みんなの活動報告内容

 

春らしい暖かさと共に花粉や黄砂に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
そんな春の訪れを感じる3月25日(火)に第94回まちカフェを開催いたしました。
9年間生野区まちづくりセンターを受託してきましたが、今年度末3月31日で卒業です。
最後のまちカフェもまちカフェらしく生野区内にある素敵な「場所」や「人」をお繋ぎする場で締めくくりました。

今回の会場は3月にオープンしたばかりの「CASA TOCOTON(カザ トコトン)
築105年という歴史のある長屋をリフォームして作られました。
隣には陶芸家のAnnaさんの工房「陶芸Tocoton」があります。
日本人には耳馴染みのない「CASA」という言葉は一体どういう意味なのか?
この場所を運営されているRyoさんとAnnaさんのお二人はどんな方なのか?
どういう想いで生野区に活動の拠点を構えられたのか?
活動する上での困りごとなど。。
時間の許す限りお聞きさせていただきました。

 

CASA TOCOTONの看板

 

こちらが「CASA TOCOTON」の看板です。
リフォームをする際に出た端材を使ってRyoさん、Annaさんのお二人で文字などを書かれて命を吹き込まれたそうです。

 

オープンの経緯

合同会社Tocotonを立ち上げ、WEBデザイナーとして働かれているRyoさんと陶芸家として働かれているAnnaさん。
Annaさんは「陶芸Tocoton」を運営され、ご自身の作品制作や陶芸教室をされています。
その横の物件が空いたのでRyoさんが買い取り、日本文化を体験できる場所、国籍や性別や肩書きなど関係なく地域の色んな方が気軽に集える場所として「CASA TOCOTON」を作りたいという想いでオープンされました。

 

「CASA(カザ)」とは

カタルーニャ語で「家」という意味だそうです。
CASAはイタリア語では「カーサ」と読まれることもありますが、スペインのカタルーニャでは「カザ」と読まれます。
Annaさんはカタルーニャ出身ですので、「CASA TOCOTON」は「カザ トコトン」と読むようにされました。

 

想いの循環

今回のリフォームは船長をはじめとする株式会社ながやRの方々が担当されたそうで、古民家の良さをどのように残すのか、引き出すのかといったところをひとつひとつ丁寧に仕事されたと聞きました。
ただただ場を作るということではなく、人の想いが人に繋がって場として共有されて、また人に伝わっていく。
とても良い循環だなと思いました。

 

ビザの問題

RyoさんとAnnaさんはパートナーとして暮らされていて、スペインでは結婚されていますが、Ryoさん自身がFtMのため現在の日本では結婚することができません。
そのため、Annaさんが日本に住み続けるには配偶者ビザは申請ができないため、現状では就労ビザを取得するしか方法はないのです。

会社の売上に応じてビザの年数も変わるみたいですが、現状1年ごとに更新しないといけないので、日本に住み続けるということは厳しい条件であることが感じられました。

 

カタルーニャについて

カタルーニャはスペインの州のひとつですが、同じスペインとはいえ歴史的に見ればアイデンティティが違っているので、文化的にも言語的にもスペインとは違った部分も多くあります。
現在は教育の中に復活していますが、過去にはカタルーニャ語を禁止されていた時期もあり、一定の年代ではカタルーニャ語を書くことができないといった人たちも多いと聞きました。
カタルーニャ語は日本語と似たような母音があるため、Annaさんの日本語もとても上手で、もしかしたら日本人もカタルーニャ語を話すことができるのかもと思ったりしました。

 

CASA TOCOTONで出来ること

現在、「CASA TOCOTON」では
墨絵体験、書道体験、招き猫絵付け体験、着物着付けとヘアアクセサリー作り体験、茶道と抹茶茶碗づくり体験、華道体験、陶芸体験、金継ぎ体験、抹茶茶碗の彫刻と装飾体験ができます。
ウクライナの方、アメリカの方、カタルーニャの方、日本の方など様々な国の方々が講師となり日本文化の体験ができます。

 

CASA TOCOTONをどんな場所に?

Ryoさんはこの場所を国籍も年齢も性別も関係のない集まれる場所にしていきたいと考えておられ、大きく広げるというよりは小さくても地域に根ざした場所にしていきたいという想いを強く持たれています。

隣近所のつながりを大切にし、生野区内はもちろんのこと、生野区外から来られた方にとっても落ち着く場所にしていきたいと言われています。

日本文化の体験やスペース貸しもされているので、用途に応じて柔軟にご利用いただけたらと思います。

 

むすびに

9年間生野区まちづくりセンターを受託して、94回も重ねてきた「まちカフェ」ですが、今回で一区切りとさせていただきます。
そんな最後のまちカフェにぴったりの素敵な場所と素敵な人を今回も生野区の方々にお繋ぎ出来て良かったと思います。
これからも生野区のまちでは様々な方が、様々な場所で、様々な形で活動されていくと思います。
ひとりひとりの活動が、ひとつひとつの場所がとても大切で尊いものだと最後の最後まで感じさせられました。
これからも受託者が変わっても生野区まちづくりセンター自体は続きますので、また新たな繋がりがあちらこちらで紡がれて生野区がより豊かになりますように。
またどこかでお会いできたら幸いです。

生野区まちづくりセンター支援員 武田憲典

 

 

団体名:生野区まちづくりセンター

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