ、「どんなことができるかは何となく知っているが、自分で使ったことはない」や「興味があり、試しに少し使ってみたことがある」という人が多く、「基本的な使い方は理解しており、個人的な目的または活動で時々使っている」という人は少人数でした。
AIをどのように活用しているか(したいか)という質問に対しては、広報・情報発信、企画・運営、事務・申請作業など、様々なことに活用を希望されていることがわかりました。
●中川さんのAI活用事例
夏休みに娘さんと一緒にお姫様の絵本(ゲームブック)を制作した際、Geminiで物語を創作し、Canvaでイラストを描いた事例の紹介。
また、大学のオープンキャンパスで使用する動画を、AIを使って作成されたそうです。
音楽生成AIのSUNOを使用して、マラソン大会をイメージした楽曲を短時間で作成する実演を見せていただきました。
その中で、AIは一回では理想通りに動かないので、何度も試行錯誤して、条件を変えたり、組み合わせたりしながらAIとやりとりする必要があることを教えていただきました。
●最近のAI事情
セミナーでは、画像生成の進化からマルチモーダルの活用まで、最近のAIの状況についても教えていただきました。
・画像生成AIでは、同一キャラクターの「保持」が可能になり、異なる設定でのイラスト制作が容易になったこと
・動画生成AIでは、現場で撮影できなかった映像を後からAIによる動画制作で補完したり、音声を付けたりできるようになり、とても便利になったこと
・AIが時間をかけて推論を練る長期思考モデルの登場は、AIとの付き合い方を「すぐに答えを得る」から「作業を依頼して待つ」スタンスへと変え、より複雑で質の高いアウトプットができるようになってきていること
・音声入力が進化してきているので、文字入力で短いプロンプトを入力するよりも、長めにAIに話しかけて認識させる方が文脈を読み取ってくれるので、より良い結果につながりやすいこと
・AIがリアルタイムに調べる量が増えたことで、ハルシネーション(事実と異なる情報をAIが生成すること)が減少してきていること
マルチモーダルの説明として、AIと会話(声)でやりとりができること、AIがスマホのカメラで周囲の状況を認識できること、AIがスマホの画面に映っているものを認識して音声で説明できること、などを実演していただきました。
また、大学の現場では、大学生が資料作成する際にAIを使って作ることはNGではなく、効率化や質の向上につながるのであればOKという時代になってきている、というお話が印象的でした。
●プロンプト(AIへの指示文)の入力のコツ 7選
①明確で具体的な指示を与える
②役割を与える
③プロジェクトの背景とコンテキスト(文脈)を提供
④出力の仕様を明確にする
⑤ルールと制約を設定する
⑥出力例を提供する
⑦自然な言語で会話的に
●3つのAIの紹介
・ChatGPT
エージェントモードでは、ホテルの予約ができたり、細かく指定をして購入したい商品やお店を検索したりすることが可能
DeepReseachモードで時間をかけて検索することが可能
・Gemini
最近文章作成能力が飛躍的に向上
DeepReseachモードあり
Canvas機能を使って、ウェブページ、インフォグラフィック、クイズ、音声解説などを作ることが可能
→活用例)長い文章を要約してスライドにすることができる
・NotebookLM
ソース(テキストや資料や音声)を読み込ませるとAIが要約し、音声解説、動画解説、マインドマップ、レポート、フラッシュカード、テストのいずれかの形式でアウトプットできる
→活用例)イベントマニュアルなどをわかりやすく音声や動画で説明ができる
→活用例)インタビュー記事の作成の際に、参考にしたい記事の体裁(納品形態)を指定すれば、同様の体裁で記事を作成できる
●(まとめ)市民活動にAIを活用しよう
・音声生成AIで団体のテーマソングを作る
・イベントやセミナーの内容についてAIに相談する
・資料をまとめてわかりやすくマニュアル化する
・絵本をつくる
・インタビュー記事を作成する(議事録を作る)
●AI生成物と著作権侵害について
最後はAIに関する著作権について。
AIへの学習データ入力は原則として著作権侵害にあたりませんが、AI生成物が既存の作品と酷似していて、元作品への「依拠性」と「類似性」が認められると著作権侵害になる可能性があるそうです。
意図せずとも似てしまうリスクがあるため、公開前の確認が必要となります。
●むすびに
最近のAI事情、代表的なAIの紹介とその活用例、著作権について教えていただきました。
これまでAIを使っていなかった方も、AIを活用すれば、業務の効率化が図れ、クリエイティブな成果物を生み出すことができる便利なツールである、ということは認識いただけたと思います。
また、AIの性能は日々向上しているので、ユーザー側の知識や情報のアップデートも必要になります。
みなさんも、AIを上手に活用して、業務の効率化や新しいことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
シミポタ運営事務局 尾谷伸也
※本記事の作成にあたって
セミナーを録音したものをAIで要約することはできましたが、私がまだAIを使いこなせておらず、一発で記事にすることはできませんでした。 AIで要約したものを参考にしながら、記事を作成しました。
またAIで文章チェックを行い、誤字脱字や言い回しの修正を行いました。




